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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第2シーズン第1章

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原初の終焉

 世界が震える。


 空が割れる。


 塔が軋む。


 大地が崩れる。


 そして。


 終焉因子の中心から。


 巨大な白い手が伸び続けていた。


 あまりにも異質だった。


 黒い終焉因子。


 その中から現れる白。


 まるで。


 世界の色そのものが反転している。


 ゼノスの警告音が鳴り止まない。


『危険』


『危険』


『危険』


『全記録領域を検索』


 静寂。


『該当情報なし』


 全員の顔色が変わる。


 ゼノスに情報がない。


 つまり。


 世界そのものが知らない存在。


 白い手が地面へ触れる。


 その瞬間。


 空中島の一部が消えた。


 破壊ではない。


 爆発でもない。


 消失。


 存在していた事実ごと消えた。


 誰も言葉を失う。


 男が震える声で呟く。


「なんだ……あれ……」


 E-0が答える。


「終わりだ」


 静寂。


「本当の」


 金色の瞳が揺れる。


 今まで冷静だった彼が。


 初めて恐怖している。


 それほどの存在。


 終焉因子が砕ける。


 黒い殻が剥がれ落ちる。


 そして。


 中から現れた。


 巨大な人型。


 白い身体。


 顔はない。


 目も。


 口も。


 何もない。


 ただ。


 真っ白な存在。


 なのに。


 見ているだけで理解できる。


 これは。


 終わりそのものだと。


 ゼノスが識別する。


『原初の終焉』


『全世界崩壊現象の起源』


 風が止まる。


『推定年齢』


『不明』


 静寂。


『存在時期』


『世界誕生以前』


 全員が凍り付く。


 世界より前。


 そんなもの。


 存在してはいけない。


 その時。


 E-マイナス1が苦しそうに言った。


「思い出した」


 銀色の瞳が震えている。


「そうだ……」


 静寂。


「私はこいつから逃げていたんだ」


 全員が振り向く。


 終わった世界の墓場。


 世界の外側。


 そこで生き続けていた理由。


 今ようやく判明した。


 彼は終わりを見ていたのではない。


 追われていたのだ。


 ずっと。


 ずっと。


 ずっと。


 原初の終焉が動く。


 ゆっくり。


 本当にゆっくり。


 だが。


 一歩踏み出しただけで。


 世界の一部が消える。


 空が消える。


 海が消える。


 山が消える。


 何もかもが消えていく。


 そして。


 声が響いた。


 口などないはずなのに。


 世界全体へ。


 直接。


『帰る』


 静寂。


 全員の頭へ意味が流れ込む。


『全てを』


 風が消える。


『無へ』


 その言葉を聞いた瞬間。


 終焉因子が歓喜するように震えた。


 まるで王の帰還。


 そんな光景だった。


 だが。


 ミナだけは首を傾げた。


「それ楽しい?」


 静寂。


 全員が固まる。


 E-0も。


 第八席も。


 第三管理者も。


 E-マイナス1も。


 レインですら。


 原初の終焉が止まる。


 初めて。


 完全に。


 動きを止めた。


 ミナは続ける。


「全部消したら終わりじゃん」


 静寂。


「それで何するの?」


 誰も言葉を発せない。


 だが。


 その質問は妙だった。


 強さでも。


 理屈でもない。


 もっと根本的な話。


 終わらせた後。


 どうするのか。


 数秒。


 十秒。


 さらに沈黙。


 そして。


 原初の終焉は。


 初めて答えに詰まった。


 世界そのものが震える。


 まるで。


 考えたこともなかったみたいに。


 E-マイナス1が目を見開く。


「まさか……」


 彼も気付いた。


 原初の終焉は。


 終わらせることしか考えていない。


 その先を知らない。


 存在理由そのものが。


 空っぽだった。


 その瞬間。


 レインの頭に閃きが走る。


 リユニオン計画。


 世界の外側。


 終焉因子。


 原初の終焉。


 全部が繋がる。


 そして。


 ついに気付く。


 なぜ昔の自分が。


 世界の外側へ行ったのか。


 なぜE-マイナス1と会ったのか。


 なぜリユニオン計画を残したのか。


 レインは顔を上げる。


 そして。


 震える声で言った。


「違う」


 全員が振り向く。


「この計画は」


 一拍。


「世界を救うためじゃない」


 静寂。


 風が吹く。


 崩壊する空。


 白い巨人。


 終焉因子。


 全ての中心で。


 レインは真実へ辿り着く。


「原初の終焉を救うための計画だったんだ」


 世界が静まり返った。

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