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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

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暴走する力

「まずいッ!!」


 セリアが叫ぶ。


 リシアの体から溢れ出した黒い魔力が、竜巻のように空へ噴き上がる。


 ドォォォォォン!!


 地面が砕けた。


 木々が吹き飛ぶ。


 空間そのものが歪み始める。


【侵食エネルギー暴走】


【臨界到達まで:18秒】


「はぁ!?」


 ミナが青ざめる。


「短すぎるでしょ!?」


 レインは即座にリシアを抱き寄せた。


 だが。


 魔力が止まらない。


 黒い光が彼女の体から漏れ続けている。


「くそ……!」


 核は砕いた。


 なのに。


『核が壊れた反動だ』


 ゼノスの声。


『行き場を失った侵食エネルギーが暴れている』


「止める方法は!?」


『……吸収するしかない』


 レインの顔が固まる。


「おい、それって」


『お前が受けるということだ』


 空気が重くなる。


 セリアが即座に否定した。


「ダメ!!」


 レインが振り向く。


 セリアは珍しく感情を露わにしていた。


「今のあなたがそんな量を受けたら、侵食される!」


『その通りだ』


 ゼノスも肯定する。


『最悪、お前が第二の終焉王になる』


 静寂。


 リシアが震える声で言う。


「……やっぱり、私」


 だが。


 レインは即答した。


「却下」


「え……?」


「助けたばっかのやつ死なせるかよ」


 ミナが頭を抱える。


「このタイミングで主人公みたいなこと言うなぁぁ!!」


「いや主人公だろ!?」


「知らないよ!」


 だが。


 レインの目は本気だった。


 怖い。


 侵食されるかもしれない。


 また世界を壊す存在になるかもしれない。


 でも。


 ここで見捨てたら、きっと後悔する。


 終焉王みたいに。


「レイン……」


 リシアの瞳が揺れる。


 レインは笑った。


「大丈夫」


「またそれ……」


「なんとかする」


 根拠はない。


 でも。


 今は、それでよかった。


 レインは《アークヘリオン》を地面へ突き立てる。


【王権術式 起動】


【侵食接続 強制展開】


 蒼黒の魔法陣が広がる。


 リシアの暴走魔力が、一気にレインへ流れ込んだ。


「――がぁぁぁぁぁッ!!」


 激痛。


 全身が焼ける。


 黒い魔力が血管を這い回る。


【侵食率上昇】


【21%】


【34%】


【49%】


「レイン!!」


 ミナが叫ぶ。


 レインの瞳に黒が混じり始める。


 頭の中へ、無数の声。


『壊せ』


『終わらせろ』


『楽になれ』


「……ッ!」


 意識が削られる。


 その時。


 終焉王の声が聞こえた。


『踏ん張れ』


 レインが目を見開く。


 暗闇の中。


 終焉王が立っていた。


 以前より穏やかな顔。


『今のお前には、仲間がいる』


「……うるせぇ」


 レインは歯を食いしばる。


「分かってる……!」


 侵食率がさらに上がる。


【63%】


【71%】


 危険域。


 エルドが剣を握り締める。


『……王』


 もし暴走したら。


 自分が止めるしかない。


 その覚悟があった。


 だが。


 その時。


 温かい手が、レインの頬へ触れた。


「……戻ってきて」


 リシアだった。


 涙を流しながら、レインを見ている。


「私のせいで、消えないで……」


 その言葉。


 胸の奥へ届く。


 レインは苦しみながらも笑った。


「だから……」


 呼吸が乱れる。


「消えねぇって……」


 ミナも叫ぶ。


「レイン! 帰ってこい!!」


 セリアも魔法陣を重ねる。


「意識を保って!!」


 みんなの声。


 一人じゃない。


 その感覚が、レインを繋ぎ止める。


【侵食率:79%】


 限界寸前。


 だが。


 そこで、止まった。


『……へぇ』


 世界の奥から、赤い瞳たちの声が響く。


『耐えるんだ』


『面白い』


『本当に変わったね』


 黒い魔力が、徐々に静まり始める。


 レインの瞳から黒が消えていく。


【侵食安定化】


【新規適応を確認】


 やがて。


 静寂が訪れた。


 レインは膝をつく。


「はぁっ……はぁっ……」


 生きている。


 ミナが即座に抱きついた。


「ばかぁぁぁぁ!!」


「ぐぇっ……!」


「心配したんだからね!?」


「……悪い」


 セリアも深く息を吐く。


「本当に、無茶しかしない」


 リシアは呆然とレインを見ていた。


「……なんで」


 理解できないという顔。


「なんで、そこまで」


 レインは少し考え。


 そして笑った。


「仲間だからだろ」


 リシアの目から、また涙が零れた。


 その時。


 レインの頭に、新たな声が響く。


【適格者確認】


【第三継承者 反応】

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