表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第2章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

80/159

拒否の原点

管理核の“目”が、ゆっくりと収束する。


 それは見ているというより、「結論を確定させようとしている圧」だった。


『修正開始』


 その一言で、地下世界の空間が軋む。


 ミナが顔を引きつらせる。


「ちょっと待って!いきなり実行フェーズ入るのやめて!!」


 セリアが魔力を展開する。


「相手は“現象”そのものよ……普通の攻撃じゃ止まらない」


 リシアは震えながら周囲を見る。


「どこに逃げても同じ場所に戻ってくる感じがする……」


 ネアは静かに言った。


「逃げ場はない」


「ここは“内部”だから」


 レインは一歩前に出る。


「なら話早ぇな」


 剣を肩から下ろす。


「壊すしかない」


 管理核が応答する。


『破壊行為は無効』


『概念構造は物理干渉を受けない』


 ミナが即座に叫ぶ。


「だからそういうの先に言って!!」


 セリアが舌打ちする。


「物理じゃないなら、魔法でもない……じゃあ何で殴るのよ」


 リシアが小さく呟く。


「存在そのもの……?」


 ネアは短く言った。


「“拒否”」


 レインは目を細める。


「拒否?」


 ネアは頷く。


「あなたの力は、最初からそれ」


「攻撃じゃない」


「“通さない”力」


 その瞬間、レインの中で何かが“つながる”。


 空で観測を壊した時。


 再起動を拒んだ時。


 すべての歪みを残した時。


 それは全部、「壊した」のではなく――


 “受け入れなかった”だけだった。


 レインは小さく笑う。


「なるほどな」


「だから壊れねぇのか」


 管理核の光が強くなる。


『修正対象:確定』


『起源拒否因子:削除優先度最大』


 空間が一気に“収束”し始める。


 ミナが叫ぶ。


「今度は本気で消しに来てるよねこれ!!」


 セリアが歯を食いしばる。


「世界のルールそのものが圧縮されてる……!」


 リシアが震える。


「もう全部ひとつに戻そうとしてる……」


 ネアは静かに言う。


「違う」


「“ひとつに戻して正しくしようとしている”」


 レインは剣を握り直す。


「正しさってのは便利だな」


 管理核が応答する。


『正しさは維持の条件』


 レインは笑う。


「なら、こうだな」


 一歩踏み込む。


「俺はその条件に入らねぇ」


 その瞬間。


 レインの足元から“拒否の波”が広がる。


 破壊ではない。


 消滅でもない。


 ただ、「成立しない」という一点だけが現実に突き刺さる。


 ミナが息を呑む。


「空の時と同じ……!」


 セリアが目を見開く。


「いや、もっと深い……これは“構造そのものへの拒否”……!」


 リシアが震える。


「世界が……成立できなくなってる……」


 ネアは静かに言った。


「そう」


「これが原点」


 管理核の“目”が揺れる。


『例外ではない』


『逸脱でもない』


『“前提外存在”』


 空間が軋む。


 世界の下層が、わずかに“恐怖”のような反応を示す。


 ミナが呟く。


「システムが怖がってるって何それ……」


 セリアが低く言う。


「初めて“想定外”に触れてるのよ」


 リシアが小さく言う。


「レインって……そういう存在なんだ」


 ネアは頷く。


「うん」


「“拒否そのものが人になった形”」


 レインは剣を肩に担ぐ。


「長ぇ説明だな」


 管理核が静かに言う。


『再定義不能』


『結論:理解不可』


 ミナがぽかんとする。


「理解できないって言われてるよこの世界の中枢に……」


 セリアが小さく笑う。


「もう勝ち負けじゃないわね、これ」


 リシアは少し安心したように言う。


「じゃあ……もう何もされない?」


 ネアは静かに答える。


「違う」


「“されない”じゃない」


「“できない”」


 地下世界の空洞に、静寂が落ちる。


 管理核は沈黙する。


 初めて、“処理できない存在”を前に止まる。


 レインは空洞の中心を見上げる。


「で、どうすんだこれ」


 ゼノスが静かに言う。


『選択は変わった』


「何がだ」


『消すか残すかではない』


『“共存するしかない”』


 ミナが顔をしかめる。


「共存って言い方急に優しくなるのやめてよ怖いから!」


 セリアは肩をすくめる。


「まあ、消せないならそうなるわね」


 リシアは小さく笑う。


「ちょっとだけ安心したかも」


 ネアは静かに言った。


「これは終わりじゃない」


「“形が変わっただけ”」


 管理核の“目”が、ゆっくりと閉じる。


 拒絶でも敗北でもない。


 ただ、“定義保留”。


 世界の奥で、初めて判断が止まったまま残される。


 レインはそれを見上げて言う。


「じゃあまあ、これでいいか」


 ミナが即座に突っ込む。


「よくないでしょ普通は!」


 セリアは小さく笑う。


「でも、この世界は普通じゃないからね」


 リシアも頷く。


「うん……これが今の形なんだね」


 ネアは最後に言った。


「拒否は勝ったんじゃない」


「“ルールになった”」

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ