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『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

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王都への誘い

「……学院?」


 レインは思わず聞き返した。


 王都。


 魔法学院。


 そんなもの、辺境村で生きてきた自分とは無縁の世界だと思っていた。


 だがセリアは真剣だった。


「あなたを放置するのは危険」


「危険って……」


「継承者の力は、誰かに狙われる」


 セリアは黒ローブの男が消えた方向を見る。


「さっきの“侵食者”みたいに」


 レインは黙る。


 確かに、あいつは自分を知っていた。


 “継承者”を探していた。


 つまり、また襲われる可能性が高い。


「学院なら、ある程度の情報がある」


 セリアが続ける。


「黒月についても、継承者についても」


「……」


 知りたい。


 自分が何なのか。


 なぜ前世の記憶があるのか。


 なぜ世界を滅ぼした記憶なんて見たのか。


 その時。


「駄目だ」


 低い声。


 ガルドだった。


「村長?」


 ガルドは険しい顔でレインを見る。


「王都は危険すぎる」


「でも……」


「お前は今、自分が何者かも分かってねぇ状態だ」


 それは正論だった。


 継承者。


 世界を壊す存在。


 そんなものが王都へ行けば、どうなるか分からない。


 だがセリアは即座に言い返す。


「だから学院が必要」


「……」


「今のまま辺境に置いても、また侵食者が来る。次は村が残る保証はない」


 空気が重くなる。


 ガルドも反論できなかった。


 今回だって、村はギリギリで生き残っただけだ。


「それに」


 セリアはレインを見つめる。


「あなた、強くなりたいんでしょ」


 レインの心臓が跳ねた。


 強く。


 なりたい。


 あの時。


 守れなかった記憶を見た。


 何もできず失った感覚が、今も胸に残っている。


 もう二度と、あんな思いはしたくない。


「……強くなれば」


 レインは小さく呟く。


「全部分かるのか」


 セリアは少し考えた後、答えた。


「少なくとも、“選ぶ力”は手に入る」


「選ぶ力?」


「壊れるか、抗うか」


 真っ直ぐな言葉だった。


 レインは静かに拳を握る。


 その時。


「ちょっと待って」


 ミナが手を上げた。


 全員が彼女を見る。


「レインが王都行くなら、私も行く」


「は?」


 レインが固まる。


 ミナは当然のように腕を組んだ。


「だって一人で行かせたら絶対無茶するじゃん」


「いや、お前な……」


「それに、楽しそうだし」


「軽く言うなよ!」


 だがミナの目は真剣だった。


「レインが危ないなら、そばにいる」


 レインは言葉に詰まる。


 昔からそうだった。


 ミナは一度決めたら曲げない。


 セリアは少しだけ目を細めた。


「あなた、戦えるの?」


「失礼だなぁ」


 ミナは短剣を回して見せる。


「これでも村じゃ結構強いんだけど?」


「昨日、三回吹き飛ばされてた」


「それ言う!?」


 珍しくセリアの口元が僅かに緩む。


 レインは少し驚いた。


 笑うんだな、と思った。


 その時。


 空から小さな黒い羽が落ちてきた。


「……?」


 セリアの表情が変わる。


「下がって!」


 次の瞬間。


 羽が地面へ刺さった。


 ドクン。


 嫌な音。


 そして。


 地面から黒い手が這い出してきた。


「ッ!?」


 村人たちが悲鳴を上げる。


 次々と。


 十。


 二十。


 三十。


 黒い人型が地面から現れる。


【侵食体を確認】


【黒月因子濃度上昇】


 レインの頭に文字が浮かぶ。


 そして。


 空の黒い月が、再び脈打った。


 ドクン。


 その瞬間。


 全ての侵食体が、一斉にレインを見た。


「――継承者」


 無数の声が重なる。


 寒気。


 殺意。


 異常な圧力。


 セリアが杖を構える。


「……もう追ってきた」


 黒い人影たちが、ゆっくり歩き出す。


 その中心。


 一際巨大な影が現れた。


 ボロボロの鎧。


 漆黒の大剣。


 顔は見えない。


 だが。


 レインの心臓が激しく脈打った。


 知っている。


 あれを。


【警告】


【高位侵食体:《黒騎士》】


 そして頭の奥で、ゼノスが低く呟いた。


『……最悪だ』

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