26 突然の体調不良でエドワードに迷惑をかけてしまいました
男性はエドワードというらしい。
聞いたことがない学園の聞いたことがない学科に在籍しているらしい。
「すみません。世間のことには疎くて」
明るいものは何もないけど。
「いやいや。そんなたいした学園でもないから。あはははは…」
たぶん、私が知らないだけで、たいした学園なんだろう。
エドワードの笑いが乾いている。
「エドワード様は、婚約者はいらっしゃるんですか?」
ここに来た目的は、新しい恋を探すこと。
婚約者がいる方と恋はできないから、まずは聞いておかないと。
「え?…それは、俺のこと、気になってるってこと?」
エドワードがそう言った。
女の勘が言ってる。
この人、やめたほうがいい。
「いえ。いらっしゃるのかなって、世間話です」
これ以上、この人と話していても仕方がないみたいだ。
「では、私もそろそろ帰ります」
そう言って立ち上がろうとして、くらっとした。
「おや?酔っちゃいました?」
エドワードがそう言って、私の体を支える。
酔うわけはない。
お酒は飲んでいないもの。
「いえ…立ち眩み…?お天気頭痛かも…?」
お酒も飲んでいないのに、頭がぐるぐるする。
「…すみません。家に連絡を。あ、えっと…」
だんだん頭の回転が鈍くなって、考えがまとまらなくなってきた。
「大変だね。少し、休もうか。近くにゆっくりできる場所があるから」
そう言って歩かされる。
できることなら、ここにじっとしていたい。
動かされると体がつらい。
そう伝えたいけど、もう声も出せなくなっていた。
これはあれかも。
貧血。
こんなところで貧血になってしまうなんて。
エドワードにも迷惑をかけて申し訳ないわ。
そう思っているのに、どうしても体が言うことをきいてくれなかった。
建物から出ようとしている。
私の荷物はどうするのかしら。
呼び止められているけれど、エドワードが「後から取りにくるから」と伝えているようだ。
「もうすぐ、2人きりでゆっくりできる場所につくからね」
エドワードが私の体を支えながらそう言った。
どこに連れて行ってくれるんだろう。
きっと親切で言ってくれているんだろうと思う。
それなのに、このままついていってはいけないような気がしている。
なんとか自分で体を支えることができれば、声が出せれば、介抱を断ることができるのに。
そうこうしているうちに、どこかの建物の前に来た。
「ここで、ゆっくりできるから」
そう言われて、少しホッとしてしまったのかもしれない。
瞼が重くて、目を閉じてしまった。




