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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

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銀髪の継承者

黒い手が空を埋め尽くす。


 無数。


 まるで世界そのものがこちらを掴みに来ているようだった。


「チッ……!」


 レインは《アークヘリオン》を振るう。


 蒼黒の斬撃。


 ズガァァァァン!!


 黒い手の群れが吹き飛ぶ。


 だが。


 再生している。


「またかよ……!」


 ミナが短剣を構える。


 セリアは即座に魔法陣を展開。


「《氷界封鎖》!」


 巨大な氷壁が出現し、黒い手を凍結する。


 だがその氷すら、黒い霧に侵食され始めた。


「侵食速度が速い……!」


 セリアの顔が険しくなる。


 その時。


 銀髪の少女が苦しそうに立ち上がった。


「……だめ」


 赤い瞳が揺れる。


「そいつら、普通じゃ止まらない……」


 レインは少女を見る。


 確かに感じる。


 自分と同じ力。


 継承者。


 だが。


 彼女の魔力は不安定だった。


 暴走寸前。


【侵食率:71%】


「高すぎる……!」


 レインが目を見開く。


 普通なら、とっくに理性を失っている数値。


 少女はふらつきながらも、空間の裂け目を見る。


 その目には、明確な恐怖があった。


「来る……!」


 次の瞬間。


 黒い亀裂が大きく裂けた。


 そこから現れたのは――。


 巨大な“顔”。


 人間に似ている。


 だが目がない。


 口だけが異様に裂けている。


 そして。


 笑っていた。


『みーつけた』


 耳鳴り。


 吐き気。


 存在そのものが狂っている。


 エルドが前へ出た。


『王、下がってください』


「いや、あれは――」


『来ます』


 瞬間。


 巨大な顔の口が開いた。


 黒い光が集まる。


「まずい!」


 セリアが叫ぶ。


 レインは《アークヘリオン》を構える。


 だが。


 その時。


 銀髪の少女が、レインの前へ出た。


「――《封鎖》」


 赤い紋章が光る。


 瞬間。


 空間そのものが凍った。


 巨大な顔の動きが止まる。


「なっ……!?」


 セリアが絶句する。


 時間ではない。


 空間でもない。


 “存在”そのものを固定している。


【特殊権能を確認】


 少女の足元に、黒い血が落ちる。


 無理をしている。


 それでも。


「今のうちに……壊して!」


 レインは即座に飛び出した。


「エルド!」


『御意!』


 二人が同時に加速。


 蒼黒と漆黒の光が交差する。


 巨大な顔が叫ぶ。


『アアアアアアアッ!!』


 拘束を破ろうとしている。


 だが遅い。


「終われぇぇぇッ!!」


『《黒終斬》』


 二つの斬撃が重なった。


 ズガァァァァァァァァン!!


 巨大な顔が真っ二つになる。


 断末魔。


 黒い霧となって崩壊していく。


 そして。


 空間の裂け目も閉じ始めた。


 静寂。


 レインが息を吐く。


「……終わったか」


 その瞬間。


 ドサッ。


 銀髪の少女が倒れた。


「っ、おい!」


 レインが駆け寄る。


 少女の体は異常に熱かった。


 呼吸も荒い。


【侵食率:82%】


「やばいぞこれ……!」


 セリアも駆け寄る。


「侵食が進みすぎてる……!」


 少女は薄く目を開けた。


 赤い瞳が、レインを見つめる。


「……やっと、会えた」


「え?」


「私……ずっと、探してた」


 苦しそうな声。


 だが。


 その目には、どこか安心した色があった。


「あなたが……最後の希望だから」


 レインの胸がざわつく。


「何がどうなってるんだ」


 少女は小さく震えながら呟く。


「……黒月が、また始まる」


 空気が凍る。


 セリアの表情が変わった。


「まさか……」


「継承者が複数目覚めた時、“門”が開く」


 少女の瞳に恐怖が浮かぶ。


「次は、前みたいに止められない」


 レインは息を呑む。


 前みたいに。


 つまり。


 二百年前の終焉戦争。


 少女はレインの服を掴む。


「お願い……」


 震える声。


「私を、殺して」


 全員が固まった。

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