ソレイユとパラボラ -秘密の茶会-
今回は第三者視点です。メイたちは出ないのでご注意ください
『グリムの町』の中心近くにあるカフェの一室。そこで『白き御旗』の誇るパーティリーダーの一人、ソレイユは約束の相手を待っていた。
「ソレさんソレさん、聞いたっすか?」
「あら、パラボラやってきていきなり何の話でしょう? 約束の時間に間に合ってはいるからいいですけど」
やってきたのは彼女と同じく『悪の洞穴』をメインに攻略するパーティの一つである『アーキテクト』のリーダー、パラボラ。ソレイユが飲んでいたものと同じ紅茶を頼み、そのまま席についた。
彼女たちがこうしてカフェに集まるのは初めてというわけではなかった。まだ第二段階のダンジョンという物が表に出ていない頃にあったとある依頼で一時的に組んでいた時の縁で、時々情報の共有という名目で集まっているのだ。
第一段階を攻略、そして鍛錬に励んでいた頃から続いており、第二段階に挑み、二つのパーティがトップと呼ばれるようになってからはその機会は増えていた。
パラボラはギルドに所属していないためある程度自由に情報は扱えるし、ソレイユの人柄をよく理解している他のパーティメンバーからもこの集まりだけは推奨されていた。一人だけおいしいものを飲み食いしやがってとかも思っても口にしない。
一方で『白き御旗』という巨大なギルドに所属しているソレイユとしては、いくら彼女がリーダーを務めるパーティで仕入れた情報だけとはいえ外部の者に伝えることをよく思われていなかった。しかし、パラボラからもたらされる情報が役に立っているのもまた事実であり、黙認されているというのが現状だった。若干趣味の方向性が偏った人物の多い他のメンバーからは表に出せない愛人との密会も兼ねているのだと生暖かい目で見られていることは知らなかったが……。
「やってくるなりいきなり聞いたか? などと言われても何のことかわかりませんわよ?」
「またまたー。わかってるでしょ? あのボス狩られたって」
「……いなくなったのは確認しました。先を越されてしまいましたね」
「やっぱり真実だったかー……。うちは負けてからまだ潜ってないんだよね。一番重症だったのはあたしだけどこのとーり元気復活あら不思議って感じだから近いうちに潜りはするけど」
「それで、倒したのはやはりユウカ様のところでしょうか?」
「『マツノキ』ね。もしくは、案外『ベラドンナ』が一発でいっちゃったかもよ?」
「確かに彼らも五層に到着したとは聞きましたが、それができるレベルじゃないのはあなたもご存じでしょう?」
「厳しー! 隠し札の一つや二つ、どこも持ってんじゃないの?」
「あったとしても使えなくては意味がないでしょう? あのボスはきちんとやれば戻ることができるというのはギルドにも報告を入れてますし、『ベラドンナ』もまずは情報収集のために一当てすることでしょう。そこで引ききれない可能性は十分あると思ってます。実際、私たちがあのボスを突破できずに足止めをされているというのも隠しているわけではないですし」
「うちがガチで攻略しようとして負けたってのもねー。ほんと、Sランク冒険者って遠いわ」
「生きていて何よりです」
「そこはもうマナちゃんに感謝だね。ソレさんたちならそういうことはないんでしょうけど、うちのメンバーの回復魔法だと死んでたかもって言ってたし」
「ギルドはそっちの方面には強いけど、うちのパーティはまだ足りてないですから。私も含めて」
「それは火力に振ってるせいでは?」
「おだまりなさい。そんなことより、今日の本題は別でしょう? 一度倒され、あの装備がどこまで残ることになるのかまた情報収集からになりましたが、あなた方がやられかけた状況。それは私たちが生き残るためにきっと必要になってきます。今回は私もちでよいですから」
「よ! 太っ腹! 文字通り!」
「殺しますわよ」
「すんませんっした! そんじゃ頭からいきますよ」
そうしてふざける時間は終わり、店側に追い出されないためにも適宜追加注文二人の話は真面目な方向へと舵を切る。そうして、お互いに必要な情報を仕入れ、メンバーに共有するべく、時間は過ぎていくのだった。
どうもコクトーです。
今回は職業レベルは無です。
ちょっと予定の内容を変えることになったので閑話となります。まさかたった一話の中で設定に矛盾があったとかソンナンジャナイヨ
ではまた次回




