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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

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再観測

空の奥で、“視線”が開いた。


 それは目ではない。


 光でもない。


 ただ「見られている」という事実だけが、世界に重なる感覚だった。


 レインの背筋に冷たいものが走る。


「……またかよ」


 ミナが空を見上げる。


「今度は何!?さっき終わったばっかじゃん!」


 セリアは魔力を探るが、顔をしかめる。


「反応が……曖昧すぎる。存在の輪郭が取れない」


 リシアが不安そうに呟く。


「見えてないのに、見られてる感じ……」


 ネアだけが静かに言った。


「“再観測”」


 レインが眉をひそめる。


「観測?」


 ゼノスが低く答える。


『起源ではない』


『上位でもない』


 間。


『“前段階”だ』


 ミナが即座に突っ込む。


「まだ増えるの!?段階!」


 空の奥が、わずかに“焦点を合わせる”。


 世界が、ゆっくりとピントを合わせられていく感覚。


 ――キィィン。


 また、あの音。


 今度は小さくない。


 王都の一部が、一瞬だけ“描き直される”。


 そこにあったはずの建物が消え、代わりに知らない構造物が一瞬だけ現れる。


 そしてすぐ消える。


 セリアが息を呑む。


「今の……何?」


 リシアが震える声を出す。


「現実が“試されてる”……?」


 ネアは目を細める。


「違う」


「“候補を見てる”」


 レインは空を睨む。


「候補って何のだよ」


 ゼノスが静かに言う。


『世界の更新案だ』


 沈黙。


 ミナが乾いた声で言う。


「もう完全にシステムじゃん……」


 空の視線が、ゆっくりと動く。


 王都。


 森。


 山脈。


 そして――レイン。


 焦点が、そこで止まる。


『個体:レイン』


 声が響く。


 だが、起源とは違う。


 もっと“事務的”で、もっと“淡白”。


『再評価対象』


 レインは一歩前に出る。


「またかよ評価」


 ゼノスが静かに言う。


『違う』


「何がだ」


『これは“選別前の確認”だ』


 ミナが不安そうにレインを見る。


「選別って……」


 セリアが呟く。


「世界そのものの取捨選択……」


 リシアが顔を強張らせる。


「そんなの……あり得ない」


 ネアは空を見上げたまま言う。


「もう“あり得るかどうか”じゃない」


「“起きてるかどうか”だけ」


 視線が、さらに深く沈む。


 レインの中を覗くように。


 義腕がわずかに軋む。


「……やめろ」


 レインは低く言う。


「勝手に見てんじゃねぇ」


 その瞬間。


 空の奥が、わずかに揺れた。


『拒否反応確認』


 ゼノスが小さく言う。


『いいぞ』


「何がだよ」


『それが“鍵”だ』


 視線が一瞬止まる。


 そして。


『再分類』


 世界が変わる。


 レインの存在が、再び“別の名前”に置き換えられそうになる。


 ミナが叫ぶ。


「レイン!!また来てる!!」


 セリアも必死に魔法を展開する。


「止めないと……!」


 リシアが震える声で言う。


「でも、どうやって……!」


 ネアは静かに一歩前に出る。


「違う」


「止めるんじゃない」


 レインが振り向く。


「じゃあ何だよ」


 ネアははっきり言った。


「“見返す”」


 その言葉と同時に。


 レインの中で何かが変わる。


 拒絶核が、もう一段深く沈む。


 蒼黒の光が“内側”へ収束する。


 ゼノスが静かに言う。


『来るぞ』


 レインは剣を握る。


「見たいなら見ろよ」


 空の視線と、レインの視線が真正面からぶつかる。


 世界が一瞬、静止する。


 そして――


 再観測が、始まった。

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