表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

6/160

目覚め

――暗闇だった。


 どこまでも黒い空間。


 音もない。


 感覚も曖昧。


 レインは、その闇の中に立っていた。


「……ここは」


『精神領域だ』


 突然、背後から声が響く。


 振り向いた瞬間、レインは息を呑んだ。


 そこにいたのは、一人の男。


 長い黒髪。


 鋭い金色の瞳。


 白銀の剣を腰に差した青年。


 戦場のような圧を纏っていた。


「お前……」


『初めまして、だな』


 男は静かに笑う。


『俺はゼノス』


 その名を聞いた瞬間、記憶が繋がる。


 剣聖ゼノス。


 頭の中に流れ込んできた、あの戦士。


「……俺の中にいた奴」


『少し違う』


 ゼノスはレインを見つめる。


『お前が、俺を継承したんだ』


「継承……」


『本来、“継承者”は存在しない』


 ゼノスの表情が僅かに険しくなる。


『だから世界は、お前を異物として認識する』


 その瞬間。


 黒い月が空に現れた。


 精神世界のはずなのに。


 不気味な黒。


 見ているだけで寒気がする。


「……あれは何なんだ」


 レインの問いに、ゼノスは沈黙した。


 やがて静かに言う。


『まだ知るには早い』


「ふざけんなよ」


 レインは思わず声を荒げる。


「なんなんだよ、この力! なんで俺がこんな目に遭うんだ!」


 村が襲われた。


 人が死にかけた。


 自分の中には知らない記憶が溢れている。


 怖い。


 意味が分からない。


 ゼノスは静かに目を閉じた。


『……お前は選ばれた』


「誰に」


『世界に』


「意味が分からない!」


 叫びが闇へ響く。


 すると。


 黒い月が脈打った。


 ドクン。


 その瞬間、世界にヒビが入る。


「!?」


『来るぞ』


 ゼノスが剣へ手をかけた。


 闇の中から、“何か”が現れる。


 黒い影。


 人の形をしている。


 だが顔がない。


 代わりに、そこには黒い穴があった。


【観測者】


 頭の中に文字が浮かぶ。


 次の瞬間。


 影がレインへ襲いかかった。


「ッ!」


 速い。


 反応できない。


 だが。


 キィン!!


 ゼノスの剣が影を弾いた。


『下がれ!』


「な、なんなんだこいつ!」


『黒月に連なるものだ』


 影が低く唸る。


 そして。


『……継承者』


 声が響いた。


 直接脳へ流れ込んでくるような、不快な声。


『見つけた』


 ゾクリ、と全身が粟立つ。


 影がこちらを“認識”した。


 次の瞬間。


 無数の黒い手が闇から伸びてくる。


「っ!」


『目を覚ませ、レイン!!』


 ゼノスが叫ぶ。


 その瞬間。


 世界が砕けた。


「――ッ!!」


 レインは勢いよく起き上がった。


 荒い呼吸。


 汗で服が張り付いている。


「はぁ……はぁ……」


「起きた」


 静かな声。


 顔を上げると、銀髪の少女が椅子に座っていた。


 朝日が窓から差し込み、彼女の髪を淡く照らしている。


「……ここは」


「村の診療所」


 レインは周囲を見る。


 木造の小さな部屋。


 どうやらベッドに寝かされていたらしい。


 そして思い出す。


 黒獣との戦い。


 継承。


 意識を失ったこと。


「村は……!?」


「無事」


 少女は短く答える。


「多少壊れたけど、死者は出てない」


 その言葉に、レインは息を吐いた。


 よかった。


 本当に。


 だが。


「……お前、何者なんだ」


 改めて問う。


 少女は数秒沈黙した後、静かに口を開いた。


「セリア」


「え?」


「私の名前」


 銀髪の少女――セリアは真っ直ぐレインを見る。


「セリア・ルクスリア」


 その瞬間。


 診療所の扉が勢いよく開いた。


「レイン!!」


 飛び込んできたのはミナだった。


「よかったぁぁぁ!!」


 泣きそうな顔で抱きついてくる。


「ちょ、ミナ、苦しい」


「だって三日も寝てたんだよ!?」


「……三日?」


 レインは目を見開く。


 そんなに。


 するとミナは、セリアを見る。


 少し警戒した目だった。


「……この人、ずっとレインのそばにいた」


「別に看病してただけ」


 セリアは無表情で答える。


「え、優しいじゃん」


「違う」


 即答だった。


 そして。


 セリアはレインを真っ直ぐ見つめる。


「私は、あなたを確認しに来ただけ」


「確認?」


「本当に“継承者”なのかを」


 空気が変わる。


 ミナも表情を強張らせた。


 レインはゆっくり聞き返す。


「……継承者って、なんなんだ」


 セリアは静かに告げる。


「世界を壊す存在」


 部屋が静まり返った。

面白かったらブックマークと高評価お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ