表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
祝10万PV達成 『親ガチャ失敗・俺の親、泥棒ですが何か!』 怪盗紳士は『スチール』極めて成り上がる。  作者: 米糠


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

102/103

第101話 三足の草鞋


 朝四時。


 夏とはいえ、この時間は肌寒い。


 昨晩、動画を見て知識を蓄えた後、俺は11時には眠りについた。


 5時間は眠って回復している。


 目はぱっちり、やる気は十分。


 Tシャツとジーンズに着替えて石神公園まで走る。


 もちろんサッカーの練習のためだ。


 広場には誰もいない。


 まずはドリブル――、インサイド、アウトサイド。

 高速ドリブル。

 カットドリブルで方向転換。

 仮想の敵をイメージし、自分の体でボールを隠しながらのブロックターン。

 足裏タッチで、球を止めたり、バックしたり、すくい上げたり。

 細かいタッチで小さく素早く方向転換。

 再びドリブル――インロール、アウトロールを左右の足で、さらに交互の足で。

 そして、フェイントを混ぜる。

 ボディフェイント、ステップオーバー、キックフェイント、シザース。

 時間は刻々と流れていく。

 高速で技を繰り出し仮想の敵を振り払う。


 『分割思考』で作り上げた仲間が、敵のマークを外し、パスを受ける態勢を作った。


 今、このタイミングならインターセプトされずにパスが通る。


 さっきの動きで振り払われた俺のマークも、1歩離れていて間合いを詰め切れていない。

 足元にはサッカーボールが吸い付いていて、俺も今ならパスを出せる。


 『分割思考』の味方はナイスなタイミングで、俺のパスを要求している。


 いいぞ『分割思考』の俺!


 そうそう。そうやってパスもらうアクションができれば、パスが来るはず。

 サッカーは、ボールを持っていないときの動きが大切なのだ。

 ただ待っていればパスが来るというものではない。

 ボールを持つ見方が、パスを出せるタイミングでマークを外し、俺にパスをよこせとアピールするのだ。


 その瞬間、俺は思わず反射的にボールを蹴った。


 あ!


 パスを出しちゃった。

 

 本当はいないんだった。『分割思考』の俺。


 ボールは無人の広場に飛んでいっちゃったよ。


 ばか、ばか、ばか!


 俺はダッシュでボールを追いかけた。


 すぐさま追いつき、また一人、ドリブルと個人技を繰り返す。


 時間はどんどん過ぎていく。


 3時間はすぐに経った。


 Tシャツは汗でびっしょり。


 これじゃあ、道造さんの家に行く前に服を着替えた方がいい。


 俺は、最後に昨日見た動画の個人技を新たに練習してみる。


 ボールを止めるふりをするトラップフェイント、外内の一瞬の切り返しで抜くエラシコ、体を回転して相手を躱すマルセイユターン、クライフターン、Vターン、Lターン。


 サッカーの足技は多彩だ。


 器用さのステータスが高いとはいえ、最初からは上手くできなかったが、何度も繰り返すうちに動きがスムーズになってくる。


 あとは、ボールを見なくても無意識に技が出るくらいに練度をあげる必要がある。


 ボールが体の一部になるくらい、繰り返し繰り返し練習した。


 おっと……もう時間切れだ。


 俺は、練習を切り上げ家路につく。


 風呂でシャワーを浴びて道造さんの家に向かった。


 道造さんの家に着いた俺は、一緒におにぎりを食べながら、道造さんに探索者資格剥奪が取り消されたことを告げると、彼は満面の笑顔で喜んでくれた。


「そいつは良かったのう。資格剝奪されること自体がおかしいと思っておった。取り消されて当然じゃ!」


 そうかもしれないけれど、これは綾華が、おじいちゃんにお願いしてくれたおかげだ。

 綾華には、この恩を何倍にもして返してあげるからね。


「とりあえず、一安心ってところです」


 にっこり笑ってトレード開始。


 ――今日は前場で2回の取引をして1万1300円の儲け。


 今日も昨日に続いて自分の判断で取引できた。


 少しずつ、デイトレードにも慣れてきたぞ。


 いつもの町中華で昼飯を食べ、池袋西探索者ビルに向かった。


 そして夜8時までスライムを狩り、パーラーで晩飯にする。


 やっぱりここの和風ハンバーグ定食は上手いんだよね。


「天心じゃないか! 何でここにいるんだよ?」


 梶谷猛、金城守、田畑康太の3人組が近づいて来る。


「探索者以外は、ここで飲み食いしちゃダメなんだぜ!」

 

 田畑康太が俺の肩に手をのせた。


 俺は、探索者に復帰したのだから問題ない。

 そもそもパーラーは、探索者以外の利用を禁じたりされてはいない。


「お久しぶりです。俺の探索者資格剥奪……あれ、取り消されたんで、また探索者に復帰できちゃいました」


「マジか!」

「本当か!」

「やっぱ、厳しすぎだよなあ!」


 3人が口々に驚きをしめして、喜びに顔を見合わせる。


「てことは……」

「だな……」

「俺たちのパーティに加われるってことか?」


 いやいや――たぶんそうはならないと思うけど、

 

「それにしても……」

「よかったな」

「おめでとうさん!」


「ありがとうございます」


「で、今日は探索してたってことだよな?」

「……」

「朝からやってたのか? 俺たちは朝から――10時くらいからやってたぜ」


 へー……こいつらけっこう真面目じゃん。


「俺は、お昼から、潜ってました」


「俺たちは、第3階層で、稼いで装備を揃えたら、第4階層に進む予定だ」

「……」

「なかなか装備を揃える金が、たまんねーんだわ」


 なるほど……それで朝から頑張ってるのね。


 俺の場合装備らしい装備はない。

 身につけているのは石神中学校指定の運動着だ。


 でも、防御外皮がメッチャ高いから、多少の攻撃なら命にかかわることはないはず。


 普通の人間は、やっぱり鎧などの防御装備がないと危ないよね。


 でも、そういう装備を整えるにはメッチャお金がかかるよね。


 俺は今日、210匹倒して12万6000円の稼ぎがあったけど、こいつら3人で、いったいいくら稼いだのだろうか?


「今日は1人当たり2万円稼いだから、俺の金属の防具一式を買う金が貯まるまであと20万くらいかな」


 田畑康太が指折り数えてそう言った。


「おい! 康太。俺は、盾もあった方がいいと思うぞ。第4階層はオークだからな。奴らの攻撃は強力だ」


 梶谷猛は、リーダーっぽく田畑康太に意見を述べる。


 どうやら防具一式に、盾は含まれていないらしい。


「盾だけでも、20万以上するだろう? 俺の素早さなら、オークの攻撃くらい躱せる。盾を持つとその重さで動きが悪くなるから、かえって攻撃を受けちまうよ」


 田畑康太は梶谷猛の意見に反発した。


 田畑康太は、スピードに自信があるのだろうか?

 俺から見れば、たいしたスピードではないように思うがな。


「俺たちは、盾まで買うぞ。お前がいらないというのなら、それでいいけど怪我をしても知らんからな」


「そうだぞ」


 金城守も、梶谷猛の意見に賛成らしい。


 この二人より、田畑康太は、少し華奢だ。

 盾の重さで体の動きに悪影響を受けるのは、田畑康太が一番大きいだろう。

 思うように動けなければ、盾はかえってない方がいいという考えも頷ける。

 スピードが落ちることで、攻撃を受けてしまうだけでなく、腕力が無ければ、盾があってもオークの打撃のダメージを防ぎきれない。


 条件が違うのだから、装備も違う方がいいのかもしれないな。

 俺は田畑康太の言うことに賛成だな。

 ――口には出さないけどね。


 田畑康太は、二人の説得に耳を貸さず、盾はいらないと言い続けた。

 二人もしつこく説得し続けていたが、ついには折れて「勝手にしろ!」と捨て台詞を吐いた。


 あー、やっぱりパーティを組むって大変だわ。

 下らんことで、メンタル削られるくらいなら、ソロでやっていった方が全然いいわ。


「じゃあ、俺、この辺で帰らせてもらいますね」


 苦笑しながら俺はその場を後にした。


 


 



 




 

 


 

 

第101話終了時

 赤嶺天心 ヒューマン 14歳 レベル5

 職業    怪盗紳士

 HP    12(+21357)

 MP    0 (+20931)

 力     12(+300)

 防御外皮  12(+4698)

 知力    10(+20981)

 速さ    12(+4654)

 器用さ   16(+15)

 スキル   スチール(ユニーク)レベル6(16個)

 気配察知(30)

 スライムの胃袋(35904)   レベル4

 消化液(10785)   レベル4   

 水魔法    スライムバレット(1088)  レベル3

 火魔法    ファイアバレット(3030)  レベル3


 装備    なし

 アイテム  リュックサック 腕時計


 金  七十六万九千五百円

 口座 二百五十万円

 証券口座 五百十六万円九千三百円

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ