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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

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保存拒否

パキィン――。


 空間の“静止”が割れた音がした。


 レインの踏み込みと同時に、世界が再び動き出す。


 王都に音が戻る。


 風が戻る。


 悲鳴も、魔力の流れも、一気に押し寄せた。


「レイン!!」


 ミナの声が現実の速度で響く。


 セリアが即座に魔法を展開する。


「時間拘束が解けた……!?」


 リシアが息を呑む。


「今の、何……?」


 ネアは空を見上げたまま動けない。


「……壊した」


 小さく呟く。


「保存の“概念”を」


 その言葉と同時に、空の“目”が明確に揺れた。


『異常事象発生』


『保存対象:脱出』


 声は初めて“焦り”に近い揺らぎを持った。


 レインは義腕を握り直す。


「ざまぁみろ」


 空間が再び歪む。


 影たちが一斉に動き出した。


 だが、先ほどと違う。


 明確に“攻撃”へ切り替わっている。


 ミナが叫ぶ。


「今度は本気来た!!」


 影の一体が、王都の上空を“折る”。


 ――ギュンッ!!


 建物が消える。


 消失ではない。


 最初からそこに無かったことにされる。


 セリアが歯を食いしばる。


「存在編集……!こんなの防御できない!」


 レインは前へ出る。


「防げる必要はねぇ」


 剣を構える。


「斬ればいい」


 次の瞬間。


 影が複数同時に襲いかかる。


 空間断裂。


 概念削除。


 現実圧縮。


 同時多層攻撃。


 だがレインは動いた。


「《終律連閃》!!」


 蒼黒の斬撃が空間を走る。


 ズガァァァァァン!!


 一体の影が“存在ごと切断”される。


 だがすぐに再構築される。


 ネアが息を呑む。


「再生じゃない……“再定義”してる」


 ゼノスが静かに言う。


『あれは倒せない』


「は?」


『概念処理装置だ』


 レインの目が細くなる。


「じゃあどうすんだよ」


『“拒否”を続ける』


 短い答え。


 レインは笑う。


「それなら得意だ」


 影が迫る。


 王都の一部がまた“消されかける”。


 その瞬間だった。


「させない!!」


 ミナが飛び込む。


 短剣に魔力が収束する。


「《影断ち》!!」


 影の構造が一瞬だけ乱れる。


 セリアが即座に追撃。


「《氷界固定》!!」


 空間の“編集”が一瞬止まる。


 リシアが補助魔法を重ねる。


「空間補強……!」


 ネアが前に出る。


 黒炎が揺れる。


「……これ以上、勝手に消させない」


 影たちが一瞬だけ止まった。


 レインはその隙を見逃さない。


「今だ!!」


 義腕に蒼黒の光が収束する。


【終律因子臨界】


 ゼノスの声が低く響く。


『来るぞ』


 レインは空を睨む。


「《終律断界・改》!!」


 振り下ろされた一撃。


 それは斬撃ではなかった。


 “世界のルールそのものを引き裂く一撃”。


 ズガァァァァァァァァン!!


 空間が悲鳴を上げる。


 影の構造が崩れる。


 初めて――完全には再構築されない。


『……エラー』


 空の目が明確に揺れる。


『保存処理に支障』


『原因:拒否意志過多』


 レインは肩で息をしながら笑う。


「だから言ったろ」


「俺は物じゃねぇって」


 その瞬間。


 空の裂け目の奥に、さらに“何か”が現れた。


 影よりも深い。


 目よりも静か。


 ただ一つの“圧”。


 ネアの顔が凍る。


「……上位」


 ゼノスが静かに呟く。


『来たか』


『“第二層の監督者”だ』


 空間が、再び沈む。


 そして――


 新しい声が響いた。


『拒否個体確認』


『再評価へ移行』


 世界は、さらに深い層へと引きずり込まれようとしていた。



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