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魔法世界の剣術士 中  作者: 相會応
300マイルのカバジェロ
80/189

10

「えー。俺全然性格悪くないよー?」

             あつや

 古き良きアメリカンミュージック、エルビスの曲が流れる特殊魔法治安維持組織シィスティム用、特務車両。未明より出立した四人乗りの車は、ひたすら西へと向かっていた。

 

「ちゃっ、ちゃっ、ちゃあー」


 助手席にだらしなく腰を沈め、足をキャビネットの上にまで伸ばしきった、特殊魔法治安維持組織シィスティム第四分隊の隊長の姿は、運転席に座り手動運転を行っている部下の目から見ても、異質なものだ。


「隊長。一体何をやっているのです?」


 つい先程までは寝てましたよね? と言った視線を送りながら、助手席であくびをする隊長に、運転手は硬い表情で訊く。


「んー?」


 新崎しんざきから引き継いだ第四分隊隊長――堂上淳哉どのうえあつやは、手元で起動する電子タブレットで、何やら細かい書類に目を通していた。


「お勉強会だよ。これから戦うことになる、剣術士くんのことに関してのね」


 ぼさぼさになっている赤い髪をかき、大きく伸びをして、堂上は答える。


「しかし、相手は魔法が使えない代わりに剣を使って戦うとか言っている子供なのでしょう?」


 運転席の男は、剣術士の実力に対し懐疑的な姿勢でいるようだ。


「甘いよ。……えーと――」

井口いぐちです」

「そーそー井口クン」

「いい加減副隊長の名前くらいは覚えてください。いえ、未だに隊員の名前を覚えられていないのも問題だと思いますけれど」


 井口と名乗った第四分隊の副隊長は、小さなため息をつく。


「光安の連中はいつだって自分たちが優位な状況で戦ってきた。そうした戦い以外は避けて他の方法で相手をおとしめてきた、言わば狡賢い連中さ。その点、今回のお姫様暗殺ミッションも、当初な簡単な作戦で終えるはずだった」


 車の中で流れる曲に合わせて、堂上は足の先でとんとんとリズムをとっている。


「ところがどっこい。剣術士クンの介入が全ての歯車を狂わせた。光安は最後まで、剣術士クンの力を侮り、結果的に俺たち特殊魔法治安維持組織シィスティムに頼ってきたってわけ」

「それでも、たった一人の学生相手に逃げ続けられるなんて……」


 にわかには信じられません、と井口は言う。


「どうせ協力者がいるんだろう。それも、とびきり頭が切れる人間だ。だから、その手から封じることにしたさ。俺たちは剣術士クンを頑張って仕留めないとねー」


 懐かしのアメリカンミュージックにリズムを合わせながら、堂上はガムを食べ始めた。


「それで、何かわかったことはあるのですか?」

「剣術士。その名前の通り、剣を使って魔術師のようなことをする意味さ。日向クンとか南雲クンの戦闘記録では、主に女性から付加魔法エンチャントを剣に受け取り、いずれも高性能な魔法で圧倒すると書いてある」

「噂では聞いていましたが、そんなことが……」


 井口は言葉を失っているようだ。


「気になるのは剣の形状なんだよね。光安との直近の戦闘では、レヴァテインとか言う剣を二つ使っている、とある。ところが、昔のデータだと、剣は背中に背負った一つのみ」

「二刀流になった、と言うことでしょうか」

「有り体に言えばそうなるね。――おっ、井口クンもこのサビは聞いた覚えあるんじゃない?」


 話の途中にも関わらず、車の中の曲がサビを迎えたところで、堂上は「ちゃっちゃっちゃー」と、英語の曲を歌い出す。

 井口もまた、聞き覚えのある曲に、頷いていた。


「ああ、この曲だったんですね。テレビのCMで聞いたことがあります」

「井口クンって確か、アメリカ人のクォーターだっけ?」

「ええ。祖父が米国人です」

「じゃあこの曲も普通に知っているんじゃない? エルビス、ジミヘン!」

「いや。とっくの昔ですよ。ひいお爺さんのまたひいの時代ではないでしょうか」


 井口は少々申し訳なさそうに、眉を傾ける。


「そっかー。残念残念」


 堂上は両手を頭の後ろに回し、再びだらしなく足を組んで前へとつき出す。


「話戻しちゃうけど、剣術士クンは現在、西へ西へとひたすら向かっているらしい」

「西、ですか。まさか海を飛んで、西の果てのスペインへと一緒に空でも飛ぶ気ですかね」


 井口が冗談混じりに言うが、堂上は「もしかしたらそうかもね」と、車窓の外を眺めながら言う。


「ところで堂上隊長。ひたすら西へと向かっていますが、正確な剣術士とクエレブレ帝国皇女の位置は把握できるのでしょうか?」

「ああ、言ってなかったっけ?」


 堂上はそう言うと、何やら日本地図を縮小させたホログラムマップを見せつけてくる。

 日本列島のお腹よりさらに左側にある、ぽっかりと空いたへそのような箇所。すなわち、滋賀県は琵琶湖の真横に、赤い点が点滅している。それも、その点は逐一動いており、移動しているようだ。


「これ、剣術士クンのリアルタイム現在位置」

「いつの間に特定したのですか?」

「彼が持っているデンバコの通信管理会社に、部下を何名か向かわせた。司法の強制捜査の力の前じゃ、いかに個人情報ともいえど、差し出す他ないからね。さ、出発進行ー!」


 堂上は愉快そうに、井口へと告げる。


「子供が相手ですか。少々気は引けそうですが」

「何言ってるの。向こうはもう立派な犯罪者。道路交通法やら殺人未遂やら。俺たち特殊魔法治安維持組織シィスティムの正当な職務執行だよ。光安と同じヘマはごめんでしょ?」

「ええ。手加減はしません」

「はは。相変わらずの鉄仮面だなぁ井口クンは。自分が言うのもなんだけど、俺が隊長でやりづらくないの?」

「私は隊長の性格を選り好みなどいたしませんから」


 井口は気を引き締めて、ハンドルを握り直し、ほど近くなっていた滋賀県へと向かう。


「じゃあそんな井口クンにクエスチョン!」


 突然、がばっと上半身を起こした堂上は、ぴんと人差し指を上に向け、隣に座る井口に顔を向ける。

 井口は未だ無表情で、正面を向きながら「なんでしょうか」と呟く。


「もしも目の前に、剣術士クンとそれを守る()()()がいた場合、君はどうする?」

「剣術士を守る()()()、ですか――」


 井口はやや上を向き、しばし考える。


「……」

「……」


 車が高速道路を走る音だけが、二人の間に聞こえてくる。長い長い沈黙が、一つも動かない二人の男の間に続いた。井口が握っているハンドルでさえ、ぴくりとも動かず、それでいて車はすいすいと進んでいく。

 やがて、にこやかな表情を浮かべている堂上の視線の先で、井口が口を動かした。


「その一般人とやらが、我々特殊魔法治安維持組織シィスティムの邪魔をするのであれば、障害としてそれは排除します」

「ん。合格合格」

 

 井口の答えに、堂上は満足そうに笑い、再び座席に背を預けていた。


         ※


 名古屋から大阪にある新大阪空港までは、平均的な車の走行速度でたどり着く時間は、約二時間半ほどだ。

 現在時刻は午前七時であり、出だしこそ()()()()したものの、理想的な時間となっていた。

 名古屋を出発してから滋賀県に入るまでは、穏やかな時間が続いていた。曇り空の早朝とあって風はまだ涼しく、二人の茶色と金色の髪をなびかせていた。


「それで、漫画喫茶で助けてくれたのは、夕島聡也ゆうじまそうや小野寺真おのでらまこと。初日の帳悠平とばりゆうへいと同じで、ヴィザリウス魔法学園で俺のルームメイトでもあり、友だちなんだ」

「お、お待ちになって。小野寺さんも、男の子だったのですか!?」

「ははは。勘違いしていたのか、本人も少し気にしているところだし、次に会えた時は注意しておいた方が良いかもしれない」

 

 ゴーグルを目元に装着した誠次と、そんな彼の腹に左手を回すティエラは、市街地をブリュンヒルデで走りながら、会話をしていた。

 愛知県から滋賀県、京都府を経由し、大阪へ辿り着くルート。情報がどこからか漏れていない限り、大阪の空港にクエレブレ帝国の航空機が無断着陸し、姫を輸送するなど追っ手側も早々想像は出来ないだろう。

 だが、これまでの動きから西へ向かっていることは察知されていることは存分に高いだろう。

 そして、悪い流れはもう一つあった。


「妙だな……。俺の電子タブレットの調子が悪いようだ」


 ブリュンヒルデのシールドの下に差し込んである電子タブレットのタブレットのホログラム画面の電波が、途切れつつあるのだ。

 八ノ夜はちのやとも、連絡が取れてはいなかった。

 こんな時に故障かとも思ったが、漫画喫茶の中では正常に動いていたので、急にそれはないだろう。電波関係以外のアプリは、正常に作動している。


「理事長さんとの連絡が取れないのですか?」


 後ろからティエラが心配そうにして、いてくる。


「ああ。ネットにも繋がらなくなっている。こんな時に……」

 

 正面からの風を浴びながら、誠次は呟いていた。

 幸いにも、ブリュンヒルデに内蔵しているアプリの数々により、新大阪空港までのルートは把握自体はできていたのだが。

 白の盾乙女のシールド上に浮かび上がっている地図に、青い大きな楕円形の箇所が見えてきたのと同時に、後ろに座るティエラが歓声にも似たような声を出していた。


「海ですわ誠次! 潮の匂いもしませんのに、急に見えました!」


 海に囲まれた島国育ちな為、潮の匂いに敏感なのか、ティエラが真横に広がった一面青い水の綺麗な景色を眺めている。

 誠次もまた、そちらに視線を向けて見る。ティエラの横顔の視線の先には、滋賀県が誇る日本一の貯水量と面積を持つ琵琶湖が広がっていた。木々の間から覗く水色の水面には、照り付ける朝日の日差しがゆらゆらと煌めいている。


「あれは実は湖なんだ。琵琶湖と言って、陸で繋がっているんだ。ほら、遠くに薄っすらと山が見えるだろ? あれもれっきとした日本の滋賀県だ」

「え……。こんなにも大きいのに、陸で繋がっているのなんて、凄いですわ……」


 ティエラは潮風ではなく、湖風を浴びながら、どこか感動しているような面持ちで、琵琶湖の水面を眺めていた。夏の熱気から逃げて来たのか、羽ばたいてきた鳥たちが、湖の上に飛沫を上げて、そこに浮かぶ。


「あの子たちも、どこかからか逃げて来たのでしょうか……」

 

 ずっと鋼鉄の街中を走って逃げてきた。それ以前も、どちらかと言えば都会の光景ばかり見てきたティエラだ。ここへ来て初めて見るような日本の大自然に、ティエラは微笑んでいた。

 強いて言えば、夏の暑さだろうか。誠次も、今が逃走中だと言うことを忘れるほどの長閑な光景に、自然と頬が緩むのを感じた。


「天を飛ぶための翼なら、俺たちにもあるはずだ」


 誠次もまた、そんなことを言い、微笑んでいた。


「私の翼……ニーズヘッグ……。私の竜の使い魔ですが、一つだけ、伝えておきたいことがありますの」


 ティエラがぼそりと、告げてくる。


「あの竜は元々、私の使い魔ではありませんでしたの」

「君の使い魔ではなかった? どういう事だ?」

「私の使い魔は元々、別のものだったのです。それが、国際魔法教会ニブルヘイムロシア支部にてリジルを受け取った際に、同時に受け取ったのです」

「使い魔を受け取る……? 聞いたことがないぞ、そんなこと」


 使い魔は基本的に一人一体で、それが生まれた時から決まっている。言ってしまえば、身体の一部のようなものだ。


「ティエラの使い魔は、もともとニーズヘッグではなかったのか?」

「ええ。違うものなのです。ニーズヘッグは、二体目なのです」

「なるほど。だから君は、竜の言葉が理解できていなかったのか……」

「……ルーナと貴男とナギは、理解できていましたのね?」


 ティエラはやや寂しそうに、後ろからそんなことを言っていた。


「ルーナは元からファフニールが使い魔だったし、子供のころから一緒にいたと言っていたしな。七海はまだ使い魔を出したことがないと言っていたし、授業もまだだから分からない」


 おれは、と誠次は前を向く。


「昔の名残で、会話が出来るらしい。自覚はないけれどな。けれど、君のニーズヘッグの言葉は理解が出来なかった。ファフニール曰く、竜言語が違うそうだ」


 誠次はそこまで言うと、バックミラーシステムで、後ろのティエラを見つめる。


「君の言う事は聞いてくれるのか?」

「戦いの時には、命令には従ってくれます。ですが、あの日の夜の通り、暴走してしまいました……」


 ティエラは俯き、後悔しているようだ。


「君にニーズヘッグを与えた魔法教会の人の事は、なにか分かるか?」

「いいえ。顔を隠していて、男の人なのか女の人なのかも、分かりませんでしたわ……」

「そうか……」

 

 しばし、琵琶湖の開けたところからくる風を浴びながら、二人は京都へと向かう。


「ここら辺は本当に涼しいですわね」


 時より吹く風は夏にしては涼しく、鳥のさえずりも聞こえてくる。

 誠次は昨日のコンビニで買っておいた固形の携帯食を食べながら、


「昼はまた暑くなるんだろうな」


 涼しい風を浴び、湖畔を眺めていた。

 湖畔に沿って自生している背丈の高い木々の間に、黒い影が点々と、いつの間にかに目立ち始める。

 それはまるで、何かの使いによる、不吉の調しらべか。

 カーカー、と不規則な律動で鳴く、カラスたちが、誠次とティエラとブリュンヒルデを睨んでいたのだ。


「……っ」


 それら、圧倒的な黒色の存在感に視線を奪われかけていると、後ろでティエラが叫んでいた。


「――誠次! 子供が道路にっ!」

「なにっ?」

 

 誠次が咄嗟にブレーキをかける。

 見れば、進行方向上の車道の上で、女の子が一人、うつ伏せで倒れている。


「なんだ……大丈夫か!?」


 誠次は道端に停車させたブリュンヒルデから降り、ティエラを残したまま、倒れている年端もいかない女の子の元へと近づく。

 それはまるで、何かの生贄の儀式のように、周囲でこだまするカラスの鳴き声の音は大きくなっている。威嚇されている、かもしれない。


「君!? こんなところで何している!?」


 誠次がしゃがみ込み、女の子の身体を揺さぶる。

 ワンピースを着た女の子は、そっと目を開けた。

 そして、なにやら焦点の定まっていない虚ろな瞳を誠次へと向けると、唐突にむくりと起き上がる。

 ――カラスの鳴き声が、一気に強まる。

 女の子はぼうっとした表情のまま立ち上がると、しゃがみ込む誠次の腹部に向けて、両手を素早く差し出した。

 その一瞬だけ、何が起きたのかわからないでいた誠次は、無表情の女の子へ向け、首を傾げていた。


「え……」


 腹部に感じていたのは、身が焼けるような熱さと、鋭い痛み。

 視線を下へと移していくと、伸ばされた女の子の細い手の先で、銀色の刃物の光が、自身の腹部を貫いている光景があった。


「あ……っ」

「……」


 虚ろな表情で女の子は、誠次の腹を大きなサバイバルナイフで刺していたのだ。

 腹部を抑え、ずるずると後退する誠次は、激しい痛みに思わず悲鳴を上げていた。


「きゃああああーっ!」


 後ろの方から聞こえたティエラの絶叫が、誠次の身体に感覚を宿らせる。激しい熱と気の遠くなるような痛みにうなされる身体を振り向かせれば、なんと、ブリュンヒルデに乗っていたティエラの後ろから、幻影魔法を浴びせる男がいた。


「やめ、ろ……っ!」

「――やあ、久しぶり。剣術士クン」


 見覚えのある顔だ。赤い髪に笑い顔に特徴のある青年。昨年の秋に太刀野桃華たちのとうかの誘拐の件で、特殊魔法治安維持組織シィスティム本部で話をした、特殊魔法治安維持組織シィスティムの男。


「堂上……っ!?」


 ナイフが刺さりっぱなしの腹部にじわじわと赤黒い血が広がっていく。痛みが、全身の末端神経を逆撫でて広がっていく中、誠次は叫ぶ。


「俺のサプライズプレゼントは受け取ってくれたかな? 剣術士クン? 歌姫アイドル護衛の次はモノホンの皇女オヒメサマ護衛だなんて、君も頑張るねぇ」


 堂上は余裕そうな笑みを向けてくると、《ナイトメア》を浴びせ、眠らせたティエラを両腕で抱きかかえる。

 停車してあったブリュンヒルデを足で蹴り倒すと、その後ろから高速で接近してきた特殊魔法治安維持組織シィスティムの車の後部座席に、魔法によって眠らせたティエラを乗せ、自身は車の助手席に乗り込む。


「ま、待て……っ!」


 車は、跪く誠次をあざ笑うかのように、真横を通り過ぎて行った。

 ――堂上の罠だ。こちらを待ち伏せて、女の子を操って、気を取られているうちに、ティエラを攫う――。

 そうと理解した思考だが、身体はすでに致命傷を与えてきたナイフにより、激しい痛みを相変わらず訴えてくる。

 耳障りなカラスたちの鳴き声を受けながら、誠次は腹のナイフを引き抜くと、それを放り投げた。赤黒い血が、ナイフの刃と共に、空中に赤色の線を描く。

 腹部を左手で抑え込みながら誠次は、震える右手で背中からレヴァテイン・ウルを引き抜くと、そこから千尋ちひろの姿を頭の中で思い描く。

 途端、剣からは黄色い光が発生し、誠次の目の前に立つ女の子をその光が包み込んだ。

 カラスたちが黄色の閃光に驚いたのか、一斉に黒い翼を広げて飛び立つ中、女の子の意識もまた、正気に戻っていた。


「私……なにして……え――っ」


 目の前に立ち、血を流す誠次を見つめ、女の子は絶句して両手を口に添える。

 後退って怯える姿を見るに、やはり幻影魔法の仕業だろう。


「やはり……操られていたのか……っ」


 誠次は呻きながら、すぐに振り向き、横倒しになったブリュンヒルデの元にまで向かう。


「嫌……なにこれ……!?」

「君は、操られていたんだ……。悪くはない……。けれど、ここからすぐに逃げるんだ! このことは誰にも言わず、忘れてくれっ!」


 ブリュンヒルデの大きな車体を、誠次は血濡れの左手でハンドルを掴んで起こしながら、叫ぶ。

 それだけでも、大きく肉が開いた腹から血は吹き出し、誠次は全身から汗を流していた。


「あ、貴男のその怪我、大変っ! 救急車っ!」

「構うなっ! いいから逃げろっ!」

「は、はい……っ!」


 血に染まった自分の両手を見つめて、怯える女の子は、一歩二歩と後退り、誠次を見てから、踵を返して一目散に逃げていく。


「おのれ堂上……っ! 無関係な人まで巻き込んだか……っ!」


 どうにか再び自立させたブリュンヒルデに跨り、誠次はそこで、腹の痛みに耐えきれずに左手を負傷箇所の上に添え、ぜえぜえと激しい呼吸を繰り返す。


「起動しろブリュンヒルデ……っ! ティエラを、救う……っ!」


 誠次は咄嗟に、右腕の服の袖を肩から引き千切って破き、それを傷口の上に当てる。ズボンからはベルトを引き抜き、それを一瞬で赤く染まった白かった破った袖の上から腹に巻き、ぎゅっと縛り付けて固定させる。


「あぁ……っ!」


 それだけでも意識が吹き飛びそうな痛みであったが、血を失い続けるわけにはいかなかった。

 左手でハンドルを握り、誠次はゴーグルを持ち上げ、黄色い瞳を露わにする。右手にレヴァテインを握り締めたまま、ブリュンヒルデを発進させた。

 ティエラを攫った堂上が乗る車は、すでに豆粒程度の小ささまで、遠く離れてしまっている。不幸中の幸いと言うべきなのは、ここが琵琶湖沿いの長い道路で、直線の道が続いていた為に見失しなわずに済んでいたことだろうか。


「がっ、ぐうっ!?」


 暴風を浴びながら、ブリュンヒルデを最高速度にまでして走らせる。誠次は歯を食い縛り、よろめきながらも、ハンドルを握る左腕を離すことはしなかった。


 ティエラを後部座席に乗せた井口が運転する車は、琵琶湖沿いの道路を疾走する。

 

「追って来ていますね」


 こちらを猛追してくる白いバイクの存在を、井口はバックミラーで確認する。


「ま、これくらいじゃ諦めないか。お得意のドラテク、見せてよ井口クン?」


 助手席に座る堂上は、自身が掛けた幻影魔法が解除されたことを悟っており、こうなることも予測済みで、頭の後ろに手を回す。

 井口は左手で、今時ではもう珍しいマニュアルトランスミッションのギアとクラッチを操作し、特務車両を走らせる。


「良いね! ここで流すのは、やっぱカートだな」


 嬉々(鬼気)とした表情で、堂上は音楽を変える。

 流れ出るギターの旋律を耳に、井口はハンドルを素早く切る。


「速い。違法改造車両か」


 バックミラーでブリュンヒルデを確認した井口はぼそりと呟き、周囲を確認する。


「道路を外れて林の中へと入ります。揺れますよ」

「OK」


 サビに向かっていく音響と共に、堂上はゴーサインを出す。

 後部座席で眠るティエラの身体にシートベルトも付けてはおらず、彼女の身体は大きく跳ねる。


 舗装された道路を逸れ、道なき林の中へと入っていった黒い車を追い、負傷した誠次は白いバイクを走らせ、横道へと入っていく。


「かはっ、くそ……っ!」


 アスファルトの上でもない、凸凹の道。車体は跳ね、容赦のない振動を全身に与えてくる。

 腹部から奔る激痛に狂いそうになりながらも、爆音のBGMを流す車に、誠次が乗るブリュンヒルデは追いついていく。


香織(かおり)先輩……っ!」

 

 誠次は右腕で握ったレヴァテイン・ウルの能力を切り替え、白い光を纏った剣を振るう。

 魔法の刃が、進行方向上にあった木々を切り裂き、強引に道を切り開く。

 倒れた幹の上にタイヤを乗せ、誠次は木々の枝をかぎ分けてでも、ティエラを攫った車を猛追する。


「死にかけながらも追いかけてくるなんて、よほどの執念じゃない、剣術士クン?」


 車の助手席の窓が開き、そこから堂上がひょっこりと顔を出して、こちらを嘲笑う。


「ティエラを、返せっ!」

「余程の執着があるようで。なに? 隻腕の皇女これが今の君のガールフレンドなの?」


 後部座席へあごをくしゃり、堂上は揶揄からかうように訊いてくる。


「関係あるまい……っ! 貴様こそ、特殊魔法治安維持組織シィスティムまでもがこの件に介入するのか!?」


 怒鳴り返す誠次は右腕を掲げ、白い光を撒くレヴァテイン・ウルを構える。


「あのさぁ、俺たちは法律違反している悪い人たちを捕まえる仕事なわけ。無免許に公務執行妨害。挙げだしたらキリないよ?」


 すると、向こうの車の方が急に近づいてきて、わざと後部座席で眠るティエラの姿を見せつけてくる。


「あとやってもいいけど、このスピードでその威力の剣術を放ったら、たぶんお姫様も無事じゃ済まないと思うけど?」


 助手席の方から聞こえてきた言葉に、誠次はハッとなり、歯を食い縛る。


「俺の能力を知っていて、敢えて言っているのか……!?」

「勿論」


 堂上は相変わらず余裕そうに、微笑んでいた。


「君の戦闘データは見させてもらった。白い光は、空間ごと物を斬る高威力の遠距離攻撃、だよね?」

「……っ!」


 ならばと、誠次は能力を千尋のものへ切り替える。

 レヴァテイン・ウルから黄色い光が放たれた時、堂上はあっと驚いたような表情を見せる。


「その能力は――知らないな」

「貰った!」


 向こうが得意とする魔法は使えまい。誠次は堂上の座る助手席に向けて、黄色い光を放つ魔剣を振り下ろそうとする、が。

 その腕が、なにか、別の巨大な力によって、逆に吹き飛ばされそうになる。


「あ――!?」

「ま。知らないってのは――嘘、だけどね」


 ほくそ笑む堂上が突き出していたのは、拳銃であった。誠次の右腕は、堂上が放った拳銃の銃弾を受け、そこからも出血していた。


「ぐあっ!? ああああああっ!?」


 右腕にも激痛が走り、誠次は堪らず、ブリュンヒルデの速度を落としてしまう。ぐらぐらと揺れる車体を左腕だけでどうにか制御し、誠次は悲鳴を上げる。


「嘘ついてごめんよ、剣術士クン」


 堂上は勝ち誇ったかのように、大きな笑い声を上げる。 


「実は、俺見ていたんだよねー」

「見ていた、だと……っ!?」

「去年の秋の文化祭で、君が空を飛んだり魔法を打ち消していたりしていたのを、見ちゃってたんだよ。この目でさ。対応は簡単だよ」


 じゃあね、と堂上は助手席から手を振る。


「ちく、しょう……っ!」


 腹に続いて、右腕への出血を伴う激痛を受け、誠次は車を追うことが出来ずに、林の中を進む二台の距離は次第に開いていく。

 

「右腕だけ、ですか」


 運転席に座り、道なき道を車で突き進む井口は問いかける。


「当たらなかったんだよ。ちゃんと左胸を狙ったんだけど、揺れてるから照準がずれた。何より、射撃なんてろくに訓練もしてないし」

「――《パルス》!」


 その隻腕の皇女の詠唱の声は、二人にとっては全くの想定外の事であった。

 いつの間にかに起きていた後部座席のティエラが、雷属性の攻撃魔法を、左手で発動していた。


「「なっ」」


 小規模な雷撃が、車の中で拡散する。魔法を浴びた堂上と井口は筋肉を麻痺させられ、フロントの方へシートベルトをしならせて突っ伏す。

 

「やるじゃん……この……クソ女がァっ!」


 わなわなと震える唇を動かし、堂上は恨みがましく叫ぶ。

 井口も車の操縦どころではなくなり、咄嗟にマニュアルから自動運転へと切り替える。


「この女……剣術士アイツが接近した時の黄色い光を浴びて……幻影魔法ネイトメアから目覚めやがった……!」

「なる、ほど……」


 痺れる身体のまま、二人は話す。


「誠次……誠次……っ!?」


 後部座席では、青冷めた表情をしたティエラが、助けを求めて窓から身を乗り出す。

 《パルス》の構築難易度は簡単で、手早く出来る。それが左腕しか扱えないティエラが、後部座席で前方の二人組の特殊魔法治安維持組織シィスティムに対してすることが出来た、唯一の抵抗だ。 


「どこです、誠次っ!?」


 自動運転で動く車から外を見ても、林の木々が広がる自然の光景だけだ。


「無駄だお姫様。奴もあの怪我じゃ、そこらへんでくたばってるだろうさ」


 堂上はそうして、シートベルトを解除し、後部座席へ振り向く。

 その顔を見たティエラは、悲鳴を上げ、ドアを開けようとするが。

 井口がドアに鍵をかけ、再び運転をマニュアルへと戻そうとする。


「私は、まだ生きなければならないのです……っ!」

「悪いが、そんなのはどうでもいい。俺たちの任務はお前を捕らえることだ……!」


 震える腕を伸ばし、堂上は再び幻影魔法を築き、ティエラへと浴びせようとする。

 そうして怯えるティエラの後ろ。バックウインドウの先から、木々をかき分けて、赤い光がちらつく。


「まさか、嘘だろ、あの光は――」


 緑の葉を赤く染め上げるほどの魔素マナ。赤い円形の紋章のようなものが宙に浮かび、それを蹴り、誠次は左腕でレヴァテイン・ウルを構えて、単騎突撃をしてきた。


「井口!」

「分かっています」


 マニュアル運転へと切り替えた井口は、ハンドルを勢いよくきり、後ろから迫る赤い光の発生源を(かわ)そうとする。

 車道に戻った車をドリフト走行で制御し、直進の道を走ろうとする。

 誠次はそんな車の頭上を跨ぎ、ボンネットの上に着地していた。

 どんっ、と少なくない衝撃が車を襲った時、フロントガラスに赤い血が雨のように降り注ぐ。


「返してもらうぞっ!」

「冗談……」


 堂上は咄嗟に前を向き、誠次へ向けて幻影魔法を放つが、無意味な事であった。

 爆風を浴びながら、誠次はフロントの上でしゃがみ、左手に握ったレヴァテイン・ウルを手元でくるりと回転させる。


「振り落とせ!」

「ええ」


 井口は冷静にハンドルを回すが、誠次は躊躇なく、逆手で握ったレヴァテイン・ウルと赤い刃を、ボンネットに突き刺す。

 特務車両の装甲を容易く突き破った魔法の刃は、エンジンを破壊し、さらには車体を貫通し、道路にまで到達していた。


「《ブレイズ》!」


 堂上が緑色の魔法式を展開するが、誠次はそれよりも早く、千尋の付加魔法エンチャント能力へとレヴァテイン・ウルの色を切り替える。

 黄色い光が車両を包み込み、一切の魔法の発動を禁止する。


「貰った!」


 しかし、堂上はその行為を読み、素早く魔法を中断すると、フロントに放っておいた拳銃を足で巧みに飛ばし、両手で握る。

 凄まじい振動が起きている車内で、両手で構えた拳銃の先を、片腕が使えない誠次へと向ける。

 血が付いたフロントガラスの先で、ボンネットの上にしゃがむ誠次は、黄色い光を纏うレヴァテイン・ウル握り締めたまま、こちらを睨んでいる。


「そう言えば思い出したぜ。誰かを守るために無謀な戦いをやって、死んでった奴がいたってこと」

「なんだと……?」

佐伯剛さえきつよし。死にかけながらも他の人を助けようとしてやがった。お前も同じ道を辿れよ、剣術士……!」

「堂上、貴様……っ!」


 右手の人差し指で銃の引き金を引こうとした瞬間、後部座席からティエラが伸ばした左手が、堂上の目を塞ぐ。

 反射的に放った銃弾は、フロントガラスに穴を空け、ヒビを作ったが、誠次の顔のすぐ左側を通過していく。 


「剣術士っ!」

「ティエラ!?」

「誠次っ!」

「隊長!」


 四人の声が交互に折り重なるようにして響き渡る。

 咄嗟に左手を伸ばした井口が、ティエラの手を引き剥がそうともがく堂上から拳銃を取り、その銃口の先をティエラへと向ける。車はもはや制御不能になっており、ハンドル操作も意味などなかった。

 井口が容赦なく放った銃弾は、ティエラの金髪を掠めて、今度は後部座席のドアを貫く。

 それを見た誠次は、咄嗟に綾奈あやな付加魔法エンチャント能力を発動。レヴァテイン・ウルをボンネットから引き抜くと、身体を横に倒すようにして、車の横につく。

 

「ドアから離れろ! ティエラ!」


 車の後部座席へいるティエラへ声を掛け、左腕に握ったレヴァテイン・ウルを振るい、ドアを切り開く。

 それを見た井口は、今度は拳銃の照準を誠次へと向けていた。そして、無表情のまま、弾を撃ちまくる。

 誠次は車の横で咄嗟に姿勢を低くし、窓の射角から逃れる。開きかけていた後部座席のドアを、しゃがんだ姿勢のまま誠次は足で完全に破壊し、解放させる。

 

「飛べ、ティエラ!」


 今だ高速で走行している車の中へ向け、誠次は声を掛ける。

 

「逃がすな!」


 堂上が声を荒げるが、ティエラは意を決すると、灰色と白の線を描くアスファルトへ向け、勢いよく飛び出す。

 目の前に飛び出した金髪の乙女の身体を、誠次は左腕と全身を使ってキャッチすると、そのまま進む車を置き去りにして、後方へと離脱していく。

 

「っち」


 井口は舌打ちをすると、ブレーキも効かなくなった車へ向けて、風属性の魔法を発動。

 強烈な向かい風を作り出し、車をなんとか停車させた。

 助手席の堂上はと言うと、一瞬にしてボロボロとなった車を見渡し、大きくため息をついていた。


「計画を変更する必要があるようですね」

「ああ、そうみたいだね」


 苛立ちを隠すこともせず、堂上は停車した車から外へと出る。


「こちら堂上。皇女の確保には失敗。車も破壊されましたが、奴の行先は判明しました」


 堂上が、何者かに連絡を取っている。

 おそらく新崎しんざきであろうと思うのと同時に、井口にとっては、驚くべきことがあった。


「いつの間にかに目的地が分かったのですか?」


 しわの寄ったシャツを正しながら、井口は言う。


「――新大阪空港。大阪湾に浮かぶ埋め立て地の空港だ。奴のバイクが接近してきたとき、マップナビはそこを示していた。見えちゃってたんだよね、俺」


 堂上は井口へ視線を向けながら、嫌に眩しい朝日から視線を逸らし、天を見上げる。 


「ええ。奴ら間違いなく、天を飛んで逃げる気です。そこに最大戦力を集結させて、一気に叩くのがいいんじゃないかと。幸いなことに、アイツの電子タブレットで現在地は分かります」


 堂上はそう言うと、大破した自分たちが乗っていた車両の残骸を見つめ、忌々し気に蹴り上げる。


             ※


 堂上と井口の魔の手からティエラを救出した誠次は、林の中へと停めてあったブリュンヒルデの元へまで、舞い戻ってくる。

 草木の上に着地し、誠次はティエラを降ろしてやるが、自身はよろめいていた。


「その傷、ひどいことになっていますわ!」

「分かっている……っ。しかし、逃げなければ……。ここにもすぐに特殊魔法治安維持組織シィスティムの追手が来る……」

特殊魔法治安維持組織シィスティム?」

「奴らは、魔法犯罪者追跡のプロだ……。光安のような生温い捜査でも戦闘でも済まない……。とうとう、特殊魔法治安維持組織シィスティムまで介入してきたんだ……」


 今の状態で堂上と再び戦っても、勝ち目は非常に薄い。


「ティエラは、俺の電子タブレットで、八ノ夜さんと連絡がつかないか、やってみてくれ……」

「は、はい……ですが――」


 だくだくと汗を流しながら、誠次はブリュンヒルデに倒れこむようにして跨る。


「くは……っ! ハアハア……っ!」


 腹部と右腕の流血は、止まらない。


「無茶です誠次! このままでは、貴男が死んでしまいますわ!」

「進まなければ……俺も君も殺される!」

「せめて何処かで治療を! 出血を止めませんと!」


 ティエラは目に涙を浮かべ、訴えてきた。

 激痛で頭がおかしくなりそうな中、誠次は左手でブリュンヒルデのハンドルを握る。


「誠次っ!」

「俺は君を守る……。必ず……っ」

「誠次お願いですわ……! 貴男が倒れてしまっては……元も子もありませんわっ!」


 ティエラの言葉を受け、どうにか落ち着いた誠次は、また自身に言い聞かせるようにして、気を保つ。

 ティエラは後ろに再び乗り、誠次の負傷してしまった腹部の上に、躊躇なく手を添える。出血を止める為だった。

 一瞬にしてティエラの左手にも血が滲んだが、ティエラはそれでもぎゅっと、誠次の腹部を抑え込んでいた。


「状況は私が告げますわ! しっかりして意識を保って下さい、誠次っ!」

「頼む……ティエラ……っ! とにかく、ここから逃げないと……っ!」


 口端にも血が滲み、誠次は朦朧とする意識のまま、もはや自分がどこへ向かっているかも分からずにブリュンヒルデを走らせた。

~対抗心は羞恥さえ乗り越えた~


「そう言えば、もう一つ思い出したんだけど」

せいじ

           「なんでしょうか、誠次?」

                てぃえら

「七夕の夜に戦った際に着ていた、あの衣装――」

せいじ

           「いやああああああっ!」

                てぃえら

「て、ティエラ!?」

せいじ

「落ち着いてくれ! バイクから降りようとするなっ!」

せいじ

           「どうか、忘れてくださいませ!」

                 てぃえら

「あ……」

せいじ

「やっぱり、恥ずかしかったのか?」

せいじ

           「だって、国際魔法教会が着ろって言ってきたのですもの……」

                 てぃえら

           「あれを着れば、ルーナに負けるとも劣らないと……」

                 てぃえら

「別に悪くはないと思ったけど……」

せいじ

           「……貴男がそう仰ってくれるのならば」 

                 てぃえら

           「また着て、貴男に見せたいですわ……」

                 てぃえら

「いや、それはさすがに」

せいじ

「周囲の目を引きそうだ……」

せいじ

           「いやああああああっ!」

                 てぃえら

「だから飛び降りようとしないでくれ!」

せいじ

「すまなかったティエラーっ!」

せいじ

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