37 突然の告白に驚きです
落とし物を偶然拾ってもらおう作戦。
簡単にいくと思っていたのに、意外と難しい。
落とし物といえば、ハンカチーフ。
そう思って、何度か落としてみたけど、誰も拾ってくれない。
もしかしたら私は、全世界の人から嫌われてるんじゃないかしら。
そんなことを考えて、ハンカチーフを落として運命の人に出会う作戦は諦めることにした。
「ふう」とため息をついて噴水のそばのベンチに座る。
ギルツハークと待ち合わせた噴水。
…あの日は楽しかったな。
これからどうしようかなと考えていたら、またハンカチーフが落ちてしまった。
もう落ちなくていいのに。
拾おうとして、誰かが落ちたハンカチーフを拾ってくれた。
ドキッとする。
これはもしや、運命の…
パッと顔をあげたら、そこにいたのはギルツハークだった。
期待してしまっただけに、がっかりする。
がっかりした私を見たギルツハークもがっかりしているようだ。
もしかしたら、ギルツハークも運命の人を探しに来たのかもしれない。
「…ここに、ディアがいるって聞いてきたんだけど。その…写真展、やっぱり行かない?」
そう言われて、誘われていたことを思い出した。
「そういうのは、想い人と行ってください」
いつもなら、もう少し言い方に気を付ける。
でも今日は、がっかりしているからこれで許してほしい。
「その、ディアが言ってる想い人なんだけど。それ…ディアなんだ」
ギルツハークがそう言った。
「ん……?」
一瞬、頭が混乱した。
ギルツハークの想い人が、ディア。
ディアって私のこと?
「…ディア様という方が、いらっしゃるんですか?」
「そうじゃなくて、ディア、クラウディアなんだって」
ギルツハークにそう言われて、ますますわからなくなる。
「私が…想い人?」
ギルツハークを見る。
ギルツハークが真っ赤になって一度顔を背けて、思い直したように私をまっすぐに見た。
「俺が好きなのは、クラウディアなんだ」
ずっと言われたいと思っていた言葉なのに、全然、頭に入ってこない。
じっとギルツハークを見る。
ギルツハークが、困っている。
私が何も言わないから、かな。
「…ありがとうございます」
ようやく口から出てきたのは、そんな言葉だった。
「え?…ありがとうございます?そ、それは、どういう…」
ギルツハークは、私が違うことを言うと思っていたのだろう。
とても戸惑っている。
「すみません。私…ギルツハーク様に嫌われていると思っていたので…少し、考えさせてください」
私はというと、頭の中がパニック状態だった。




