17 こんなはずではなかったのに、何がどうなってる?
「ギルツハーク様、婚約を解消いたしましょう」
ディアにそう言われて、混乱した。
まさか、本気なのか?
俺はただ、君を大切に思っていただけなのに、何がどうして…
教室の席に戻って力なく座ると、エリックが話しかけてきた。
「クラウディア嬢、なんだって?」
一応、心配してくれているのか。
「婚約を、解消された…」
それを伝えるだけでいっぱいだった。
翌日からは、事態は悪化していた。
なぜか、俺が悪者になっている。
どういうことなんだ…ディアのためにしてきたことが全て裏目に出ている。
「まあ、普通の反応だよ、これが。すっかり悪者になったよね、ギルツハーク」
エリックはそう言った。
「いやだって、男は寡黙で、背中で語るものだろ?」
「それ、いつの時代の話だよ…じゃあなんで、デートに出かけなかったんだよ」
エリックにそう言われて、少し口ごもる。
「それはだって…あんな可愛い、天使みたいな子が町を歩いてみろ!どこの馬の骨ともわからない有象無象のやからに声をかけられるかもしれない…いや、そんな奴らの視界に入るだけで許せん!」
そう、熱く語ってしまった。
「お前さ、ほんとそれ、そのまんまでクラウディア嬢と話したほうがいいって」
エリックにそう言われて、座る。
「俺だって普通に話したい。でも、ディアの前だと何を話したらいいかわからない。つまらないと思われたら…嫌だし」
そう言うと、エリックがため息をついた。
「じゃあ、プレゼントは?」
「ディアが俺にプレゼントを贈りたいって言うから。ディアにお金を出させるなんて嫌だったから…つい…」
「ついじゃないよ。誕生日にも花束だけしか贈ってなかったんだろ?」
「指輪は、結婚するときに渡したかったんだよ…」
ぽそっと伝える。
エリックが「ん?」と首をひねった。
「じゃあ、ネックレスでも贈ればよかったじゃないか」
そう言われた。
ネックレス…とは?
「お前、本当にアクセサリーに興味ないのな。クラウディア嬢もたまにしてるだろ。首の…」
エリックが首を指さす。
ディアの首。
たしかにときどき、何かをつけていた。
「あれもアクセサリーなのか?…というか、あれは男が買ってもいいのか?」
「だから、お前のその感覚は誰からのなんだよ」
エリックがあきれている。
「なんで、もっと早く教えてくれないんだ…」
ディアとの婚約を解消させられてしまった。
俺は…どうしたらいいんだ。




