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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

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34/151

最上階

 ギギギギギ――。


 巨大な扉が開いていく。


 その音だけで、空間が歪んだ。


 レインたちは、無意識に足を止める。


 圧が違う。


 今まで戦ってきた侵食体とは、存在の格が違いすぎた。


 扉の奥は、異様な空間だった。


 空がある。


 塔の中なのに。


 黒い雲。


 赤い月。


 崩壊した都市。


 そして、その中央。


 巨大な玉座。


 そこに、“門の主”が座っていた。


 全員が息を呑む。


 人型。


 だが、曖昧だ。


 輪郭が定まらない。


 黒い翼。


 全身に浮かぶ赤い目。


 そして。


 顔だけが、ぼやけて見えない。


 なのに。


 見てはいけないと、本能が警告していた。


【危険】


【危険】


【直視非推奨】


 レインの額に汗が流れる。


 門の主は静かにこちらを見る。


『継承者』


 低い声。


 世界そのものが喋っているみたいだった。


『終焉王の残滓か』


 レインは《アークヘリオン》を構える。


「お前が、“門の主”」


『そう呼ばれている』


 門の主は立ち上がった。


 その瞬間。


 空間が沈む。


 重力が増したような感覚。


 ミナが膝をつく。


「うっ……!」


 セリアも顔を歪める。


「魔力だけで……」


 ネアは震えていた。


「……本物」


 今まで“向こう側”から聞こえていた声。


 その正体。


 門の主は静かに言う。


『よくここまで来た』


 その声に、感情はない。


 まるで虫を観察しているようだった。


『だが終わりだ』


 赤い目が一斉に開く。


 瞬間。


 レインの頭に映像が流れ込む。


 無数の世界。


 滅んでいく文明。


 黒い月。


 侵食。


 崩壊。


 そして。


 どの世界にも、“継承者”がいた。


『我らは世界を巡る』


 門の主の声。


『限界を迎えた世界を、終わらせる』


 星が砕ける。


 文明が消える。


 人々が侵食される。


『それが救済』


 レインは歯を食いしばる。


「ふざけんな……!」


『苦しみ続けるより、終わらせた方が優しい』


 終焉王と同じ思想。


 だが。


 もっと冷たい。


 もっと巨大な絶望。


 門の主はレインを見つめる。


『終焉王も、最後には理解した』


 その言葉に、レインの瞳が揺れる。


『だから我らに近づいた』


 ネアが震える声で呟く。


「違う……」


 門の主は淡々と続ける。


『お前もいずれ理解する』


 レインは《アークヘリオン》を強く握った。


「しねぇよ」


 門の主が少し沈黙する。


「苦しいことがあっても」


 レインは前へ出る。


「それでも生きたいって思う奴がいる」


 ミナ。


 セリア。


 リシア。


 ネア。


 みんなの顔が浮かぶ。


「だから俺は、お前を止める」


 門の主は静かにレインを見る。


 そして。


 初めて、“感情”らしきものを見せた。


『……理解不能』


 次の瞬間。


 世界が消えた。


「ッ!?」


 レインの視界が真っ黒になる。


 いや。


 空間ごと消された。


 ゼノスが叫ぶ。


『避けろ!!』


 直後。


 レインのいた場所が、完全に“消滅”した。


 音もなく。


 痕跡もなく。


 存在そのものが消えている。


 ミナが悲鳴を上げる。


「今の何!?」


『概念消去だ!!』


 ゼノスの声が焦っていた。


『触れれば終わる!』


 門の主が、ゆっくり手を上げる。


『終わりを受け入れろ』


 空間が次々消えていく。


 レインは全力で回避。


 だが。


 速すぎる。


 避けきれない。


 その時。


「レイン!!」


 ネアが飛び出した。


 黒炎が爆発する。


「《黒焔界》!!」


 黒い炎の壁。


 概念消去と激突する。


 ズガァァァァァン!!


 塔全体が揺れた。


 ネアが吹き飛ぶ。


「がはっ……!」


「ネア!!」


 レインが受け止める。


 ネアは苦しそうに笑った。


「……やっと、役に立てた」


 門の主が静かにネアを見る。


『裏切るか』


 ネアは震えながらも睨み返す。


「……私は」


 涙を流しながら。


「生きたい」


 その瞬間。


 門の主の周囲に、無数の“門”が開いた。


 そこから。


 大量の赤い瞳が現れる。


『ならば滅びろ』


 絶望的な魔力が空間を埋め尽くした。

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