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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

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世界の終わりと、その先

黒い世界が広がる。


 空が消えた。


 大地も。


 光も。


 全てが、終焉王の魔力に呑み込まれていく。


 残ったのは、ただ黒。


 その中心で。


 終焉王だけが静かに立っていた。


【終焉権能:《世界終幕》】


 レインの全身に警告が走る。


【危険】


【危険】


【回避不能】


 だが。


 レインは逃げなかった。


 《アークヘリオン》を握る手に、ミナの温もりが残っている。


 セリアの言葉。


 エルドの忠誠。


 ガルドたち村のみんな。


 全部。


 胸の中にあった。


『……君は優しい』


 終焉王が静かに言う。


『でも、優しさだけじゃ救えない』


「知ってる」


 レインは答えた。


「きっとこれから、間違える」


 終焉王の瞳が揺れる。


「誰かを救えなくて、後悔もする」


 怖い。


 未来なんて分からない。


 でも。


「それでも俺は、諦めたくない」


 蒼黒の光が溢れる。


「一人じゃ無理でも」


 後ろを見る。


 ミナ。


 セリア。


 エルド。


 みんなが立っている。


「今度は、ちゃんと頼る」


 その瞬間。


 終焉王が、初めて目を見開いた。


 長い沈黙。


 やがて。


 彼は、小さく笑った。


『……負けたな』


 黒い世界が揺れる。


 終焉王は《アークヘリオン》によく似た剣を掲げた。


『なら、来い』


 終焉の魔力が爆発する。


 空間が崩壊する。


 レインも剣を構えた。


【王権同期率:100%】


【《終律形態》完全解放】


 蒼黒の翼が広がる。


 終焉王と、全く同じ姿。


 だが。


 瞳だけが違った。


 終焉王の瞳は絶望。


 レインの瞳は希望。


 次の瞬間。


 二人は同時に踏み込んだ。


 世界が消える速度。


 剣と剣が激突する。


 キィィィィィィィン――!!


 音が消えた。


 時間すら止まる。


 レインは叫ぶ。


「うおおおおおおおおッ!!」


 終焉王も叫ぶ。


『ああああああああッ!!』


 蒼黒と漆黒。


 二つの光が衝突する。


 空間が砕ける。


 世界が悲鳴を上げる。


 だが。


 レインは止まらない。


 守りたい。


 その想いだけで、前へ出る。


 終焉王の瞳が揺れる。


 そこに映っていたのは。


 かつての自分が、失ったもの。


 仲間。


 希望。


 未来。


『……羨ましい』


 終焉王が呟く。


 その瞬間。


 レインの剣が、終焉王の剣を弾いた。


「ッ!」


 終焉王の体勢が崩れる。


 レインは最後の力で《アークヘリオン》を振り抜いた。


「終われぇぇぇぇぇぇぇッ!!」


 蒼黒の一閃。


 世界を裂く光。


 そして。


 終焉王の体が、静かに斬られた。


 時間が止まる。


 黒い世界に、ひびが入る。


 終焉王は呆然と、自分の胸を見る。


 そこには蒼黒の光。


 やがて。


 彼は、優しく笑った。


『……できたじゃないか』


 その声は、もう絶望していなかった。


 終焉王の体が、光へ変わっていく。


『ありがとう』


 レインは息を呑む。


 終焉王は最後に空を見上げた。


『今度は』


 静かな声。


『世界を、好きになってくれ』


 そして。


 光となって消えた。


 黒い世界が崩壊する。


 空が戻る。


 風が吹く。


 森の匂い。


 夜の空気。


 元の世界だ。


 空の巨大な赤い瞳たちが、苦しそうに歪む。


『嘘だ』


『終焉王が』


『消えた?』


 黒い亀裂が閉じ始める。


 世界外の存在たちが叫ぶ。


『まだ終わらない』


『また会おう』


『継承者』


 最後に。


 一番巨大な赤い瞳が、静かにレインを見た。


『今度は、どこまで耐えられるかな』


 そして。


 亀裂は閉じた。


 静寂。


 夜空には、普通の月だけが浮かんでいた。


 レインは膝をつく。


「……終わった」


 その瞬間。


「レイーーーーン!!」


 ミナが飛びついてきた。


「ぐぇっ!?」


「生きてるぅぅぅ!!」


「く、苦しい……!」


 セリアが少し呆れた顔で近づいてくる。


「……本当に、規格外」


 でも。


 その口元は少し笑っていた。


 エルドは静かに跪く。


『お見事でした、我が王』


「王はやめろって……」


 レインは苦笑する。


 だが。


 空を見上げる。


 まだ終わっていない。


 黒月。


 継承者。


 世界外の存在。


 謎は山ほど残っている。


 でも。


 今は少しだけ。


 未来を信じられる気がした。


 その時。


 レインの頭に、静かな声が響く。


『――王都へ来い』


 知らない声。


 だが。


 圧倒的な力を感じる。


『次の継承者が、目覚めた』


 レインの瞳が揺れる。


 物語は、まだ始まったばかりだった。

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