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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

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終焉を超える

第37話 終焉を超える


 蒼黒の光が、狭間世界を染め上げる。


 レインの姿が変わっていく。


 髪が蒼黒へ染まり。


 左目には終焉の紋章。


 全身を包む粒子が、空間そのものを揺らしていた。


【《終焉超越》】


 それは。


 終焉王すら到達できなかった領域。


 ゼノスが低く呟く。


『まさか本当に辿り着くとはな』


 門の主の巨大な本体が、初めて後退した。


『……危険』


 無数の赤い目が、レインを見つめる。


 今までとは違う。


 “脅威”として認識した。


 レインは静かに剣を構える。


 不思議と恐怖は消えていた。


 代わりに。


 胸の奥に、熱だけがある。


「終わらせる」


 門の主が吠えた。


『認めない』


 巨大な赤い光。


 世界崩壊級のエネルギーが放たれる。


 狭間世界そのものが砕け始めた。


 だが。


 レインは動かない。


 《アークヘリオン》を振るう。


「《終焉断界・零》」


 蒼黒の一閃。


 次の瞬間。


 赤い光が、真っ二つに割れた。


 門の主が初めて絶句する。


『な……』


 レインは一瞬で距離を詰めた。


 速い。


 いや。


 空間そのものを飛ばしている。


 蒼黒の剣が、巨大な本体を斬り裂く。


 ズガァァァァァァァン!!


 絶叫。


 赤い目が次々潰れる。


『アアアアアアアアッ!!』


 門の主が暴れる。


 無数の“門”を開く。


 侵食の津波。


 概念消去。


 世界崩壊。


 全てを同時に放つ。


 だが。


 レインは止まらない。


 蒼黒の光が、全部を切り裂いていく。


「うぉぉぉぉぉぉッ!!」


 連続斬撃。


 門が消える。


 赤い目が砕ける。


 巨大な本体が後退する。


 初めて。


 門の主が“恐怖”を見せた。


『なぜだ……!』


 レインが叫ぶ。


「お前と違って!!」


 剣を振るう。


「俺は一人じゃねぇ!!」


 その瞬間。


 蒼黒の光の中に、仲間たちの声が響いた。


『レイン!!』


 ミナ。


『戻ってきなさい!!』


 セリア。


『負けるな!!』


 リシア。


『……生きて』


 ネア。


 その声が。


 レインを繋ぎ止める。


 門の主が吠える。


『理解不能だ!!』


「だろうな!!」


 レインは笑う。


「でも、それでいい!!」


 《アークヘリオン》が巨大化する。


 狭間世界そのものを覆うほどの、超巨大な蒼黒の剣。


【最終終焉術式 展開】


 ゼノスが静かに告げる。


『これで終わりだ』


 レインは門の主を見据える。


 巨大な異形。


 世界を滅ぼす存在。


 でも。


 もう怖くない。


「お前は終わりしか知らない」


 蒼黒の光が収束する。


「でも俺たちは、終わった後も前に進める」


 門の主が絶叫した。


『やめろォォォォォ!!』


 無数の赤い目。


 黒い腕。


 侵食。


 全てがレインへ向かう。


 だが。


 レインは剣を振り下ろした。


「――《終焉超越・ラストクロニクル》」


 世界が、蒼黒に染まった。


 静寂。


 狭間世界が崩壊していく。


 巨大だった門の主の本体が、ゆっくり崩れていく。


『……ありえない』


 赤い目が消えていく。


『終焉を……超えるなど……』


 レインは息を切らしながら立っていた。


 体が薄くなっている。


 存在が削れていた。


 それでも。


 笑う。


「言っただろ」


 門の主が崩壊していく。


『なぜ……そこまで……』


 レインは少し考え。


 そして答えた。


「生きたいからだ」


 その言葉。


 門の主は、しばらく沈黙した。


 やがて。


 初めて。


 本当に小さく笑った。


『……そうか』


 次の瞬間。


 門の主は、完全に消滅した。


【門の主 消滅確認】


【侵食停止】


【世界接続 崩壊】


 狭間世界が砕ける。


 レインの体も、光になり始めていた。


『レイン!!』


 仲間たちの声が遠く聞こえる。


 レインは薄れる意識の中で、空を見た。


 黒い月が、消えていく。


 終わった。


 やっと。


 その時。


 終焉王の声が聞こえた。


『……ありがとう』


 レインは少し笑う。


「そっちこそ」


 そして。


 蒼黒の光の中へ、落ちていった。

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