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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第2シーズン第1章

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興味

 黒い穴の奥。


 “上”からの視線が変わった。


 さっきまでの観測とは違う。


 もっと近い。


 もっと生々しい。


 まるで珍しい玩具を見つけたみたいな、“興味”だった。


 男の顔が青ざめる。


「最悪だ……」


「一番ダメなやつだ」


 ミナが叫ぶ。


「だから何なのそれ!?」


 男は窓の外を睨んだまま答える。


「無視されるならまだいい」


「でも“上”に興味を持たれた存在は、だいたい壊れる」


 リシアが震える。


「壊れるって……」


 その瞬間。


 窓の外に、“目”が現れた。


 列車と並走している。


 巨大。


 白い。


 瞳孔がない。


 それがガラス越しにレインを見つめていた。


 ミナが悲鳴を呑み込む。


「うそ……」


 車掌が静かに告げる。


『外部観測増加』


『通常航路維持不能』


 列車が激しく揺れる。


 空間そのものが歪み始めていた。


 窓の外の景色が、現実とノイズを繰り返す。


 街。


 墓地。


 知らない空間。


 巨大な構造物。


 全部が一瞬ごとに切り替わる。


 ネアが小さく呟く。


「……航路が侵食されてる」


 レインは剣を握ったまま黙っていた。


 終律剣は半分だけ実体化している。


 黒い刃は不安定で、輪郭が揺れていた。


 ゼノスが低く告げる。


『限定解放継続中』


『ただし現在、“レイン”の境界が薄くなっています』


 ミナがレインを見る。


 そこにいる。


 なのに。


 瞬きをするたび、少しだけ“別人”に見える。


 怖かった。


 最初に森で会った頃のレインと、今のレインが重ならない。


 でも。


 だからこそ、ミナは手を離さなかった。


 その時。


 車内の顔なし乗客たちが、一斉に立ち上がる。


 ギギギ……。


 関節が軋む。


 番号03が、ノイズ混じりに呟いた。


『観測接続』


『深度上昇』


『――来る』


 直後。


 天井が裂けた。


 バキィィン!!


 白い指が車内へ突き刺さる。


 巨大な目付きの指。


 車両を掴み潰そうとする。


 リシアが叫ぶ。


「きゃああっ!!」


 男が怒鳴る。


「伏せろ!!」


 列車が軋む。


 だが。


 車掌は逃げなかった。


 顔のない車掌は、静かにその指を見上げる。


『運行妨害を確認』


『排除を開始します』


 その瞬間。


 車掌の制服の奥から、“大量の腕”が現れた。


 白い手。


 黒い手。


 機械みたいな腕。


 人間じゃない。


 ミナが完全に固まる。


「え……」


 腕が一斉に動く。


 空間に線が走る。


 次の瞬間。


 突き刺さった巨大な指が、細切れになって崩れた。


 ズシャァァッ!!


 だが血は出ない。


 代わりに、“黒い文字列”が散った。


 男が息を呑む。


「列車側も化け物かよ……」


 車掌は静かに告げる。


『乗客保護は最優先事項です』


 その瞬間。


 窓の外の巨大な目が、“笑った”。


 口はない。


 なのに確実に、笑われたと分かる。


 レインの剣が微かに震える。


 ゼノスが警告する。


『危険』


『相手は現在、レインへ強い関心を示しています』


 ミナが怒鳴る。


「だからその興味をなくしてよ!!」


 しかし。


 黒い穴の奥から、新たな“腕”が伸び始める。


 一つじゃない。


 十。


 二十。


 数えきれない。


 それら全てが、列車へ向かっていた。


 車掌が初めて沈黙する。


 そして小さく呟いた。


『……運行継続、困難』

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