30 ギルツハークに食べたいものを聞いてみました
アルベルトがそう言うから、ギルツハークに直接聞いてみることにした。
アルベルトがギルツハートをカフェに連れてきてしまったから、というのもある。
「え?…ディアが俺に食事を…奢ってくれる、の?」
ギルツハークが困っている。
「いや…それはどうかな。ディアに奢ってもらうのはちょっと」
ギルツハークがそう言うと、アルベルトがギルツハークを叩く。
「ここは、おとなしく奢られておきなよ。それより、何が食べたいの?」
アルベルトがギルツハークに尋ねた。
よく考えると、ギルツハークと好きな食べ物の話なんかしたことがない。
何が好きなんだろう?
「…え、あぁ。ディアは、何が食べたい?」
ギルツハークにそう尋ねられて首を傾げた。
「ディアが食べたいものを、食べたい」
ギルツハークがそう言って、顔を赤くした。
なぜ、そこで赤くなるのかは謎だ。
「…えっと、私は。カニクリームコロッケ…なんですけど。ギルツハーク様はお好きではないですよね」
困ったように私が言うと、ギルツハークは「それが食べたい」と言った。
「じゃあ、カニクリームコロッケの美味しいお店をディアが探して、ギルツハークがご馳走すればいいじゃないか」
アルベルトがそう言うとギルツハークは「そうしよう」と言う。
なんだか、最初の話とは違う気がするけど、まあいいか。
そんなわけで、お店を探すことになったわけだけど。
もともと外に出ることがなかったから、お店のことなんかよく知らない。
困っていたら、アルベルトが相談に乗ってくれた。
「ここのお店がいいよ。あ、俺が予約しといてあげる。で、帰りはここに寄って帰ってくるといいよ」
アルベルトがお店に行く前から帰るところまで決めてくれた。
「…ありがとう。なんか、全部決めてもらっちゃって」
私、何もしてない。
「いいよ。ギルツハークに恩を売っておきたいから」
「恩…?」
アルベルトが変なことを言うから聞き返したら「なんでもない」とはぐらかされた。
そんなわけで、アルベルトに決めてもらったコースで、ギルツハークと食事に行くことにした。
待ち合わせは、噴水前。
…なんだかデートみたいだ。




