作戦会議
「まず、作戦の説明の前に里の状況から話そう。」
「お願いします。」
「うん。ルパートさん達が捕まった後、私も含めて里の重鎮達がマーレインの命によって招集された。マーレインは重鎮達に父が亡くなった事を伝えると、自分が里長の座を引き継ぐと言い始めた。しかし、それに全員賛同するはずもなく重鎮からの批判が起きた。」
「そうだろうな。」
「そんなマーレインは、言う事を聞かず批判してくる重鎮を見せしめとして一人ずつ殺し始めた。だが、手を下したのは奴ではなかった・・モドックが現れたんだ。あいつは、マーレインの手下だった。」
「・・・。」
この時点で既に腹立たしい。
奴は完全に独裁者の動きをしている。
しかも、モドックと手を組んでいたときた。
姑息で汚いにも程が過ぎる。
「その瞬間に分かった、父を殺したのはマーレインだと。」
「それで、その後はどうなったの?」
アリアは冷静にマーサの話に耳を傾けている。
「その後は、もう早かった。重鎮達は怯える始末で、黙って奴に従い始めた。更に、マーレインは魔法を使って里にいる地龍を操り始めた。」
「里にいるドラゴンと言う事は、ハウドラゴンも?」
「そうだ。皆、狂暴になっている。突然の事に民も大混乱だ。」
「里の人達は今どうしているんですか?」
「里の民も怯えて暮らしている。奴は、ウズタマちゃんに自分は選ばれたと言う嘘を民に言いふらかした。里長に選ばれた事を理由にして強制的な税金を課せ始めてやりたい放題だ。」
「あの野郎、ウズタマも利用しているのか・・ゲス野郎が。」
一連の流れを聞いて怒りに滲んだ言葉がティームの口から零れる。
「里の掟は皆知っているが、受け入れるはずもなく騒動はあった。ただ、抵抗する里の民やドラゴンライダーは見せしめとして殺されていった。」
「それで難を逃れたドラゴンライダー達が、ここに集まっているという事か。」
「もちろん、私も彼らと一緒に抵抗しようと思った。だが、モドックに加えて白蛇派がマーレイン側にいたため下手に身動きが出来なかった。」
「白蛇派?」
「さっき話そうとしたのがコレについてだ。この里のドラゴンライダーは、里長を筆頭として下に黒蜥蜴派と白蛇派と呼ばれる二部隊で別れている。黒蜥蜴派は、そこのバウアーが管轄している。」
名前を呼ばれたバウアーはガッツポーズをしている。
やはり、只者ではなかった様だ。
「白蛇派は、マーレインが管轄している部隊。現状、マーレイン率いる白蛇派が里を牛耳っている状態だ。市場、階層、どこにいても奴らが目を見張っている。」
「完全な独裁状態だな・・。そういえば気になっていたんだが、ドラゴンライダーのドラゴン達はどこに?中間層で別れてから見ていない。」
「ここでやっと作戦だ。ガオも含めて私達ドラゴンライダーの相棒であるドラゴンは、ライダーを里に降ろしたら外に出ている。里から呼ぶ時は、中間層にあるドラゴンの笛を吹かないと来てくれないんだ。」
「なるほど・・という事は、中間層まで向かってドラゴン達を呼びだして・・って事か。」
「その通り!題して、ドラゴン暴走混乱作戦!」
少々脳筋的な作戦と作戦名ではあるが理には適っている。
「ただ、間違いなく上層の守りは堅くなっているはず。そこで、だ。」
マーサは右手を前に出してピースサインをする。
一瞬、ルパート達は何を意味しているか分からなかったが、話を聞いて直ぐに理解する事が出来た。
それは、誰もが思い浮かべるであろう王道的な戦術であった。
お読みいただき、ありがとうございました!
次回、作戦決行となります!果たしてどうなるか…?
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