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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

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銀髪の魔法使い

銀髪の少女が、一歩前へ出る。


 その瞬間。


 空気が凍った。


 地面に薄い氷が広がり、熱を帯びていた空気が一気に冷えていく。


 村人たちが息を呑んだ。


「な、なんだあの魔力……」


「人間か……?」


 少女はそんな視線など気にする様子もなく、黒獣グラディウスを見上げていた。


 青い瞳には一切の恐怖がない。


 まるで、相手を“危険”だと思っていないかのように。


 レインは剣を構えたまま、少女を見つめる。


「……お前、誰だ」


 少女はこちらを見る。


 そして少しだけ眉を動かした。


「質問は後」


 次の瞬間。


 彼女の周囲に、無数の魔法陣が展開された。


 青白い光。


 複雑な紋様。


 村人たちがざわめく。


「じ、上級魔法……!?」


「しかも同時展開だと……!?」


 レインにも分かった。


 異常だ。


 自分より年上には見えない。


 なのに、放っている魔力量が桁違いだった。


 少女は静かに右手を掲げる。


「――《氷槍群》」


 瞬間。


 数十本の氷の槍が空中に現れた。


 そして。


 轟音と共に射出される。


 ドドドドドドドッ!!


「ギャアアアア!!」


 黒獣の体へ次々と突き刺さる氷槍。


 硬い外皮を貫き、黒い血が舞った。


 村人たちが絶句する。


「押してる……?」


「あの怪物を……?」


 だが。


 少女の表情は険しかった。


「……硬い」


 次の瞬間、黒獣が咆哮する。


 周囲の魔力が暴走した。


「下がって!」


 少女が叫ぶ。


 直後。


 黒獣の体から、黒い衝撃波が放たれた。


 ゴォォォォォッ!!


「ッ!!」


 レインは咄嗟にミナを抱き寄せる。


 家が吹き飛ぶ。


 木々が折れる。


 広場が崩壊する。


 だが少女は動じなかった。


「《氷壁》」


 巨大な氷の壁が出現し、衝撃波を受け止める。


 しかし。


 ピシッ。


 壁に亀裂。


「……!」


 少女の顔色が変わる。


 耐えきれない。


 その瞬間。


 レインの頭の中で声が響いた。


『核を狙え』


 剣聖ゼノスの声。


『今なら届く』


 レインは黒獣を見る。


 衝撃波を放った直後。


 胸部の核が露出していた。


【弱点露出時間:4.2秒】


 体が勝手に前へ出る。


「お、おい!?」


 ガルドが叫ぶ。


 だがレインは止まらない。


 地面を蹴る。


 加速。


 風が裂ける。


「なっ……!」


 銀髪の少女が目を見開いた。


 速い。


 さっきよりさらに。


【継承同期率:12%】


 視界が研ぎ澄まされる。


 世界が遅く見える。


 黒獣の動き。


 筋肉。


 魔力。


 全部見える。


 レインは剣を握り直した。


「うあああああッ!!」


 跳躍。


 黒獣の胸元へ飛び込む。


 赤黒い核が目前に迫る。


 その時。


 黒獣の赤い目が、レインを捉えた。


 ゾクリ、と背筋が震えた。


 ――まずい。


【危険】


【回避推奨】


 だが、遅い。


 黒獣の腕が振り下ろされる。


 回避不能。


 死ぬ。


 その瞬間。


「《凍結》!!」


 銀髪の少女の声。


 黒獣の腕が一瞬だけ凍りつく。


 動きが止まった。


「今!」


「――ッ!!」


 レインは全力で剣を突き出した。


 白銀の剣が、核へ突き刺さる。


 ゴギィン!!


 硬い。


 だが。


『斬れ』


 剣聖の声。


 レインは叫んだ。


「斬れぇぇぇぇッ!!」


 瞬間。


 白銀の剣が眩く輝いた。


 そして。


 核が、真っ二つに裂けた。


 静寂。


 次の瞬間。


 黒獣グラディウスが絶叫する。


 ォォォォォオオオオオオオオオ――――ッ!!


 巨体が崩れ始めた。


 黒い霧となって消えていく。


 村人たちが呆然と立ち尽くす。


「……倒した?」


「災害級を……?」


 レインは着地する。


 その直後。


 全身から力が抜けた。


「がっ……!」


 膝をつく。


 頭の中へ、凄まじい量の情報が流れ込んできた。


【継承開始】


【高位個体の能力を解析中】


【適合率上昇】


【警告:精神負荷増大】


「ぁ……ああああッ!!」


 激痛。


 脳が裂ける。


 知らない記憶が雪崩れ込む。


 暗い森。


 赤い月。


 大量の死体。


 そして。


 “黒い月を見上げる巨大な影”。


『見つけた』


 低い声が響いた。


 その瞬間。


 レインの意識が途切れる。


 ――最後に見えたのは。


 自分を見下ろす、銀髪の少女の顔だった。


「……やっぱり」


 彼女は小さく呟く。


「この世界にも、“継承者”が現れた」

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