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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第3章

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終わらない固定

森はもう「変化している」のではなかった。


 変化している状態のまま、“止まっている”。


 ミナは眉をひそめる。


「え、これ……進んでるの?止まってるの?」


 セリアは短く答える。


「両方よ」


「“変化と固定が同時に成立してる”」


 リシアは森の奥を見つめる。


 選ばれなかったレインが、まだそこにいる。


 だがその存在は、はっきりとした形でも霧でもない。


「なんか……いるのにいないみたい」


 ネアは静かに頷く。


「うん」


「“存在の確定が途中で固定された”」


 レインは剣を肩に担いだまま、少しだけ息を吐く。


「めんどくせぇな、ほんと」


 ゼノスが静かに応える。


『状況分類更新』


『固定状態:不完全安定』


 ミナが叫ぶ。


「不完全安定って何!?安定してないのに安定してるの!?意味わかんない!」


 その瞬間。


 森の中で、選ばれなかったレインが一歩動く。


 その動きに、今のレインも反応する。


 だが結果は一致しない。


 同じ行動から、違う現実が生まれる。


 リシアが青ざける。


「また増えた……?」


 セリアは目を細める。


「ええ」


「“結果が分岐しないまま増殖してる”」


 ネアは静かに言う。


「うん」


「“分岐が遅延してる状態”」


 ミナが頭を抱える。


「もう言葉が全部バグみたいになってるんだけど……」


 その瞬間。


 森の空間がわずかに“重なる”。


 複数のレインが、同じ場所に重なりかける。


 だが完全には重ならない。


 少しズレたまま共存する。


 リシアが息を呑む。


「これ……同じ場所に二人いる……」


 ネアは静かに答える。


「うん」


「“現実が層になってる”」


 セリアが低く言う。


「まずいわね……もう一つの世界が上に乗り始めてる」


 ミナが叫ぶ。


「それもう重ね着じゃん!!世界でやることじゃないって!!」


 その瞬間。


 森の奥で、第三の視線の気配が一瞬だけ強くなる。


 だが今回は“決定”ではない。


 むしろ逆。


 “放置”。


 リシアが震える。


「今の……見捨てた?」


 ネアは静かに言う。


「違う」


「“評価対象から外れた”」


 ミナが顔をしかめる。


「外されたのにまだあるの?」


 セリアは静かに頷く。


「ええ」


「“観測されないけど消えない状態”」


 レインは重なった空間を見ている。


 剣を少しだけ持ち上げる。


 その瞬間、複数の現実が同時に“反応”する。


 リシアが息を呑む。


「動いただけで増えた……」


 ネアは静かに言う。


「うん」


「“行動が世界を分岐させなくなってる”」


 ミナがぼそっと言う。


「それもう何しても増えるじゃん……」


 森は静かだ。


 だがその静けさは、終わりを持たない静けさ。


 すべてが固定され、すべてが動いている。


 そしてその中心で――


 “終わらない世界”だけが残っていた。

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