22 私だって幸せになる権利があるはずです
「やあ、さっき…ギルツハークと一緒にいなかった」
「ええ。…どうもギルツハーク様、命を狙われているようなんです」
私がそう言うと、アルベルトはびっくりしていた。
私もビックリしたからわかる。
「どうしてそうなったの?」
アルベルトに尋ねられたので、ギルツハークと話したことを説明した。
「つまりこういうことだわ。布団を誰かに吹っ飛ばされて、それで誰かに助けを求める電話をしたんです」
私がそう力説すると、アルベルトがため息をついた。
「それ、たぶんギャグだから。心配しなくていいよ」
そう言われてしまった。
ギャグ…ギャング?
「ギャングなんて、ダメじゃないですか」
どうして、アルベルトはこうも冷静なんだろう。
「ギャグでもギャングでもいいじゃん。…そんなにギルツハークのことが心配なの?」
アルベルトに言われて、少し冷静になる。
「…まあ、幼馴染であることは変わりありませんから」
婚約者ではなくなったけど。
「ギルツハークが他の人と結婚したらディアは誰の心配をするのさ」
アルベルトが私の前に座って、脚を組んだ。
誰…誰だろう?
「つまりさ…」
アルベルトが何かを言おうとしたのを見て、ハッとした。
「わかりました!」
そう言うと、アルベルトが私の言葉を遮る。
「待った。まず、俺から話をさせて。ディアは思い込みが激しいから」
そう言われて、一旦、席に座りなおす。
「つまりさ、ギルツハークのことがそれほど心配ってことは、ディアにとってギルツハークは特別な人なんじゃないかってこと」
アルベルトにそう言われて、きょとんとする。
「ええ。ギルツハーク様は幼馴染ですもの。特別な人ですよ」
そう伝えると、アルベルトは崩れ落ちた。
何か変なことを言ってしまったかしら。
「で、ディアは何がわかったの?」
そうアルベルトに言われて、コホンと咳をする。
よくぞ聞いてくれました。
「ギルツハーク様のことばかりを考えていましたが、私だって幸せになる権利がありますものね。やっぱり、私、好きな人を探すことにします!」
そう宣言した。
アルベルトが複雑そうな顔をする。
「ここで宣言されてる時点で、俺は論外ってこどだよな」
そう言って泣いている。
「まあ。アルは最初から私のこと、好きじゃないじゃないですか」
そう伝えると「なんだ、バレてたんだ」と言われた。
「そりゃあ、私も女の子ですから。でも、アルとはいいお友達ですよ」
そう伝えて笑った。




