表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

4/135

剣聖の記憶

世界の音が消えた。


 迫り来る黒獣グラディウス。


 地鳴り。


 悲鳴。


 その全てが遠ざかっていく。


 レインの視界には、ただ敵だけが映っていた。


【第一戦闘記憶 接続開始】


 頭の中へ、膨大な情報が流れ込む。


 剣を振る感覚。


 敵を斬る軌道。


 無数の死線。


 何十年、何百年と積み重ねられた戦闘経験。


「……ッ!」


 膝が震える。


 脳が耐えきれない。


 なのに。


 体は理解していた。


 まるで昔から使っていた技のように。


 黒獣が腕を振り上げる。


 巨大な爪。


 家ごと吹き飛ばせる一撃。


 村人たちが絶望の顔をした、その瞬間。


 レインが動いた。


「――はぁッ!!」


 地面を蹴る。


 爆発的な加速。


「なっ!?」


 ガルドの目が見開かれる。


 速い。


 さっきまでとは比べものにならない。


 レインは黒獣の爪を紙一重で回避し、その腕を駆け上がる。


 普通なら不可能な動き。


 だがレインの脳裏では、“未来”が見えていた。


 次に敵がどう動くか。


 どこへ力が流れるか。


 全て分かる。


【戦闘補助:《未来予測(微)》発動】


「う、おおおおおッ!!」


 レインは叫びながら跳躍した。


 狙うのは胸部の核。


 だが。


 黒獣の赤い目が光る。


 瞬間、巨大な魔力が口元へ集束した。


【警告】


【高密度魔力反応】


「ッ!!」


 直感が叫ぶ。


 危険だ。


 レインは空中で無理やり体を捻った。


 次の瞬間。


 漆黒の光線が放たれる。


 ゴォォォォォッ!!


 夜が裂けた。


 後方の森が一瞬で吹き飛ぶ。


 熱風が村を襲い、悲鳴が上がる。


「なんだよ……あれ……」


 ミナの顔が青ざめる。


 直撃していれば、跡形もなく消えていた。


 レインは着地しながら息を荒げた。


「はぁ……はぁ……」


【推定脅威度、上昇】


【現在勝率:1.2%】


「上がってんのかよ……」


 こんな状況なのに、少し笑いそうになる。


 すると。


『落ち着け』


 頭の中で声がした。


 低い男の声。


『呼吸を見ろ。力の流れを読め』


「誰だ……」


『剣は感情で振るうな』


 瞬間。


 レインの脳裏に、一人の男が映る。


 長い黒髪。


 白銀の剣。


 血だらけの戦場で立ち続ける男。


【個体記録を確認】


【称号:《剣聖ゼノス》】


「剣聖……?」


 その名を口にした瞬間。


 レインの右手へ、光が集まる。


 村人たちが息を呑んだ。


 光は形を変え――一本の剣となる。


「なっ……!?」


 ガルドが目を見開く。


 白銀の長剣。


 見たこともない武器だった。


【記憶武装を一時形成しました】


 レインは自然に剣を構える。


 不思議なほど手に馴染む。


 すると黒獣が咆哮し、再び突進してきた。


 地面が割れる。


 だが今度は、恐怖より先に体が動いた。


『左へ三歩』


 頭の中の声。


 レインは従う。


 直後、黒獣の爪がすぐ横を通過した。


『次だ』


 剣を振る。


 銀閃。


 ザシュッ!!


 黒い血が舞った。


「ギャアアアアアア!!」


 黒獣が苦悶の咆哮を上げる。


 腕が斬れていた。


「斬った……!?」


 村人たちが絶句する。


 災害級魔物に傷をつけた。


 それだけで異常だった。


 だがレインは止まらない。


 頭の中へ、さらに記憶が流れ込む。


 剣技。


 戦場。


 死闘。


 そして。


 “世界を滅ぼした黒い月”。


「――ッ!」


 その瞬間、激しい頭痛が走る。


 視界が歪む。


 耳鳴り。


 知らない女の悲鳴。


 崩れる塔。


 血まみれの銀髪の少女。


『逃げて、レイン――!!』


「ぁ……」


 誰だ。


 誰なんだ。


 だが次の瞬間。


 黒獣の尻尾が横から迫っていた。


「危ない!!」


 ミナの叫び。


 レインは反応が遅れる。


 避けきれない。


 その時。


 ドゴォォォン!!


 巨大な炎が黒獣を吹き飛ばした。


「なっ……!?」


 熱風が広場を駆け抜ける。


 炎の先。


 そこには、一人の少女が立っていた。


 月光に揺れる銀髪。


 青いローブ。


 そして、氷のように冷たい瞳。


「……辺境で災害級?」


 少女は静かに呟く。


 その瞳が、レインを捉えた。


「しかも、“継承者”までいるなんて」


 空気が凍りついた。


 彼女は知っている。


 レインの力を。

面白かったらブックマークと高評価お願いします。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ