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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第2シーズン第1章

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再会

『リユニオン計画、完了』


 ゼノスの声が響いた。


 その瞬間だった。


 世界全体を包み込むような光が広がる。


 眩しい。


 だが、不思議と目を閉じたくなるような光ではなかった。


 温かい。


 どこか懐かしい。


 長い旅の果てにようやく帰ってきたような、そんな感覚を伴う光だった。


 レインは思わず空を見上げる。


 崩壊していた空が止まっていた。


 裂け目も広がらない。


 砕けかけていた大地も、その動きを止めている。


 世界の終わりが、一瞬だけ静止したのだ。


 ゼノスの表示が次々と変化していく。


『統合作業開始』


『地下世界との接続確認』


『天界層との接続確認』


『管理者領域との接続確認』


『世界外縁部との接続確認』


『終焉領域との接続確認』


 無数の光の線が空へ伸びていく。


 地下世界から。


 天界層から。


 塔から。


 世界の外側から。


 そして原初の終焉と無限の彼方から。


 それぞれの光が一つの場所へ向かっていた。


 世界の中心。


 レインたちのいる場所へ。


「来るぞ」


 E-0が低く呟く。


 誰も返事をしなかった。


 全員が見ていたからだ。


 光が集まっていく先を。


 そして、その中心で何が起ころうとしているのかを。


 レインの身体が淡く光り始める。


「レイン!」


 ミナが声を上げる。


「大丈夫だ」


 そう答えたものの、正直なところ何が起きているのか分からない。


 痛みはない。


 苦しさもない。


 ただ、何かが流れ込んでくる。


 膨大な記憶。


 膨大な感情。


 数え切れないほどの人生。


 知らない景色。


 知らない空。


 知らない人々。


 終わった世界の記憶だった。


 それだけではない。


 地下世界で生きてきた人々の願い。


 天界層で戦い続けた者たちの想い。


 管理者たちの責任。


 原初の終焉の孤独。


 無限の彼方の空虚。


 その全てが流れ込んでくる。


 レインは膝をついた。


「ぐっ……!」


 重い。


 あまりにも重い。


 一人で抱えられる量ではない。


 だが、その瞬間。


 別の光が現れる。


 ミナだった。


 彼女の身体から伸びた光がレインへ繋がる。


「一人で抱え込まない」


 いつもの口調だった。


 まるで当たり前のことを言うように。


「半分持つ」


「半分って……」


「細かいことは気にしない」


 その直後。


 リシアの光も繋がる。


 アヤも。


 男も。


 第八席も。


 第三管理者も。


 E-0も。


 終わった世界の人々も。


 次々と光が集まってくる。


 それはまるで巨大な星座だった。


 一人一人は小さな光だ。


 だが、繋がれば夜空を埋め尽くすほど大きな輝きになる。


 その光景を見た瞬間。


 レインは理解した。


 リユニオン。


 再会。


 再統合。


 この計画の本当の意味を。


 世界を一つにすることではなかった。


 バラバラになっていた想いを繋ぎ直すことだったのだ。


 その時だった。


 無限の彼方の中心にある小さな光が急激に大きくなる。


 ドクン。


 鼓動が響く。


 ドクン。


 さらに強く。


 ドクン。


 そして。


 巨大な存在の中心から、一人の少年が現れた。


 全員が息を呑む。


 年齢は十歳ほどだろうか。


 白い髪。


 白い瞳。


 真っ白な服。


 どこか原初の終焉によく似ていた。


 だが、決定的に違う。


 その表情には感情があった。


 戸惑い。


 不安。


 そして好奇心。


 少年は周囲を見回した。


 初めて世界を見る子供のように。


「ここが……」


 静かな声。


「未来……?」


 誰も答えられなかった。


 E-マイナス1ですら目を見開いている。


「まさか……」


 銀色の瞳が震える。


「本体……」


 少年は首を傾げた。


「本体?」


 その仕草は、本当に普通の子供そのものだった。


 世界を滅ぼしてきた存在には見えない。


 むしろ迷子の子供のようだった。


 レインはゆっくり立ち上がる。


 身体はまだ光っている。


 だが、不思議と恐怖はなかった。


 少年がこちらを見る。


 二人の視線が交わる。


 しばらく沈黙が続いた。


 そして少年は言った。


「君たちが教えてくれたんだよね」


「何を?」


 レインが尋ねる。


 少年は少し考えてから答えた。


「未来」


 風が吹く。


「僕は知らなかった」


 白い瞳が揺れる。


「終わりしか知らなかったから」


 その声には後悔が混じっていた。


 数え切れないほどの世界を終わらせてきた。


 だが、それは悪意ではなかった。


 本当に知らなかったのだ。


 未来というものを。


 だから終わらせ続けた。


 終わりの先を知らないまま。


 その時。


 原初の終焉が少年の隣へ歩いていく。


 白い巨人だった身体は少しずつ縮小し、人と同じくらいの大きさになっていた。


 顔のなかった存在に、薄く輪郭が生まれている。


『私はお前の一部だった』


 静かな声。


 少年は頷く。


「うん」


『だが今は違う』


 風が吹く。


『私は知りたい』


 少年が少し笑う。


「僕も」


 二人は空を見上げた。


 その光景を見て、誰もが思った。


 終焉は消えたのではない。


 変わったのだ。


 理解によって。


 出会いによって。


 未来を知ることで。


 その時だった。


 ゼノスの表示が再び赤く変化する。


 全員の表情が引き締まる。


 何か問題が起きたのか。


 だが、表示された文字を見た瞬間。


 誰もが固まった。


『統合作業』


 一拍。


『完了率、九十九パーセント』


 静寂。


 レインが眉をひそめる。


「待て」


 嫌な予感がした。


「百パーセントじゃないのか」


 ゼノスは答えない。


 代わりに空中へ新たな文字が浮かび上がる。


『不足要素を確認』


 全員が息を呑む。


 そして。


 次の瞬間。


 そこに表示された言葉を見て、レインの心臓が止まりそうになった。


『第七席』


 世界が静まり返った。

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