46 ギルツハークが過保護になってしまいました
ギルツハークは、両親より怒ってくれた。
ギルツハークの両親も、怒ってくれた。
嫌がらせにしても、質が悪いと。
学園にも抗議をしてくれたけど、犯人捜しまではしないでほしいと私からお願いした。
おそらく、嫌がらせをした人も、人達も、私が死にそうになるとは思わなかったんだろう。
あの件があってから、ぴたりと嫌がらせはなくなった。
もしかしたら、小さな嫌がらせをしていた人とレポートを隠した人は別人で、小さな嫌がらせをすることで、私を殺しかけた人だと疑われたくないのかもしれない。
なににしても、嫌がらせはなくなったのだ。
学園側は生徒に注意をしてくれると言ってくれたし、危険がないように配慮もすると約束してくれた。
それで、十分だ。
私はそれで十分だったのだけど、ギルツハークの怒りはおさまらなくて。
最終的に、なぜか、どういうわけか。
私とギルツハークが同じクラスになった。
学年の途中でクラス替えなんて異例だ。
そこまでする必要はないと伝えたのだけれど。
「じゃあ、しっかり犯人を見つけて訴える。それが嫌なら、俺にディアを守らせてほしい」
そう言われてしまった。
ギルツハークは、古風なところがある。
一度言い出したら、考えを曲げないのをよく知っている。
「…わかりました。ギル様に、護衛をお願いします」
結局、私が折れる。
以前だったら、ギルツハークが「わかればいいよ」と言ってフイっとそっぽを向いて終わりだった。
でも今は「よかった」と言って、私の手をとって微笑んでくれる。
私とギルツハークの関係は、以前よりずっとよくなったんだと実感した。
ギルツハークが同じクラスになったことで、ギルツハークの私への態度の違いをクラス全員も確認することとなった。
「ダメだよ。窓際に立ったら危ないから」
「教科書なんて重たいものを持ったらダメじゃないか」
「トイレに行くときも、俺がついていくから」
私がやろうとすることに、いちいち反応してくる。
そして、四六時中、べったり。
かなり過保護であることも、伝わってしまうことになってしまった。
「ディア!ディアっ!どこに行ってたんだ!」
教室からひとりで出ようものなら、すごい勢いで探しに来る。
「先生に呼ばれて、職員室に行っていただけですよ」
そう伝えても「俺も行くから、声をかけてね」と言われてしまった。
心配してくれているのはわかる。
でも、心配しすぎだ。
嫌がらせをしてくる人も、嫌味を言ってくる人もいなくなったけど、友達も近寄れなくなってしまった。




