表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第2シーズン第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

192/203

世界の外側

 静寂。


 誰も言葉を発せなかった。


『世界の外側』


 設計図に浮かぶ四文字。


 それは場所の名前ですらない。


 概念だった。


 少なくとも。


 今までの常識では。


 ミナが最初に口を開く。


「どこ?」


 当然の疑問だった。


 レインも答えられない。


 第八席も。


 第三管理者も。


 誰も知らない。


 そして。


 それが異常だった。


 管理者ですら知らない場所。


 そんなものが存在するのか。


 その時。


 E-マイナス1が笑った。


「なるほど」


 全員が振り向く。


 銀色の瞳。


 終焉因子の中心に立つ男。


「最後の鍵はそこか」


 静寂。


 E-0が眉をひそめる。


「知っているのか」


 E-マイナス1は頷いた。


「もちろん」


 風が吹く。


「私がいた場所だから」


 世界が静まり返った。


 第三管理者が息を呑む。


「まさか……」


 E-マイナス1は空を見る。


 崩れ始めた空。


 割れた雲。


 消えかけた世界。


 そして。


 静かに語り始めた。


「世界の外側とは」


 一拍。


「終わった世界が流れ着く場所」


 誰も理解できない。


 だが。


 なぜか寒気がした。


 その言葉だけで。


 E-マイナス1は続ける。


「生き物も」


「文明も」


「歴史も」


 静寂。


「終われば流れていく」


 風が吹く。


「全部」


 その時。


 レインの脳裏に映像が流れる。


 知らない景色。


 無数の空。


 無数の大地。


 そして。


 崩壊した世界の残骸。


 星。


 塔。


 都市。


 文明。


 すべてが海のような場所を漂っている。


 終わった世界の墓場。


 それが。


 世界の外側だった。


 ミナが青ざめる。


「怖っ」


 非常に率直な感想だった。


 誰も否定できない。


 怖い。


 本当に。


 怖い。


 E-0が低く呟く。


「だから生き残ったのか」


 E-マイナス1は頷く。


「そう」


 静寂。


「私は消えた」


 その声には嘘がない。


「でも終わらなかった」


 銀色の瞳が揺れる。


「だからあそこへ落ちた」


 終わったはずなのに終われなかった存在。


 それがE-マイナス1。


 だから終焉因子と繋がっている。


 だから世界の終わりを知っている。


 全部が繋がった。


 その時。


 設計図が新たな情報を表示する。


『リユニオン計画』


『最終鍵保管者』


 全員が見る。


 文字がゆっくり浮かび上がる。


 そして。


 そこに記された名前に。


 全員が凍り付いた。


『E-マイナス1』


 静寂。


 ミナが固まる。


 リシアも。


 アヤも。


 第三管理者も。


 第八席も。


 そして。


 レインも。


 E-マイナス1本人が一番驚いていた。


「……は?」


 初めてだった。


 この存在が本気で動揺したのは。


 設計図は続く。


『第七席は世界の外側へ一度だけ到達した』


 静寂。


 レインの頭に激痛が走る。


 記憶。


 忘れていた記憶。


 最も深い場所。


 封印の底。


 そこから何かが浮かび上がる。


 三百年前。


 世界分割の直前。


 第七席だった自分。


 たった一度だけ。


 世界の外側へ行っていた。


 そして。


 そこで。


 E-マイナス1と会っていた。


 記憶の中のE-マイナス1は今より若い。


 終わった世界の海。


 崩壊した塔の上。


 二人は話している。


『なぜ終わらない』


 E-マイナス1が聞く。


 第七席は笑う。


『終わりたくないから』


 E-マイナス1は理解できない顔をする。


 その時と同じだ。


 今と同じ。


 何も変わっていない。


 そして。


 記憶の中の第七席は言った。


『もし未来で困ったら』


 風が吹く。


『力を貸して』


 E-マイナス1は呆れた顔をした。


『未来?』


 そして。


『そんなもの来ない』


 そう答えた。


 だが。


 第七席は笑ったままだった。


『来るよ』


 記憶が終わる。


 レインは顔を上げる。


 E-マイナス1も黙っていた。


 彼も思い出している。


 あの日の会話を。


 静寂。


 そして。


 銀色の瞳の男は。


 数百年ぶりに。


 少しだけ困った顔をした。


「……あいつ」


 風が吹く。


「そこまで先を読んでいたのか」


 終焉因子が揺れる。


 世界が崩れる。


 残り時間は減り続ける。


 それでも。


 初めて。


 終わりの象徴だった存在の心が。


 わずかに揺らぎ始めていた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ