22.「忍たま乱太郎 ドクタケ忍者隊最強の軍師」~その2~
本エッセイの実質2回目で触れた本作ですが、正直アニメ映画特典商法の典型例と言ってもいいレベルでの特典商法でした。
簡単に箇条書きにしてみると
1週目:クリアカード5種ランダム
2週目:イラストカード2種ランダム
3週目:イラストカード2種ランダム(2週目とは別)
4週目:ストーリーつきイラストカード3種ランダム
5週目:ストーリーつきイラストカード3種ランダム(4週目とは別)
6週目:コマフィルム風しおり5種ランダム
7週目:コマフィルム風しおり5種ランダム(6週目とは別)
8週目:ストーリーつきイラストカード2種ランダム(4週目、5週目とは別)
9週目:1週目のクリアカード再配布
10週目:イラストカード1種
これらの他に4DX特典(イラストカード1種)
また、1館限定の特典も3回(いずれも原作者描きおろしイラストカード1種)
これだけでも相当な特典ラッシュに見えますが、これ以外にも
・舞台挨拶ライブビューイング(うち2回ぐらいはなにわ男子(元ジャニ)こみ)
・何度やったか分からん応援上映
・何度やったか分からん歴代3作同時上映
・3週連続でのスタッフトーク(何故か平日木曜のみで1館のみの開催、ライブビューイングなし)
とどめとばかりに、上映終了間近となった2025年4月には新橋演舞場を3日間使い、歴代3作同時上映を応援上映こみで開催。
この結果、興行収入はついに30億を突破。子供をメインターゲットとした映画でのランダム特典連発の是非はともかくとして、ファンと松竹の執念が実った結果と言えるでしょう。
しかし忍たま終映直後あたりから、2025年に実写邦画興行記録を塗り替えたあの「国宝」が公開され、じわじわと人気をあげいつしか社会現象に。
さらに夏には鬼滅無限城編第一章が公開され、わずか1か月で250億を稼ぐ大旋風に。
その勢いに乗じてか、チェンソーマンレゼ編もその内容の良さから反響につぐ反響を呼び、11月末には90億を超え大台の100億が見えてきた。
他にも「8番出口」や「爆弾」など、邦画実写でも話題作が相次ぎ、さらに12月には「ズートピア2」が公開されこれまた大ヒットに。
一方で「果てしなきスカーレット」がそれらの作品とは真逆の意味で話題になったりと、2025年の映画興行は最後まで波乱に満ちていました。
そんな中、忍たまは再上映もろくにせずこのまま終わるのか?と思っていましたが――
あらゆるアニメ映画が散々再上映しているのにそんなわけねぇだろ!とばかりに!!
2025年12月5日から、本作は全国で3週間限定で再上映を開始。その規模はだいたい300館超といったところ。しかも4DXなどの特殊上映あり。
ブルーレイもとっくに発売され、配信もあちこちで始まっているにも関わらずのこの規模での再上映は、相変わらずの強気松竹を感じられます。
しかも鬼滅チェンソー国宝といった面々がずっと頑張り続けている上、ズートピア2も来る上にスカーレットも(評判はどうあれ)居座っている時期だというのに、きっちり300館以上を確保してくる松竹は何だかんだで忍たまに賭けているのだなと……
そしてその内容は
・週替わりでボイスムービー(ランダム特典で出た映画後日談ストーリーに音声をつけたもの)を映画後に上映
・毎週週替わり特典を実施
(1週目:原作者による映画解説本
2週目:特製両面イラストカード
3週目:スタッフトーク収録本)
ボイスムービーとカッコよく言ってるけど、変にみみっちいことやらずにいっそ追加映像作って3週分まとめてバーンと出せばいいものを、そのへんは何で駄目だったのかと思います。というか映画のブルーレイは既に出ているのに、このボイスムービーは後から何かの媒体で収録されるんだろうか。ブルーレイ特別版とか出るのか。
しかしこんな中、注目すべきはやはり特典。
ランダム要素が……ない……!?
しかも原作者直々による解説冊子に、スタッフトーク収録本だと!??
まさかの良特典に正直びっくりしましたw ここにきてようやく質優先の冊子特典とは!!
やはり10週連続特典&うち9週ランダムは、さすがにどこかのお偉いさんのお怒りに引っかかったのか……他のアニメならともかく、忍たまはEテレで放映されている子供向け番組。N〇Kなら何言ってきてもおかしくない!?などと邪推してしまう。
もしくはやはりファンの困惑と混乱が酷かったのか。上映館数・回数がかなり限られてしまってからのランダム連発は、全くの第三者から見ても鬼畜と感じたし(しかも恐らく特典数自体も相当限られている)
ゲ謎が殆どノーランダムで良かったとどれだけほっとしたかw
そして始まった忍たま再上映。
ズートピア2も同時期に公開開始され、前述のとおり鬼滅もチェンソーも国宝も大記録突破を目指して頑張っている上、爆弾やペリリューなどの良作、呪術廻戦の先行上映といった話題作もひしめいている。少しでも「入らない」と判断されれば一気に蹴り落とされてしまう、まさに2025年興行における最大の地獄と言えたでしょう。
そんな中、いかにヒットしたといえど席数を確保するのは難しかったのか。どの劇場も忍たまの1日の上映回数は1~2回ぐらいで、再上映開始初日でもデイリー10位以内に入るのがやっとという状況でした。
着席率自体はそこまで悪くなかったと思いますが、座席数の少なさはどうしようもない。
(逆にあれほどヤバイ状況の中、どうやって果てスカはあの座席数を絞り出せていたのか……考えれば考えるほどこの点は疑問。
いわゆる「プロテクト」、つまり大作には配給会社により一定期間座席が減らされることなく守られる仕組みがあると言われていますが、果てスカへのプロテクトは各方面に悪影響しかなかったとしか思えない。
あやつは鬼滅や国宝、チェンソーの大記録を阻害した上に忍たま再上映の席まで奪っていった!と言われても仕方のない所業です。
多分この件は裏でかなり問題視されているはずだし、今後は少しずつこの仕組みも変化していくとは思いますが……)
そしてさすがに、忍たま再上映は本上映時ほどの勢いは見られませんでした。
座席数の問題やランダム特典の有無も勿論あるでしょうが、後から出てきた他の多くの作品に話題をさらわれたのもやはり痛かったかと。とはいえ鬼滅無限城編が7月に来ると分かっていた以上は、どうやっても再上映のタイミングは無限城編がいい加減弱ってきた11月以降でしか無理だったろうし、それより遅くなれば上映から1年以上が過ぎてしまいさらに話題性が薄くなる……
なので忍たま公式的には、かなりギリギリの時期を衝いた再上映だったと思います。
公式にとって予想外だったのは、鬼滅以外の作品(チェンソー、国宝、爆弾などなど)も滅茶苦茶猛威をふるっていたという点でしょうか。
本上映時にあらゆる劇場で早々と配布終了となり、阿鼻叫喚となっていた忍たまランダム特典。
しかし1週目の原作者解説冊子は豊富に刷られたのかどうなのか分かりませんが、配布終了の報告はほぼ見ないまま、2週目へ。
本来忍たまの再上映は3週間限定の予定でしたが、何故か4週目があり、4週目の特典として原作者解説冊子が再配布された模様。
ですが3週目途中の時点で、同じ松竹配給邦画「ラストマン」が12/24に公開され、クリスマスを待たずに忍たま再上映自体が終了してしまう劇場も多かったようです。き、貴重なスタッフトーク本がーー!!!となったファンがどれほどいたか(;´Д`)
というか4週目までやっていた劇場ってどこなんだ……聖地たるMOVIXあまがさき以外で(ちなみにMOVIXあまがさきでは2026/4/23にようやくフィナーレ上映。原作者解説冊子&あまがさき限定原作者描き下ろしイラストもフィナーレ直前まで絶賛配布中であった。さすがに冊子はフィナーレになると配布されなくなっていたようですが、数がなくなったのか打ち切られたのかどっちだ……)
それでも1月末の映連発表によれば、忍たまは再上映含めて33.5億を稼ぎ切ったそうで。
本上映の、新橋演舞場での3作同時上映が終了したあたりが恐らく31億前後だったであろうと考えると再上映のみの興行成績は約2.5億。
原作者冊子特典+スタッフトーク冊子特典+4DXなど特殊復活+3週連続ボイスムービーつきという推しっぷりを考えると若干物足りない気もしなくはないですが、近年まれに見る地獄の繁忙期という点を考慮すればよく頑張ったほうではないかと思います。
特典のみならずライブビューイングやら3作同時上映やらコラボやらでどれほど経費がかかったかは分かりませんが、グッズが売れてて決算でも好調とされているならいいんじゃないでしょうか(このへんはド素人ではホントに推測しか出来ない)
それにしても、冊子特典であってもランダム特典の威力に比べると弱くなるのか……と、忍たま再上映で改めて認識させられてしまった感がある。作品のファン層にもよるとは思うけども。
そりゃ国宝やら爆弾やらの実写邦画もランダム特典に手を出し始めたわけです(;´Д`)




