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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第2シーズン第1章

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封印限界

 黒いノイズが、レインの首元から顔へ広がっていく。


 バチバチと火花みたいな音が散るたび、空間が歪んだ。


 ミナが顔を青くする。


「レイン!?」


 レインは片手で頭を押さえる。


 視界が揺れていた。


 遠くで何かが軋む音。


 いや。


 “自分自身”が軋んでいる。


 ゼノスの声が珍しく途切れない。


『存在抑制リング、限界到達』


『終律出力との衝突率上昇』


『現在のままでは――』


 ブツッ。


 ノイズ。


 そして再接続。


『――自己崩壊を確認します』


 ミナが叫ぶ。


「確認するな!!止めてよ!!」


 男は即座にレインの肩を掴む。


「リングを外すな!!」


 レインが低く唸る。


「……分かってる」


 だが次の瞬間。


 リングに亀裂が入った。


 ピシッ。


 空気が止まる。


 セリアの表情が変わる。


「まずい」


 遠くでは、“墓守”が完全に立ち上がっていた。


 建物の残骸で構成された巨体。


 その足元では番号03が膝をついている。


 まるで神へ祈るみたいに。


 リシアが震える。


「なんであっちもこっちも最悪なの……」


 墓守が動く。


 ズン。


 大地が揺れる。


 風が吹き荒れる。


 空間の裂け目みたいなものが空中へ走った。


 ミナが目を見開く。


「空間割れてない!?」


 男が叫ぶ。


「外殻接続機が共鳴してる!」


「このままだと区画そのものが開くぞ!!」


 リシアが混乱する。


「開くって何が!?」


 答えより先に。


 巨大な輪――外殻接続機が、低く唸り始めた。


 ゴォォォ……。


 壊れていたはずの装置が回転を加速する。


 その中心に、“黒い穴”が生まれる。


 ネアが小さく呟く。


「……外側」


 その瞬間。


 レインのリングが砕けた。


 パキン。


 静かな音だった。


 だが次の瞬間。


 世界が軋む。


 黒い圧力が、一気に溢れ出した。


 ミナが息を呑む。


「……っ」


 レインの存在感が戻る。


 いや。


 戻りすぎる。


 今まで抑え込まれていた“何か”が、空間へ滲み出していた。


 墓地全体が震える。


 顔なし乗客たちが、一斉にレインを見る。


 番号03がノイズ混じりに呟く。


『終律……確認』


 墓守の赤い目も、完全にレインを捉える。


 男が青ざめる。


「やばい……」


「認識された」


 レインはゆっくり立ち上がる。


 首元には、黒い痕だけが残っていた。


 剣はまだ出していない。


 それなのに。


 周囲の空間が切り裂かれるみたいに揺れている。


 ミナが小さく呟く。


「……戻った」


 セリアは静かに首を振る。


「違う」


「“戻りきってない”」


 レイン自身も気づいていた。


 体がおかしい。


 輪郭が定まらない。


 一瞬だけ、自分の手が“透ける”。


 ゼノスが低く告げる。


『存在情報欠損率上昇』


『抑制解除により、自己同一性の維持が不安定化』


 レインが眉をひそめる。


「つまり」


『あなたは現在、“レインであり続けられる保証がありません”』


 静寂。


 ミナの顔色が変わる。


「……は?」


 その時だった。


 外殻接続機の黒い穴の奥から、“何か”がこちらを見た。


 目じゃない。


 形もない。


 なのに確実に、“向こう側から観測されている”。


 墓守が膝をつく。


 顔なし乗客たちも、一斉に頭を垂れる。


 空気が凍る。


 男が震える声を漏らした。


「嘘だろ……」


「なんで“上”が直接見るんだよ……」

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