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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

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終律剣

蒼黒の剣――《アークヘリオン》が、脈動する。


 ドクン。


 まるで生きているようだった。


 握った瞬間、レインの全身へ膨大な力が流れ込んでくる。


「ぐっ……!」


 魔力が多すぎる。


 腕が焼けるように熱い。


 だが。


 不思議と、“扱い方”は理解できた。


『その剣は』


 ゼノスの声。


 今までになく重い声だった。


『世界を終わらせた剣だ』


「……ッ!」


 レインの心臓が跳ねる。


 その瞬間。


 黒騎士が震える声で呟いた。


『王の……剣……』


 兜の奥の赤い光が揺れる。


 まるで、泣いているようだった。


 だが。


 黒月の脈動が強くなる。


 ドクン。


 ドクン。


 空から黒い霧が降り注ぎ、黒騎士の体へ吸い込まれていく。


『排除……』


 大剣が持ち上がる。


 空間が軋む。


 セリアが叫んだ。


「レイン!! 今のあれは止まらない!」


「……分かってる!」


 レインは剣を握り直す。


 怖い。


 正直、逃げたい。


 でも。


 あの騎士は、自分を守ろうとしている。


 なのに黒月に操られている。


 なら。


「止めるしかないだろ……!」


 黒騎士が消えた。


「ッ!」


 次の瞬間。


 漆黒の斬撃が迫る。


 レインは反射的に《アークヘリオン》を振るった。


 蒼黒の光。


 キィィィィン!!


 衝撃波がぶつかり合う。


 地面が吹き飛ぶ。


「ぐぅ……!」


 重い。


 今までの敵とは比較にならない。


 だが。


【戦闘同期率:44%】


 体が、剣に馴染み始めていた。


 黒騎士が再び斬撃を放つ。


 空間ごと裂く一撃。


 だが今のレインには見えていた。


【軌道解析完了】


「そこだッ!」


 レインは半歩踏み込み、剣を滑らせる。


 斬撃を受け流す。


 そのまま接近。


 蒼黒の剣を振り抜いた。


 ザシュッ!!


『……ッ!』


 黒騎士の鎧が裂ける。


 初めて、明確なダメージが入った。


 セリアが息を呑む。


「傷を……!」


 だが。


 レインの頭へ、また記憶が流れ込んだ。


 黒騎士の記憶。


 戦場。


 無数の敵。


 崩壊する空。


 そして。


 一人の王。


 玉座で血を流しながら、それでも笑っていた。


『……生きろ』


「……ッ!」


 レインは頭を押さえる。


 知らないはずなのに。


 胸が苦しい。


 黒騎士が呻く。


『王……逃げ、て……』


 その時。


 空の黒月が、強く脈打った。


 ドクン!!


 瞬間。


 黒騎士の体へ黒い紋様が広がる。


『アァァァァァァァ!!』


 絶叫。


 魔力が爆発的に膨れ上がった。


【侵食率急上昇】


【暴走段階:第二位階】


「まずい!」


 セリアが杖を構える。


 だが遅い。


 黒騎士が剣を天へ掲げた。


 すると。


 空が裂けた。


「……え」


 村人たちが絶句する。


 黒い亀裂。


 その向こう側には、“別の空”が見えていた。


 赤い月。


 崩壊した都市。


 燃える世界。


 レインの背筋が凍る。


 知っている。


 この景色を。


【過去世界との接続を確認】


 黒騎士が壊れた声で呟く。


『終わりを……繰り返すな……』


 次の瞬間。


 亀裂の向こうから、巨大な“何か”がこちらを覗いた。


 巨大な赤い瞳。


 山より大きい。


 見ただけで、本能が理解する。


 人間が見てはいけない存在だ。


 ミナが震える声を漏らす。


「……なに、あれ」


 セリアの顔が青ざめていた。


「嘘……黒月の外側が、こんなに早く……」


 巨大な瞳が、ゆっくりレインを見た。


 その瞬間。


 頭の中に声が響く。


『見つけた』


 全身が凍りつく。


 圧倒的すぎる。


 存在そのものが違う。


 そして。


 その“何か”は、笑った。


『今度こそ、壊してあげる』


 世界が、悲鳴を上げた。



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