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祝35万PV達成 『親ガチャ失敗・俺の親、泥棒ですが何か!』 怪盗紳士は『スチール』極めて成り上がる。  作者: 米糠


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第214話 バレた手の内


『お宝見つけ隊』と『ブラックキャット』がテントに入り『ドラゴンの牙』の3人と俺たち2人だけになる。


 はっきり言って、なんとなく重い空気が漂っている――気がする。

 だって、『ドラゴンの牙』の3人って、がらの悪いマッチョマンなんだもん。

 こっちからだと話しかけづらい。

 絡まれたりしないよね。


『ドラゴンの牙』の3人もこちらに話しかけてくる様子はない。

 このまま6時間が経つのを待てばいいのかな?


 気配察知で感じているレッドオーガに攻めてきそうな動きはない。


『ドラゴンの牙』の3人は、今まで見た感じでは、索敵系のスキルは持っていなさそう。


 敵を発見するのは遅そうだから、俺が気をつけていないといけないな……。


 周囲に感じるレッドオーガ・レベル4の気配は4匹。

 いっそ出向いて倒してしまおうか……?


 20連スチールを使えば、1発で倒せるし、倒しておいた方が安心だしな。


 スライム君に身代わりをしてもらい、『不意打ち』で姿を隠せば、『ドラゴンの牙』に気付かれず一人で行動できると思う。


 沙織さんには気付かれちゃったみたいだけれど、『ドラゴンの牙』なら気付かれなさそう。


 綾華に耳打ちして同意を得る。


 綾華は一瞬眉をひそめたけれど、特に反対はしなかった。


 俺は1度テントに入ってスライム君を召喚し、『不意打ち(56367)』で姿を消してテントを出る。


 夜警をスライム君に任せ、そっと野営地を離れる。


 一番近いレッドオーガ・レベル4の気配に近づく。


『不意打ち(56367)』のおかげでレッドオーガ・レベル4は、俺が近くにいるのに気付いていない。


 俺は20連スチールを発動した。


 MP700をスチールしました。

 力700をスチールしました。

 防御外皮600をスチールしました。

 知力を150をスチールしました。

 速さを500をスチールしました。

 器用さ500をスチールしました。

 火魔法ファイアボール(40)をスチールしました。

 棒術適性(400)をスチールしました。

 鋼鉄の金棒をスチールしました。

 HP700をスチールしました。


 脳内にメッセージが響き終わると、魔石を拾った。


 一人で戦った方がよっぽど楽だわ。


 残った3匹も倒して回り、『ドラゴンの牙』の3人に気付かれないようにテントに戻ってスライム君と入れ替わった。

 

 綾華が「お帰り」と耳打ちした。


「こっちは大丈夫だった?」


「なにもないよ。大丈夫」


 だろうな。

 レッドオーガに襲われる要素はない。


「倒してきたの?」


「うん。4匹いた。これでたぶん朝まで大丈夫だよ」


「天心君って、すごいなー!」

 

 ――6時間が経ち、夜警を交代するとテントに入って睡眠をとる。

 

 同じテントで綾華と隣り合わせだ。

 沙織さんと3人で潜っていた時も、二人ずつ寝ていたので初めてではないが、同時に布団に入るのは初めてだ。

 この前までは3時間交代で夜警をしていたから、布団に入る時には必ず片方が眠っていたからね。


 隣で綾華が起きているのか寝ているのか、少し気になる。

 気にせず寝よう。


 6時間経ったのか、真季さんがテントの入り口から声を掛ける。


 俺たちは、布団からもぞもぞ起き出しテントから出た。


 朝食を取ったら、探索開始だ。


 朝食もカロリーブロックを一つ食べる。


 他のパーティメンバー達も朝食はカロリーブロックのようだった。


「さて、今日はEゾーンを目指して進みましょう。

 先頭は『白銀の双翼(そうよく)』と真季。

 2列目に私と満菜美。

 3列目を『ドラゴンの牙』

 しんがりは、『お宝見つけ隊』にお願いします」


 全員が頷き、俺が前列中央で歩き出した。

 昨日と違って右に綾華、左に真季さん。

 二人の間で何か話し合いでもしたのかな。

 たぶん、レッドオーガが金棒を持つ方をベテランの真季さんが受け持つことになったのだろう。


 その方が、ドロップ率を高められそうだと考えたのかな?


 しばらくレッドオーガと遭遇せずに進んでいったが、俺の気配察知にはたくさんのレッドオーガの気配が感じられている。


 2匹のレッドオーガに挟撃されないように、2匹の間を通ろうとせず、確実に1匹のレッドオーガと正面から向き合うように、俺は方向を選んで道なき草原を進んだ。


 頭上には光輝石の天井が、足元の草を照らしている。


 朝から晩まで明るいんだよね。

 時間が分からなくなっちゃうぜ。


 そして本日の1匹目のレッドオーガと遭遇した。


 Dゾーンなので当然レベル4のレッドオーガだ。


 俺たちを見つけたレッドオーガはファイアボール(40)を飛ばしてきた。


 1つの大きな火の玉だ。

 レベル3のレッドオーガが飛ばしてくる火の玉より一回り大きい。


 今までは大剣で斬り飛ばして無効化してきたが、今度の火の玉はそれでは少し厳しいようだ。


 俺はとっさの判断でスライムバレット(1228)で火の玉を迎撃した。


 消化液の弾丸の嵐が火の玉を消滅させ、レッドオーガに降り注いだ。


 レッドオーガは金棒を回転させ防御しようとするが、消化液が金棒を溶かす。


 レッドオーガの金棒が溶け、防御外皮が大ダメージを負った。


 そこに俺が切りかかる。


 大上段から大剣が振り下ろされた。


 レッドオーガは金棒で受け止めようとするが、その金棒は消化液で溶かされボロボロの状態。


 振り下ろされた大剣が、ボロボロの金棒ごとレッドオーガを両断した。

 防御外皮が弾け飛び、レッドオーガの頭部から赤い鮮血が飛び散る。


「グオー!」


 悲鳴を上げて、頭を抱える。


 その両サイドをすり抜けざまに、真季さんの剣と綾華のライフルが、閃光を放つ。


 レッドオーガの右わき腹に刀傷。

 左わき腹に大きな欠損(あな)が開く。


 さらに、俺が第2撃で横薙ぎ一閃。

 レッドオーガの上半身が斬り飛ばされた。

 

 煙を上げて魔石に変わる。


「ドロップさせられなかったね」

 真季さんが残念そうに俺を見る。


「すみません。金棒溶かしちまって……」


「でも、あの場合、しょうがなかったんじゃないかなー。

 大剣で切ったんじゃあ、私と綾華ちゃんが火の玉の破片でダメージを負ってたと思うし」


「そう言ってもらうと、助かります」

 俺は頭を掻いて苦笑いをした。


「いい判断だったわ。赤嶺君」

「いい……判断……」

 二千華さんと満菜美さんも、俺のとっさの判断を褒めてくれた。


「それにしても赤嶺君、あんな魔法も使えるのね」

「…………すごい」


「スゴすぎー!」

「めちゃくちゃな威力でござったな!」

「あんなの初めて見たのねん?」


「驚いたぜ! おまえさすがはSランクだな。俺たちとはものが違う」

「「…………」」


 やっべ! 手の内を一つ見せちゃったわ。

 ……まあいいか。

 次からはスライムバレット(1228)ありきで戦えるから、良しとしようか?

 ただ、MPの総量が膨大なのを知られないように、できれば何度も使わない方がいいだろう。

 MP切れを気遣っているように、見えるようにした方がいい。


「金棒を溶かさないように、できるだけ剣だけで対応したいと思うので、綾華と真季さんが火の玉の破片でダメージを負わないように立ち回ってくれると助かります」


「了解。そうするから安心して」

「分かったわ。大丈夫、天心君の足を引っ張るようなことはしない」


「ありがとうございます」


 俺は落ちている魔石を拾って先に進んだ。

 

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