09 エリックはギルツハークの想い人ではなかったみたいです
「また、2人でいるのか?」
そう声がしたから顔をあげると、ギルツハークがいた。
エリックも一緒だ。
本当に仲がいい。
「ええ。どうしたら両親を説得できるか、アル様に相談にのってもらっていたんです」
そう伝えると、ギルツハークの顔色が変わった。
「あ、アル…?アルって、お前のことか?」
ギルツハークがアルベルトを指さす。
「人を指さしてはいけませんよ」とエリックがギルツハークの手をはたいた。
「そうだよ。アルとディアの仲だから。君は、君の想い人と仲良くすればいいよ」
アルベルトがそう言ってニヤニヤしている。
安心してほしい。
ギルツハークもイチャイチャしている最中だから。
「っ゛、だから、なんでそうなるんだ!」
ギルツハークが怒っている。
最近、怒りっぽいんじゃないだろうか。
勉強がうまく進んでない、とか?
「はっ!」
わかってしまった。
私がハッとしていると、ギルツハークが私を見て叫んだ。
「違うから。ディア、君は思い込みが激しすぎるところがちょっとした欠点なんだよ。…そこも…あれなんだけど」
そう言って顔を赤らめている。
何が違うというのか。
「いいのです、ギルツハーク様。そうですよね。私がもたもたしてなかなか婚約を解消できないからイライラされていたんですよね。すみません」
そうに違いない。
だからわざわざ、エリックと一緒に私がちゃんと婚約を解消するために頑張ってるか見に来たんだ。
「うん。だから、違うんだって。お前も大変だな」
エリックがギルツハークの肩を叩いた。
アルベルトはクスクス笑っている。
何かおかしなことを言ってしまっただろうか。
「あのさ、クラウディア嬢。ギルツハークの想い人ってのは誰だと思ってるの?」
エリックが私にそう尋ねてきた。
「え…?」
エリックは何を言ってるんだろう。
まさか、私に自分だと当ててほしいんだろうか。
「えっと…」
そう言って、ちらちらとエリックを見る。
エリックが、この世の終わりみたいな顔をした。
「もしかして…いや、恐ろしくて考えたくもないけど。俺がギルツハークの想い人だと思ってる?」
エリックがそう言うと、アルベルトが笑いだした。
「あはははは…いやぁ、もうちょっと、そう思わせたかったのに…あはははは」
アルベルトがそう言った。
「なっ゛!!デ、ディア!俺がエリックを…え、エリックを?」
ギルツハークがパニックを起こしている。
「クラウディア嬢…そんな恐ろしいこと考えないでよ~」
そう言って、エリックは泣いてる。
パニックになっているギルツハークが「俺は、女が好きなんだ!」と言って私を見た。
女…そうか。
エリックじゃなくて、女性の想い人がいらっしゃるのね。




