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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

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終焉を超える者

空が埋め尽くされる。


 無数の黒剣。


 一つ一つが災厄級を超える魔力を纏っていた。


 それが、一斉に放たれる。


「ッ!!」


 レインは《アークヘリオン》を振るう。


【《終律障界》再展開】


 蒼黒の結界が広がる。


 だが。


 黒剣の雨は止まらない。


 ガガガガガガァァァァン!!


 衝撃。


 空間が砕ける。


 結界に亀裂が走る。


「ぐっ……!」


 重い。


 圧倒的すぎる。


 終焉王は静かにこちらを見ていた。


『それが限界?』


 次の瞬間。


 一振りの黒剣が結界を貫通した。


「危ない!!」


 セリアが氷壁を展開。


 だが。


 バキィィィン!!


 氷ごと吹き飛ばされる。


「セリア!」


 ミナが駆け寄る。


 セリアは咳き込みながらも立ち上がった。


「平気……!」


 しかし腕が震えている。


 今の一撃だけで致命傷級だった。


 終焉王が静かに呟く。


『ほら』


『守れない』


「……ッ」


 レインの胸が痛む。


 かつての自分。


 全部を失った王。


 その絶望が、言葉に滲んでいた。


『君も、同じになる』


「ならない!!」


 レインは叫ぶ。


 《アークヘリオン》が激しく輝いた。


【感情共鳴】


【王権同期率:62%】


 終焉王の記憶が流れ込む。


 苦しみ。


 孤独。


 後悔。


 そして。


 誰よりも、“守りたかった想い”。


 レインは歯を食いしばる。


「お前は諦めたかもしれない」


 蒼黒の光が渦巻く。


「でも俺は違う!!」


 地面を蹴る。


 空間が爆ぜる。


 一瞬で終焉王の目前へ到達。


 《アークヘリオン》を振り抜く。


「うおおおおおおッ!!」


 終焉王も黒剣を抜いた。


 激突。


 キィィィィィィン!!


 世界が震える。


 蒼黒と漆黒の光がぶつかり合う。


 終焉王の瞳が僅かに見開かれる。


『……速い』


「まだだぁぁッ!!」


 レインは連続で剣を振るう。


 斬撃。


 斬撃。


 斬撃。


 空間ごと裂く蒼黒の嵐。


 終焉王も応戦する。


 黒い剣閃が世界を削る。


 衝突のたびに、空が崩壊していく。


 セリアが呆然と呟いた。


「……人間の戦いじゃない」


 ミナはただレインを見つめていた。


 怖い。


 なのに。


 目を離せなかった。


 その時。


 終焉王が、一瞬だけ笑った。


『楽しいな』


 黒剣が唸る。


 次の一撃。


 レインの剣が弾かれた。


「ッ!?」


 終焉王の蹴りが腹へ入る。


 ドゴォォォッ!!


「がはっ……!」


 吹き飛ぶ。


 地面を何十メートルも削りながら停止。


 肺の空気が全部抜けた。


 強い。


 桁違いだ。


『君はまだ優しすぎる』


 終焉王が静かに歩いてくる。


『守ることばかり考えてる』


「……それの何が悪い」


『悪くない』


 終焉王は答える。


『でも、それだけじゃ世界は救えない』


 その瞬間。


 終焉王の背後に、無数の人影が現れた。


 侵食体。


 黒騎士たち。


 滅んだ兵士。


 そして。


 泣いている子供たち。


『救えなかった人たちだ』


 レインの呼吸が止まる。


 終焉王は静かに言う。


『君もいずれ選ぶことになる』


『少数を切り捨て、多数を救うか』


『全てを守ろうとして、全部失うか』


 胸が締め付けられる。


 答えられない。


 その時。


「だったら!」


 ミナの声。


 全員が振り向く。


 ミナは震えながらも叫んでいた。


「一緒に悩めばいいでしょ!!」


「……え」


「一人で全部背負うから壊れるんだよ!」


 涙を浮かべながら、ミナはレインを見る。


「レインは、一人じゃないじゃん!!」


 その言葉。


 終焉王の瞳が、僅かに揺れた。


 レインも息を呑む。


 一人じゃない。


 その感覚を、終焉王はもう忘れていた。


 セリアも前へ出る。


「……私もいる」


 エルドが剣を地面へ突き立てた。


『我が王には、騎士がおります』


 ガルドも笑った。


「ガキ一人に世界なんざ背負わせるかよ」


 レインの胸が熱くなる。


 終焉王は、静かに目を閉じた。


 長い沈黙。


 やがて。


 彼は小さく笑った。


『……そっか』


 どこか嬉しそうだった。


 そして。


 終焉王は黒剣を構え直す。


『なら最後に、見せて』


 空間が震える。


 終焉王の背後に、巨大な黒い魔法陣が展開された。


【終焉権能 解放】


 赤い瞳たちが歓喜する。


『来るよ』


『来るよ』


『最後の終わりだ』


 終焉王が静かに告げた。


『これを越えられるなら』


 黒い世界が広がる。


『きっと君は、僕より先へ行ける』

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