03 私も新しい恋を探さなくてはいけません
順調に、養子縁組制度については調べることができている。
男性同士のパートナーであっても、経済力や家庭環境がよければ養子縁組できるようだ。
ギルツハークのほうは、きっと大丈夫。
次の問題は、私に相手がいないことだ。
ギルツハークと婚約してから、男友達すらいなかった。
それが淑女として当然だと思っていたから。
思い返せば、ギルツハークの結婚相手として完璧になることしか考えてこなかった。
料理も裁縫も、化粧も洋服選びも全部。
ギルツハークが喜びそうなものを選んでいた気がする。
「私の好きなタイプ…か」
ぼんやりと教室から窓の外を見た。
どんな男性が好きかと言われれば、やっぱりギルツハークみたいなタイプになってしまう。
頼りがいがあって、男らしくて、銀色の髪が綺麗で、肌も綺麗で。
何にでも一生懸命で、負けず嫌いで、ときどき頑固で。
こっそり、チョコレートを食べて嬉しそうな顔をするところ。
…って、それはギルツハークのことだ。
私のタイプ、タイプ…
あらためて考えると、私に好きな男性のタイプがない。
がっかりする。
どうしよう…恋愛って、どうやってするんだっけ?
相手の見つけ方がわからない。
きょろきょろと教室を見回してみる。
って、ちょっと探したくらいで好きな人って見つかるものなんだろうか?
本当はカフェとかで開催される交流会に参加したほうがいいんだろうけど、私にはまだ早い気がする。
マズイ!
私の相手が見つからないと、完璧な円満婚約解消ができない…
お互いに好きな人ができたから婚約解消…これこそが、目指すべき円満婚約解消なのに。
「…あ、そういえば」
思い出して、図書室へ急ぐ。
図書室のドアを開けて、右側の壁に大きなポスターが貼ってある。
『本を読んで会話を楽しむ会』
誰でも参加できるこの会は、男女の出会いの場としても知られている。
「まずは、これに参加してみましょう」
本を読むのは嫌いじゃない。
…大好きでもないけど。
とりあえず、1歩前進してみよう。




