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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第2章

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共存条件

地下世界の“目”は、完全には閉じていない。


 ただ、動かない。


 見ているのに、何も決めない。


 それは今までの世界ではあり得ない状態だった。


 ミナが周囲を見回す。


「え、これ……終わり?」


 セリアは慎重に周囲を観測する。


「終わりというより“停止中”ね」


 リシアは小さく息を吐く。


「なんか……怖いくらい静か」


 ネアは静かに言った。


「判断が止まった」


 レインは剣を肩に担いだまま、管理核を見上げる。


「で、結局どうなったんだよ」


 管理核は答えない。


 ただ、空間に文字が浮かぶ。


『条件再構築中』


『拒否因子:除外不能』


『処理方法:未定義』


 ミナが眉をひそめる。


「未定義ってなに!?それ一番ダメなやつじゃない!?」


 セリアは苦笑する。


「でも逆に言えば、何もできないってことよ」


 リシアは不安そうに言う。


「じゃあ……ここにずっといるの?」


 ネアは首を振る。


「違う」


「“扱い方を決めるまで保留”」


 その瞬間。


 地下世界の構造がわずかに変わる。


 “敵対”でも“封印”でもない。


 空間そのものが、レインたちを避けるように形を変える。


 ミナが目を丸くする。


「え、避けてる?」


 セリアが驚く。


「攻撃じゃない……距離を取ってる?」


 リシアが小さく呟く。


「怖がってるみたい……」


 ネアは静かに言った。


「正解」


 レインは鼻で笑う。


「世界がビビってんのかよ」


 ゼノスが淡々と答える。


『恐怖ではない』


「じゃあ何だ」


『計算不能の回避反応だ』


 間。


『触れたくない、ではなく“触れると定義が壊れる”と理解している』


 ミナがぼそっと言う。


「それもう最強じゃん」


 セリアは肩をすくめる。


「最強というより、取り扱い注意すぎる存在ね」


 リシアは小さく笑う。


「でも、もう敵じゃないのかも」


 ネアは静かに言った。


「最初から敵じゃない」


「“仕様外”だっただけ」


 管理核の“目”が、ゆっくりと再起動する。


 だが今度は、攻撃でも修正でもない。


 表示されるのは一行だけ。


『共存プロトコル要求』


 ミナが固まる。


「え、今まで消そうとしてたのに急に共存ってなに!?」


 セリアは呆れたように笑う。


「方向転換が極端すぎるわね」


 リシアは少し安心したように言う。


「じゃあ……敵じゃないんだ」


 ネアは静かに首を振る。


「違う」


「“敵かどうかを決めるのをやめた”」


 レインは剣を軽く振る。


「やっと話通じるようになったな」


 管理核が応答する。


『質問』


 ミナが身構える。


「今度は何!?」


『なぜ存在する』


 空間が静まる。


 セリアが小さく呟く。


「一番厄介な質問来たわね……」


 リシアは不安そうにレインを見る。


 ネアは静かに言う。


「答えは一つしかない」


 レインは少し笑う。


「知らねぇよ」


 間。


 地下世界が、ほんの少し揺れる。


 だが崩れない。


 止まらない。


 ただ、そのまま続く。


 レインは空洞を見上げる。


「でもまあいいだろ」


「いるからいる」


 ミナが呆れる。


「雑すぎる回答やめてよほんと」


 セリアは小さく笑う。


「でも、それが一番崩れない答えなのかもね」


 リシアも頷く。


「うん……難しくしないほうがいいのかも」


 ネアは静かに言った。


「それが共存条件」


 管理核の“目”がゆっくりと閉じる。


 今度は封印ではない。


 沈黙でもない。


 ただ、“観測を続ける許可”を得た状態。


 レインはそれを見上げる。


「じゃあ決まりだな」


 ミナがため息をつく。


「ほんと適応力だけは異常だよね」


 セリアは肩をすくめる。


「この人に合わせて世界が変わってるだけよ」


 リシアは少し笑う。


「でも……悪くないかも」


 ネアは最後に言った。


「世界は変わった」


「“拒否を受け入れた世界”に」

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