38 ギルツハークからの告白を受け止めきれません
とても驚いたことに、ギルツハークは私が好きらしい。
「…ということなの。どうしましょう」
混乱した私は、アルベルトに相談していた。
「どうしましょうって、ディアはギルツハークのことが好きなんだろ?両想いでよかったじゃん」
そう言われて、なるほどと思う。
アルベルトをまっすぐに見る。
「…なに?」
アルベルトが私が深刻な話をしようとしているのを察してくれた。
「…ギルツハーク様のことは好きです。でも、ギルバート様が私を好きだということを、信じられないんです」
ギルツハークから直接、好きだと言ってもらったのに、私はその言葉を信じられないでいる。
「どうしてか聞いていい?」
アルベルトは私を責めるでもなく、話を聞く体勢をつくってくれた。
誰かに聞いてもらいたいと思っていたから、全部吐き出してしまおうと思った。
「ギルバート様は、いつから私のことを好きになったんでしょう?婚約していたときは、私の顔も見たくないというふうだったのに。だから、思ってしまったんです」
そこまで話して、ふうっと息を吐く。
アルベルトは相槌も打たず、じっと私の話を聞いてくれた。
「『自分のもの』だったものが、突然そうではなくなって、おしくなったんじゃないかって。私が好きなわけではないのではないでしょうか。あるでしょ?そういうこと」
私がそう言うと、アルベルトは「なるほど」と言った。
「まあ、なんていうか。ギルツハークの自業自得なところはあるけど」
そう言って、アルベルトが頭を掻いている。
「ディアは、ギルツハークのことが好きなんだよね。信じてあげたら?」
そう言われて、胸が痛んだ。
アルベルトの言うとおりだ。
ギルツハークのことが好きなのに、ギルツハークのことを信じられない。
そんな私が、婚約していたときは冷たい態度だったくせにと責めるのは間違っている。
そんなの、わかってる。
「それでも…怖いんです。好きになって、好きだと伝えて、また、冷たい態度に戻ってしまったらと思うと…怖くて…」
気がついたら、ポロポロと涙がこぼれていた。
アルベルトが驚いて、あたふたしている。
「あ、ごめん。え?…いやあ、困ったな。俺が泣かせてるみたいになってるから。泣かないで…」
アルベルトが私にハンカチーフを渡してくれた。
アルベルトの前で泣きたかったわけじゃないのに、どうしても涙が止まらなくて困ってしまった。




