脱走
「バウアーさん!どうしてここに・・。」
「詳しい話は後で!今はここから脱出しましょう!」
そう言うと、バウアーは服から鍵を取り出しルパート達のいる牢屋の鍵を開ける。
「ついてきてください!マーサが待っています!」
「マーサさんが・・?」
「はい!行きましょう!」
牢屋から出て言われるがままにバウアーの後を追うルパート達。
階段を駆け上り牢屋がある空間から脱出をする。
途中で武装した人間が複数人倒れているのを見かける。
全員、体格が大きい。
「彼らは、ルパートさん達を脱出させるのに邪魔なのでコレで倒しておきました。」
バウアーは片手で拳を握りしめて見せてくる。
「魔法を使ったんですか?」
「まさか!魔法は得意じゃないんです!」
「こ、拳だけで倒したのかよ・・凄いな・・。」
ティームが思わず驚きを口にする。
どうすれば自分より一回り大きい人間を魔法なしで複数人倒せたのか。
サラッと発言した内容に一同驚きの表情を見せる。
バウアーの実力が垣間見えた。
「よし、こっちです!」
少し進んで行くと扉が見えた。
バウアーが扉を開けると外に出た。
天気は曇り空であり暗がりが目立つ。
周囲を見渡すと初めて見る場所であった。
日中に出歩いた市場がある場所ではない。
人が住んでいる様な家屋は無く、代わりにあるのはボロボロとなっている家屋があった。
「ここは・・?」
「ここは、里の一番最下層に位置しており出入口のある中間層とは反対の場所にあります。」
(反対という事は、日中は正面にいたから見えなかったのか。)
「この廃屋の大群は、大昔に滅びた王龍の里となる前の里の跡地です。」
「滅びた・・いったいどうしてですか?」
「理由は分かりません。伝承なども存在せず、里の老人達でさえ知らないのです。」
周囲の家屋を観察するルパート。
見える限り全ての家屋は激しく倒壊しており、壁が溶けている様な光景も見えた。
ーー何かしら外部的要因があった・・?
じっくり観察をしている時であった。
「シュルルル・・・。」
「しまった、気づかれた。」
瓦礫から一匹ずつ小さなドラゴンが現れた。
目付きが鋭く、口を半開きにしてこちらを見つめている。
首回りには襟の様な皮膚があり全身が濁った黄色の皮膚で覆われている。
まるで、太古にいたエリマキトカゲの様だ。
「こ、このドラゴン達は・・。」
「エリサキドラゴン、本来ならば里を警備するドラゴン達です。」
「じゃあ、襲ってこないよな・・?」
「・・生憎、マーレイン達によって操られています。普段は温厚なんです。」
「そんな・・可哀想です。」
「それなら、大きな怪我はさせない方向でいきましょう。」
ルパート達が身構える。
その動きを見て彼らは一斉に襲い掛かる。
温厚とは思えない獰猛さが見て取れた。
お読みいただき、ありがとうございました!
襲い掛かるエリサキドラゴンにどう対抗するか・・?
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