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FUMA1912  作者: 香鶏仙幸
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第五話 中央研究所

 【コスモス】から出たアルベルトは、走って中央研究所へ向かっていた。

皮肉なことに、アルベルトの向かっている中央研究所は、アルベルトの父が関わる実験の失敗によって

現在は廃墟であり、研究は新たな中央研究所で行われているのである。

廃墟だからこそ調べ放題。そして父が勤務していたため、父の秘密があるかもしれない。

だからこそ早く行ってみたいのである。アルベルトは期待を高め、遂に旧・中央研究所へとたどり着き、中へと入った。

 だが、現実は悲惨だった。


「な....なんなんだよ...これ....」


研究所内部の辺りを見渡すと、刃物のようなもので刺殺された研究員たちの死体が転がっている。

なにかがやばい。アルベルトの直感がそう叫ぶ。

アルベルトは入口へ戻ろうとするが、突如。前方から歩く姿が見えた。

そしてこちら近づき、姿を見せた。近づいてきたのは、黒のシルクハットとタキシードを着た紳士の

ような男である。だがなぜこんな場所に男が一人でいるのか。

疑問に思ったアルベルトは男に問う。


「おいおっさん!なにもんだ!こんな場所になんでいる?」


そう聞くと、紳士は笑いながら答える。


「あなたこそ....と言いたいところですが。あなたもしかして......。

 クク....ハハハッ!!今日はツイてますねえ.....。

 もしかしてと思い酒屋から追ってきましたが。

 まさか本当にバジリス初のフューマ体質者のハンフリー博士の子供に

 出会えるとは....!!」


紳士の言うことに、アルベルトは理解ができなかった。


「今、なんつった....俺の親父...のことだよな....」


そんなアルベルトの顔を見て、さらに紳士の男は笑う。


「そうですよその顔!あなたの父は、バジリス初のエリクサー投与実験の実験体であり、

 そして実験の事故によって生じた、初めてのエリクサー投与で細胞が負荷に耐えれず、

 死亡した人物でもある! それがまさか! 死に直面する前に血脈を残しているとは!

 いやあ面白い!ククク.....!!

 おっとぉ...申し遅れました。自己紹介が遅れましたね。

 私の名はキュリー・ノーベル。軍人からは狂器ウェポンと言われてます。

 無論フューマ体質であり、同時に国軍のフューマ体質者を抹殺して回っている者です。

 理由は伏せておきますg….」


話すキュリーを前に、アルベルトは怒りで拳をキュリーの顔へ放つ。

…..が。攻撃は避けられてしまい、話し続ける。


「どうしました?私は喋っている途中ですよ?」


「どうしたじゃねえだろ....てめえ....俺の親父が死んだのがおもしれえだと?

 舐めたこと言ってたら殺すぞ!!」


怒るアルベルトを前に、キュリーはまた笑う。


「怒りに身を任せますか!いいでしょう!この私。国家反逆フューマ体質者。

 キュリーこと狂器ウェポンが相手してやりましょう!!

 とその前に。補足しておきましょう。あなたの父親が研究していたことですが、

 それはそれは素晴らしく外道なものでしたよ!ま、私がこの研究所をこのような状態に

 したから、その研究とやらは残ってませんがね!フフフッ.....!」


アルベルトの予想どおりであった。軍以外にも、フューマという力を使い命を奪うものが存在するということが。そして父の死因。この研究所の風景。そしてこのような状況と、父のことを知っているこの男を倒せば父が行っていた真実が手に入る。

少しの期待と、多くの怒りを持ち、アルベルトは研究所の鉄タイルから槍を生成し、キュリーに襲い掛かったのだった。


「親父ゆずりの、生まれつきのフューマ体質者の格をみせてやる!」


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