23 言われた通りにしてみたのになぜ?
「よう、ギルツハーク!」
そう言って近づいてきたのは、アルベルトだった。
見たくない顔だ。
「あからさまに嫌な顔するなって。俺が相談相手になろうって言ってるんだから」
そう言われて話を聞くことにした。
アルベルトがディアに近づいたのは、お金のためらしい。
本当はディアと結婚して婿におさまりたかったらしいが。
「あのお嬢様、天然すぎるだろ。俺は商才がない、お嬢さんは天然。これじゃすぐ家が潰れる」
そう言って苦笑してる。
天然だとこいつに言われると頭にくるが、まあ…天然だとは思う。
でも、そこも可愛いじゃないか。
天使じゃないか。
女神じゃないか…いや美の最高神…
「おい、戻ってこい」
アルベルトのその言葉で戻される。
「だから、お前の隣の席のフレイアを紹介してくれるんだったら、2人の仲を取り持ってやろうって話」
そう言ってきた。
隣の席のフレイア?
誰だっけ。
ディア以外に興味がない。
「ああ、まあ、紹介するくらいならいいぞ」
誰だか知らんが、隣の席のやつをこいつに会わせればいいんだろう。
「よし、じゃあまずは、ディアと会話を楽しもう」
アルベルトが無理難題を押しつけてきた。
「ギルツハーク、お前はディアとどんな話をしたか覚えているか?」
そう言われて、思考を巡らせる。
「…明日の1限目は数学ですね、だったか」
最近話したのはたしかそれだ。
「そういう事務連絡じゃなくて、何が美味しかったとか、どこに行きたいとか」
そう言われて、そんな話はしたことがないと伝えた。
「まずはあれだ。ディアを笑わせよう。楽しい話をするんだよ」
アルベルトにそう言われて、なるほどと思った。
そういえばディアから婚約を解消されたとき、楽しくもないのに笑うことに疲れてしまったと言われた。
楽しませればいいのか!
「そうか、なるほど!さすがわアルベルトだ。で、何を話したら楽しいんだ?」
アルベルトに聞いてみたけど「それは自分で考えろ」と言われてしまった。
だから仕方なく、エリックに人を楽しませるにはどうしたらいいか聞いたのだ。
「まあ、ギャグでも言っとけばいいんじゃない?」
エリックがそう言うから、ギャグというのを聞いて、メモして、ディアに言ってみたのだけれど。
楽しませるどころか、心配させてしまったみたいだった。
なにがいけなかったのか、さっぱりわからない。
ともかく、次の作戦を考えないと。




