表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『無限転生した俺、最弱辺境村から“神殺し”へ至る〜継承スキルで世界最強になったので、滅びの運命を変えます〜』  作者: Y.M
第1章

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

10/159

蒼き解放

白銀の剣が、蒼く輝く。


 眩い光が夜を切り裂き、周囲の空気が震えた。


「なに……それ……」


 ミナが呆然と呟く。


 セリアですら目を見開いていた。


「記憶武装の……第二段階?」


 レイン自身も理解していなかった。


 ただ。


 剣が“応えている”。


 そんな感覚だけがあった。


 三首狼ケルヴァの口元では、黒い光がさらに膨れ上がっていく。


【超高密度魔力砲撃】


【着弾予測:3秒】


「ッ……!」


 逃げ切れない。


 防ぎ切れない。


 だが。


『構えろ』


 ゼノスの声。


『剣は恐怖を断つものだ』


 レインは深く息を吸う。


 不思議と、恐怖が消えていく。


 代わりに、体の奥底から熱が湧き上がった。


【戦闘記憶 同期率:31%】


 景色が変わる。


 敵の動き。


 魔力の流れ。


 全部が鮮明だった。


 三首狼が咆哮する。


 そして。


 黒い光線が放たれた。


 ゴォォォォォオオオオオオオッ!!


 夜が消し飛ぶ。


 圧倒的破壊。


 村人たちが絶望の顔をした、その瞬間。


 レインは剣を振り下ろした。


「――断てぇぇぇぇぇッ!!」


 蒼光が走る。


 一閃。


 次の瞬間。


 黒い砲撃が、真っ二つに裂けた。


「……は?」


 ガルドが固まる。


 セリアも息を呑んだ。


 災厄級魔物の最大攻撃。


 それを、“斬った”。


 裂けた砲撃が左右へ逸れ、森を吹き飛ばしていく。


 轟音。


 熱風。


 だが村は無事だった。


「グルァァァァァ!?」


 三首狼が驚愕の咆哮を上げる。


 レインは地面を蹴った。


 速い。


 今までと比較にならない。


 空気が弾ける。


「消えた!?」


 村人には見えなかった。


 次の瞬間。


 レインは三首狼の懐へ潜り込んでいた。


【弱点部位を確認】


【中央核露出率:67%】


「そこだ……!」


 三首狼の胸。


 黒い核が脈動している。


 レインは剣を構える。


 だが。


 黒ローブの男が笑った。


「甘い」


 ゾクリ、と悪寒。


 次の瞬間。


 地面から黒い腕が無数に伸びた。


「なっ!?」


 レインの足を掴む。


 動けない。


「レイン!」


 ミナが叫ぶ。


 三首狼の爪が迫る。


 避けられない。


 その時。


「《氷界展開》」


 セリアの声。


 瞬間、周囲数十メートルが凍りついた。


 空気。


 地面。


 黒い腕。


 全部。


「今!!」


「ッ!!」


 レインは力任せに黒い腕を引きちぎる。


 そして。


 蒼い剣を、全力で突き出した。


「うおおおおおおッ!!」


 剣が核へ届く。


 黒い抵抗。


 硬い。


 だが。


『貫け』


 ゼノスの声。


 レインは叫んだ。


「貫けぇぇぇぇッ!!」


 蒼光が爆発する。


 ズドォォォォォン!!


 三首狼の胸を、光が貫いた。


 一瞬、世界が静止する。


 そして。


 核が砕けた。


「グ、ァ……ァァァ……」


 三つの首が苦悶の声を漏らす。


 巨体に亀裂が走る。


 黒い霧となって崩壊を始めた。


 村人たちが息を呑む。


「倒した……?」


「災厄級を……」


 だが。


 黒ローブの男だけは笑っていた。


「素晴らしい」


 その目が狂気に染まる。


「やはりお前は特別だ、継承者」


「……お前」


 レインが睨む。


 男は黒い月を見上げた。


「黒月は近い」


 その瞬間。


 空の黒い月が、脈打った。


 ドクン。


 世界が震える。


 そして。


 レインの頭の中へ、知らない映像が流れ込んだ。


 巨大な塔。


 崩壊する大陸。


 無数の死体。


 泣いている銀髪の少女。


 そして。


 玉座に座る、“自分”。


「――ッ!?」


 激痛。


 頭が割れそうになる。


【高位記憶流入】


【精神負荷危険域】


「がぁぁぁぁッ!!」


 レインは膝をつく。


 視界が歪む。


 耳鳴り。


 その時。


 黒ローブの男が、静かに告げた。


「思い出せ」


 赤い瞳が細められる。


「お前は、一度世界を滅ぼしている」




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ