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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第2章

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層下連鎖

止まった牙の奥で、何かが“呼吸”した。


 それは生物ではない。


 封印でもない。


 ただ「まだ終わっていない機構」が動き出す前の、準備音だった。


 ミナが顔をしかめる。


「ねえ今の、まだあるやつの気配じゃない?」


 セリアは目を細める。


「“一個倒したら終わり”じゃないタイプね……最悪」


 リシアが青ざめる。


「ボス連戦ってこと……?」


 ネアは静かに言った。


「連鎖」


 その瞬間。


 止まっていた牙の奥が、ひび割れるように開く。


 ――ガキンッ


 金属のような音。


 だが金属ではない。


 “ルールが重なって壊れる音”。


 そして中から現れたのは、同じ牙。


 ただし、比べものにならないほど大きい。


 ミナが叫ぶ。


「でっかくなるタイプ!?最悪なんだけど!!」


 セリアが舌打ちする。


「封印層の再帰構造……やっぱり階層式か」


 リシアが震える。


「倒した意味ないやつじゃんそれ……」


 レインはそれを見上げる。


「なるほどな」


 剣を軽く回す。


「一個じゃねぇってことか」


 ゼノスが静かに言う。


『封印層防衛は単体ではない』


『“反応群”だ』


「群れかよ」


『層ごとに増殖する構造』


 巨大な牙が動く。


 ――ズンッ!!


 今度は空間そのものが“食われる”。


 消えるのではない。


 存在が“未定義化”される。


 セリアが即座に叫ぶ。


「空間がルールごと消えてる!!」


 リシアが悲鳴を上げる。


「どこに逃げても意味ないやつじゃん!!」


 ミナはほぼ泣きそうになる。


「もうほんとにやめてこういうの!!」


 ネアが静かに言う。


「これは防衛じゃない」


 間。


「“学習”してる」


 セリアが振り向く。


「学習?」


 ネアは頷く。


「侵入者への対処を、階層ごとに最適化している」


「だから強くなる」


 ミナが絶望顔になる。


「成長型ボスとか最悪じゃん!!」


 巨大牙がもう一度噛みつく。


 今度は“レインごと消そうとする”。


 空間が歪む。


 世界の定義がずれる。


 レインは一歩も動かない。


 ただ一言。


「めんどくせぇな」


 剣を持ち上げる。


「学習してるってなら――」


 踏み込む。


 ――拒否。


 空間が止まる。


 だが今回は違う。


 止まったのは牙だけじゃない。


 “学習そのもの”が一瞬だけ途切れる。


 ミナが目を見開く。


「今の……学習止めた?」


 セリアが息を呑む。


「いや……“更新不能状態にした”」


 リシアが震える。


「そんなことできるの……?」


 ネアは静かに言った。


「できる」


「拒否は“結果を消す力”じゃない」


「“前提を止める力”」


 巨大牙が軋む。


 ――ギギギッ


『更新失敗』


『最適化停止』


 その声は、初めて“焦り”に近いものを含んでいた。


 ミナが呟く。


「システムがバグってるみたいになってる……」


 セリアが小さく笑う。


「バグじゃなくて、バグの原因そのものがいるのよ」


 リシアは少し安心したように言う。


「レインがいると、全部止まるんだね」


 ネアは静かに言った。


「うん」


「“更新できない存在”だから」


 巨大牙が沈黙する。


 だがそれは終わりではない。


 層の奥で、さらに別の“応答”が始まる。


 もっと古く。


 もっと深く。


 もっと“人間を想定していない反応”。


 ゼノスが静かに言う。


『上位反応体が起動する』


 レインは剣を肩に担ぐ。


「やっとだな」


 ミナが絶望気味に叫ぶ。


「まだ上あるの!?」

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