47 友達の力も借りて説得してみようと思います
何度も言うけれど、ギルツハークは私のことを心配してくれている。
それがわかっているだけに、強く言えない。
「ねえ、ギル様。その…私のことはあまり気にしなくても大丈夫ですよ。その…トイレはやはり…殿方と一緒に行くのはどうも…恥ずかしいですし」
トイレくらい1人で行けると何度行ってもついてくるから、本当に恥ずかしい。
「何があるかわからないから。君に何かあったら、俺は生きていけない」
ギルツハークが大げさにそう言った。
大げさだけど、本当にそう思ってくれていることもわかるから困る。
というわけで、アルベルトとエリックに力を借りることにした。
いつものカフェで待ち合わせて、お茶を楽しむ。
「まったく。ようやく本音で話せるようになったと思ったら、今度は束縛野郎になっちゃったの?」
アルベルトがため息をつく。
「まあ、ギルツハークのクラウディア嬢に対する思いは、ちょっとアレだったしね」
エリックがやる気なさそうにそう言った。
「そ、束縛って。俺は、ディアを心配しているだけだよ」
ギルツハークがアルベルトにそう言った。
「でも、クラウディアの友達も寄せ付けないんだろ?それではクラウディアが可哀想じゃないか」
アルベルトがキャラメルマキアートを飲む。
「別に、寄せ付けてないわけじゃない。俺がいるから安心してディアを任せてくれているんだ」
ギルツハークはそう思っているらしい。
「あのね。か弱い女性が、睨みつけてくる男性を押しのけてまで友達と話せるわけがないだろ?」
エリックが「ギルツハークは黙ってると圧があるんだよ」と付け加えた。
確かに、そうかも。
ギルツハークの本心を知るまでは、私もギルツハークに嫌われていると思っていたくらいだ。
黙っていると、怖いと感じるかもしれない。
「そもそも、ギルツハークはクラウディア以外の女性を女性と思ってないんだ。どうせ、男を睨むのと同じ感じで睨んでるんだろ?」
アルベルトがからかうように言った。
「そんなことはない。女性は女性として見ているが、俺にとって大切なのはディアだけなんだ」
そう言って、ギルツハークが私の手を取った。
ダメだ。
アルベルトとエリックでも、説得できそうにない。
「ギル様。…私、ギル様に大切にしていただいていることはわかってるんです。でも、私もひとりの時間がほしいし、ギル様以外の方とお話する時間を作りたいんです」
私がそう伝えると、ギルツハークが首を傾げた。




