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祝35万PV達成 『親ガチャ失敗・俺の親、泥棒ですが何か!』 怪盗紳士は『スチール』極めて成り上がる。  作者: 米糠


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第213話 Dゾーン


 レッドオーガ・レベル4が姿を現した。


 まだかなり遠いが、俺には見識眼ではっきり見える。


 赤黒い皮膚。

 頭部の鋭い2本の角。

 筋肉隆々の太い腕と厚い胸。

 腰に巻いたトラ模様の腰布。

 鋭く赤く血走った目。


 レッドオーガを発見し、『お宝見つけ隊』と『ドラゴンの牙』がマシンガンを撃ち始める。


 6人のマシンガンが轟音を上げた。


 ガガガガガガガ――


 レッドオーガは、鋼鉄の金棒を高速で回転させて作った盾で銃弾を弾き飛ばした。


 ガガガガガガガ――


 すげーな。

 弾が1つも当たってなくね?


 棒術適性(400)の技の一つか? 信じられんわ。


 レッドオーガが銃弾を弾きながら、駆け寄ってくる。


 マジか!


 俺達との距離がどんどん詰まる。


 やばいやばい。


「満菜美! 魔法!」

「!! フリージング!」


 二千華さんの指示で満菜美さんが魔法を唱えた。

 さすがはSランクパーティ――落ち着いてるね。


 駆け寄るオーガを冷気が襲うがオーガは凍りつくことなく近寄ってくる。

 だが、フリージングの効果で鋼鉄の金棒の回転が鈍り、マシンガンの弾丸をはじききれなくなっていた。


 はじききれなかった弾丸が、容赦なくオーガの防御外皮を削る。

 防御外皮に蜘蛛の巣上の弾痕が付いて行く。


 だが、レッドオーガ・レベル4の防御外皮は600だ。

 一気には削り切れなかった。


 このままではもうすぐ接敵し、『ドラゴンの牙』と『お宝見つけ隊』が蹴散らされそうだ。


「交代するよ! 撃ち方やめ!」


 危険と判断した二千華さんが叫んだ。


 その言葉が言い放たれると同時に俺と綾華、真季さんの3人がレッドオーガに突っ込んだ。


 正面でヘイトを取るのは俺の役目だ。


 俺は、一早くレッドオーガの正面に立ちふさがった。


 大剣を大上段から振り下ろす。


 ガシーン!


 受け止められた。


 袈裟に切り下ろす。


 ガシーン!


 受け止められた。


 横に薙ぐ。


 ガシーン!


 受け止められた。


 受け止められるたび、大剣と金棒が火花を散らし続ける。


 俺の剣撃が全て受け止められているが、それは想定内だ。


 俺の連続剣撃は、どんどんスピードを上げていく。


 ガシーン! ガシーン! ガシーン!


 レッドオーガの顔が青ざめる。


 足が地面に沈む。


 レベル4のレッドオーガでも、俺の剣撃を受け止めるのがやっとだった。


 そういうスピードとパワーで、俺が剣撃を繰り出しているんだけどね。


 両サイドに回り込んだ綾華と真季さんが攻撃を始める。

 だがレッドオーガに2人の攻撃を避ける余裕はない。


 防御外皮が弾け飛んで消滅し、真季さんがレッドオーガの左腕を切り落とし、綾華が右腕の金棒を叩き落した。


 レッドオーガは3方向からの攻撃にさらされ続ける。


 俺はまた、誰にも分からないように無言でスチールを唱えた。


 ファイアボール40をスチールしました。

 棒術適性400をスチールしました。

 MP72をスチールしました。

 

 切りまくられ、殴られ続けたレッドオーガから煙が上がる。


 そしてついには魔石に変わった。


「余裕ですね。俺は無傷ですよ」

「私もだよー」

「私もよ」


「ヨユー!」

「圧巻でござったな」

「強いのねん」


「お前らすげーな」

「「…………」」


「回復役の出番がないわね」

「赤嶺君、本当に無傷……?」


 俺は軽く2度、胸を叩いて見せた。

 魔石と金棒を回収しながら、周囲の安全を確かめる。


 気配察知で確かめたあたりのレッドオーガ達の中には、俺たちに向かってきている個体はいない。

 俺たちが、やつらの索敵範囲にはまだ入っていないということだ。


 それにしても、あんなふうにマシンガンの攻撃を防ぐとは思わなかったぜ。


 棒術適性400侮りがたし。

 今は俺が奪っちゃったんだけどね。


「少し休みを入れましょうか?」


 俺は全然休む必要はないけどね。


「少しだけ、休みたいわね」

 

 真季さんが、二千華さんに答える。


 真季さんと綾華は疲れたのか。

 あれだけ剣やライフルを振り続けたんだから、疲れるわな。


 それほどまでに、レベル4のレッドオーガは強かったってことなんだね。

 

「二千華氏ー。もうこのへんで野営にしないかー」

「そうでござるよ。もう晩飯の時間でござる」

「大貴、お腹空いたのねん」


「そうですね。確かに今日はこの辺にして、明日に備えましょうか?」

「それ、良いわ。私は賛成よ」

「私も賛成」


 俺は、綾華と視線を交す。


「天心君。皆さんに合わせましょ」

「ああ。俺はどちらでも問題ないぜ」


「全員賛成のようだし、晩御飯にしましょう」


 俺たちは、晩御飯を食べ野営の準備をする。

 俺たち二人は、支給された保存食・いろいろな味の12個のカロリーブロックだ。


 1食1個食べるといくつか余る。


 予備があるということらしいが、カロリーブロックだけでは少し物足りない。


 とりあえず、俺と綾華は3種のレーズン味のカロリーブロックを食べることにした。


「結構おいしいね」


「そうですね。レーズンの甘さと酸っぱさが微妙に混ざり合って、絶妙のバランスです。美味しい」


「でも、4日間こればかりだと、味が違ってもさすがに飽きるかな。オーク肉があるから、間で串焼きでもはさもうか?」


「そうですね。もしインスタントのカップ麺やカップ飯が残ってたら嬉しいな」


「ああ。カップ飯があったと思ったよ。綾華の好きなラーメン味の『ぶっこみ飯』2つとシーフード味1つとカレー味1つ。白いご飯が4つ。あとは、バナナが数房とまとめ買いしたベーシックなカロリーブロックが10個くらいある」


 調べてみたら、けっこうあるな。


「レトルト食品、余しておけばよかったね」


 それなー。


 食べきる料しか買わなかったから仕方がないわ。


「たりなかったら、何か出そうか?」


「いいえ。

 このシリーズは、1つがとっても大きいからお腹がいっぱいになっちゃった。

 お水があったら欲しいかな」


 支給されたペットボトルの飲料水500ml・20本入り3箱がスライムの胃袋にいれてある。


 俺は、飲料水のペットボトルを一つ綾華に手渡した。


 カロリーブロックって、食べると喉が渇くよね。


 俺も1本取り出して水分を補給した。


 食べ終わるとテントを張り、中に毛布を敷く。

 

 パーティそれぞれがテントを張ったので、色とりどりのテントが4つ並んだ。


『ドラゴンの牙』のテントは緑色。

『お宝見つけ隊』はピンク。

『ブラックキャット』はその名の通りブラック。

 そして俺たち『白銀の双翼』はブルーである。


「夜警なんだけど、6時間交代で前後半2組に分かれましょう。

『ドラゴンの牙』『白銀の双翼』組と『お宝見つけ隊』『ブラックキャット』組。

 これは、バランスを考えての組訳なんだけどいいわよね?」


 俺たち、『ドラゴンの牙』の3人と一緒かー。


 なんだか1番組みたくない人達なんだけど、でも索敵能力を考えたら『白銀の双翼』と『お宝見つけ隊』は分けたいし、マシンガンをメイン武器とする『ドラゴンの牙』と『お宝見つけ隊』も分けたい。


 そうするとこの組み合わせになるんだよね。


「分かりました」

「分かったわ」


 俺と綾華が返事をした。


 他のパーティも頷いている。


「初めは、『ドラゴンの牙』『白銀の双翼』組に夜警をお願いね。

 6時間後に私たちを起こして交代ね」


「了解です」

「分かったわ。お姉さま」


『ドラゴンの牙』の3人が無言で頷き、テントの前に座り込む。

『お宝見つけ隊』と『ブラックキャット』の面々はテントに入って眠りだした。


 

 

 

 


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