15 プレゼントをもらえない理由も今なら理解できます
「ディア…そうじゃないんだ」
ギルツハークがそう言って顔を青くしている。
図星をついてしまっただろうか。
「プレゼントをいただけなかった理由も、今ならわかりますから、ご安心ください」
わざわざ言うことでもないけれど、これはけじめだ。
「好きでもない私なんかのために、お金も労力も使いたくなかったんですよね。花束をご用意するのも大変だったと思います。ご面倒をおかけして申し訳ありませんでした」
そう言って、ギルツハークの前に行く。
「でも、もう、ケーキもプレゼントも必要ありません。クリスマスも誕生日も、どうか想い人さんとご一緒に楽しんでください。これまで、ありがとうございました」
そう言って頭を下げた。
すると、ギルツハークがぷるぷると震え始めた。
どうしたんだろうと頭をあげると、ギルツハークが私の肩に手を置いた。
「ディア、俺に…君が思うような想い人はいないんだよ」
そう言われてしまった。
「え?…想い人は、いないのですか?」
また、私の予想は外れたようだ。
でも、ギルツハークに想い人がいないなら、どうして私と婚約を解消したいなんて言ったのかしら。
そう考えて、はっとした。
「…ディア?何を考えてるの?お願いだから、ひとりで考えないで、お、俺に聞いてくれないか?」
ギルツハークがそう言った。
「私、わかってしまいましたわ」
そう言うと、ギルツハークの顔が引きつった。
「ギルツハーク様は、ただ、私のことが嫌いだったんですね」
そう言うと、ギルツハークはポカンとした顔をした。
当然だけど、否定もしてくださらない。
泣いてはいけない。
婚約者の前では、常に笑顔でと言われているもの。
でも、こんな時でも私は、微笑んでいなければいけないのかしら?
「ちょっと待とうか、ディア。ギルツハークの話も聞いたほうがいいよ」
アルベルトがそう言ってくれたけど、ギルツハークが声を発することはなかった。
それからアルベルトとギルツハークに挨拶をして、家に帰る。
家に帰って、部屋でひとり、じっくり考えた。
考えて、考えて、両親と話すことにする。
その日は一晩かけて、両親を説得した。




