33 アルベルトが不思議な質問をしてきます
きのうのはなんだったんだろう。
まるで、デートみたいだった。
「きのうのデートはどうだった?」
アルベルトがそう後ろから声を掛けてきた。
「テ?!…デートではありません。お礼に…お食事をご一緒しただけで」
デートみたいだったけど。
「ギルツハーク様は、想い人のためにアクセサリーも買われていたし…」
私が1度も贈られることがなかったプレゼントを、どこかの誰かは貰うんだなと思ったら悲しくなった。
「…つまり、ディアは。ギルツハークのことが好きなんじゃない?」
アルベルトにそう言われて、きょとんとする。
「私がギルツハーク様を?…ええ、幼馴染ですもの」
私がそう答えると、アルベルトが「うん」と頷いた。
「そうだよね。ディアとギルツハークは幼馴染。だけど、それだけ?俺に対する気持ちとギルツハークに対する気持ちって一緒?」
アルベルトが何を言っているのかわからない。
「アルベルト様はお友達で、ギルツハーク様は幼馴染だもの。一緒ではないわ?」
「お友達と幼馴染はね、大きなくくりで一緒なの。どこまでいっても、オトモダチ。ディアにとって、ギルツハークは本当に、友達?幼馴染というだけの存在?」
珍しく、アルベルトが食い下がってくる。
でも、ここまで言われたら、さすがの私だってわかる。
アルベルトは私が男性としてギルツハークが好きだと言わせたいんだ。
でもね、それは…私が可哀想。
だって、ギルツハークには私以外に想い人がいるんだもの。
プレゼントを贈ってもらえる想い人が。
だからせめて、強がりたい。
「ギルツハーク様は、大切な幼馴染ですよ」
これが、精一杯の強がり。
好きな人に好きって言ってもらえない、可哀想な私を、アルベルトに気づかれたくない。
「…そっか。俺の勘違いだったね。でも、ギルツハークはどうかな。どう思っているか聞いたことある?」
アルベルトにそう言われて首を傾げる。
「…以前は、婚約者だと思っていると言われました」
どう思っているのかと聞いたことはないけど「君は婚約者だから」とはよく言われていた気がする。
親が決めた婚約者だから。
「話題を変えよう!」
アルベルトが突然そう言った。
どうしたのかしら?
「ディアはさ、デートするなら、どこに行きたい?」
アルベルトが突然そんなことを言うから、目を丸くしてしまった。
デートという言葉を聞いて、きのうのイルミネーションを思い出した。
ああいうのがいい。
とくに、これっていうのじゃなくて。
ただ2人で一緒に同じものを見て、同じものを「綺麗だね」って言えたら、それでいい。




