冒険の再開です4
「……とまあこんな具合ですね。やっぱり脅威なのはあの魔剣と盾でしょう」
回復魔法により既に傷はないが、できることならこんな場所じゃなく、もっとちゃんとしたところで寝かせてやりたいということで、リーダーが目を覚ますまでという条件の元、『アーキテクト』の面々によるボスの情報提供が行われた。
少しでも早くリーダーを休ませるのであれば担いで連れていくべきなのだろうが、目を覚ましたら歩いて帰ってもらうと『アーキテクト』内の多数決で決まっていた。尚仮にリーダーが反対の一票を入れたところで結果は覆らないようだ。
『悪の洞穴』第五層のボスは二体の大型スケルトンチャンピオンだそうだ。
実際にここから見えているが、ボス部屋との区切りは目の前の扉のみ。ここから『鑑定』はできないな。中に入ると扉が閉まって戦闘開始。しまった扉はロックはかかるものの、幸いなことに頑張れば内側から開けることはできるようで、扉の外にまで追ってきたことは今のところない。まあ『白き御旗』が一回に『アーキテクト』が二回しかサンプルはないが。
二体のスケルトンチャンピオンは全身に様々な武具を纏っており、そのどれもが特殊な効果を持っているらしい。彼女たちの警戒する盾と剣もそうだが、風を起こして弓矢を防ぐ兜だったり、お互いを回復させる杖。鎧については効果はわからないがおそらく装着者にバフをかけるタイプらしい。二体とも若干意匠の違う鎧をつけているから効果も異なるのだろうが、はっきりとした効果はわからなかった。
「うちもソレイユ様のところも、アンデッドの対処にはやっぱり光魔法がメインです。ボスですからある程度耐性があるのは覚悟していましたが、あの盾がある以上そのやり方が一切通用しなかった」
「盾持ちは一体じゃから持っておらん方を集中してともいかんのじゃな?」
「はい。あの盾を中心に広場のほぼ全域で光属性を無効化してきます」
「なかなか便利そうな盾じゃの。別の無効化であればどのパーティも一つはほしくなる性能じゃ」
「ゴールドさんのところなら持ってるかもしれないよ?」
「どうだろう? あそこの職人さんは盾作りに関してはピカイチだけど、あんな結界を貼れるような盾を作るとなると魔道具とかそっちの領分だろうし」
「情報くらいはあるかもしれん。じゃが、連絡の取りようもないし、タダでくれるわけもないからの。ちなみに、その結界はどれくらいもつものなのじゃ?」
「すくなくともうちの面子じゃ結界の解除は無理でした。物理的に殴れるような物でもないですし」
「魔力の高まりを見てたけど、途中で貼りなおしている形跡はなかったよ」
「うちだと光はあんまり使わないから単に盾としてしか意味はなさそうかな? 魔剣の方が広範囲に放てるってことだし厄介かも」
「雷を降らせる魔剣に炎の斬撃を飛ばす魔剣。さらに腰にもう一本持ってるっていったいどれだけの冒険者を返り討ちにしてきたのやら」
「ねー。ここ封印されてたって聞いてたんだけど、冒険者から奪う以外に武器を調達する術でもあるのかな?」
「知恵あるモンスターなどという存在はいくらでもおる。何らかの理由でダンジョンの支配から外れ、宝箱なんかから道具を持って出る可能性はあるじゃろうて。長い間封印されていた間にもダンジョン自体は生きておったのであればなおさらの」
「そう考えると一回倒してしまえばあのがちがちに着込んだ状態では復活しない可能性が高くなるんだよね。少し悔しい気もするけど、今のうちらじゃどうもとっかかりがつかめそうにない」
「普通に近接が強いし、遠距離も完備。後方もしっかり狙ってくるからあんまりタンクも意味がないんだよね」
「なかなか判断力も優れてそうなんだよね。戦闘開始後少ししたらリーダーを集中的に狙いだして、カバーに回ったことでできた隙をつかれて前線が崩れちゃった」
「そんな私を庇ってリーダーはあの状態に……申し訳ありません」
「反省会はリーダーが起きて、帰ってからね」
さすがに自分のことが話されていることに気が付いたというわけではないと思うが、皆の視線がパラボラさんの方に向いたとたんにガバりと起き上がった。
「私のみかんプリン! ……あれ、ダンジョン?」
「「「リーダー!」」」
『アーキテクト』の面々は起き上がったパラボラさんの元に集まる。回復は済んでいるとはいえやはり心配だったのだろうな。
起き上がったパラボラさんに状況を説明すると、パラボラさんは回復魔法をかけてくれたマナに向かって土下座する勢いで礼を述べる。こちらも対価として情報はいただいているから貸し借り無だと話すとやや苦い顔はしながらも仲間の表情を見て改めて礼を述べた。
一応パラボラさんが起きるまでという条件ではあったし、彼女たちから聞きたい情報はあらかた聞くことができた。向こうからは区切りずらいだろうし、こちらから終了を伝えると、彼女たちも準備を整えて外に出るために第四層へと戻っていった。
「さすがに魔剣は人間が使うには大きすぎるけど、他の武具は調整すればいけそうなものもあるな」
「弓矢を弾いてくれる兜とか小さくできれば便利そうだよね。魔装ならそういうのもあるって聞いたことあるし、回収できそうなら狙い目かな?」
「俺としては盾がほしいな。ラウンドシールドとしてでも、背中に背負うような形でも使いたい。光属性の無効化とか俺には必須じゃん」
「ご主人様の弱点がなくなりますね!」
「鹵獲できれば、じゃがな。武具が厄介なのは間違いないが、まだ判明しておらんのがいくつかある。純粋に強さも兼ね備えておるようじゃし」
「『不死殺し』がメインなら盾はあんまり効果がないから、俺とユウカで一体ずつ受け持って、マナが後衛として援護、キャラビーとみぃちゃんが護衛かな。雷対策に黄龍にも出てもらうか」
「ありがとうございます」
「武具を鹵獲したいと考えると今度も炎は厳禁だね。私の得意分野が……」
「『暗の森』や『賤の山』は延焼には気を付けつつもばりばり使ってもらうから」
「まあ今はそれで勘弁しておいてあげるよ。で、いつ挑む?」
「できれば中に入って『鑑定』だけでもしておきたいところなんだけど……やめた方がいいか?」
「キャラビーであれば中の鍵もすぐに開けられるのではないか? 入ってすぐに結界やら盾やらを大量に展開してわしも含めて守りを固め、キャラビーは鍵開けに集中。お主とマナで武具の鑑定を行う」
「見るだけ見て、共有は後回しにすれば1分とかからずできるかな?」
「鍵についてですが、今こうして話せていますから、罠のくくりではないと思います。できればマナ様にも見てもらいたいですね」
「そっか。南京錠とかじゃないもんね。なら鑑定役がメイだけになっちゃうよ」
「ならわしも解析役に回ろうかの。『目』を使うとなると時間がかかるから普通に『解析』じゃが、隠されておったら諦める。それでよいかの?」
「そこは仕方ないさ。というか『アーキテクト』の面々が調べてないと考えると隠蔽されてる可能性は高いし」
「確かにそうじゃな……。わしは護衛につこうかの」
そうして話はまとまり、情報収集目的の偵察戦に入ることにした。今日はもうこの偵察戦で終わり、本格的に戦うのは明日。しっかり体を休めて挑戦だ。
「これで撤退した後、他のパーティがクリアして武具無になったら笑えるな」
「可能性はゼロじゃないけど、それならそれで楽できそうだしいいんじゃない?」
「ボスを倒して武具を奪おうとしていることを考えるとよくはないんじゃがの。では行くか」
全員武器を構えて扉の中に入る。すぐに『魔力盾』と『ダークネスシールド』、そして『全方位結界』を展開して守りを固めると、効果のわかっていなかった武具を優先に『上級鑑定』で調べ始めた。
幻影の魔剣とかいう厄介そうな魔剣に、スピード強化のレギンス、筋力強化の鎧、知力強化の鎧と情報を仕入れていく。扉の前に陣取って動かない俺たちに対して二体のボスは遠くから魔剣を使って攻撃を放ってきた。
「もうちょっとで解除完了! 罠との混合っぽいね」
「……」
話せなくなったキャラビーと協力して扉の解除を進めるマナの言葉を受けて俺も鑑定のペースを上げる。こいつらひじ当ても膝当てもネックレスも効果付きじゃねえか。
「あ……」
鎧の内側にも隠れていそうなのでさすがに全部は無理そうと判断し、一応既に効果のわかっていた魔剣や盾にも目を向けた。そしてそれを見つけてしまった。
『聖魔??の盾』
「……すまん前言撤回。他のやつに取らせるわけにはいかなくなった。潰してくる!」
「え、ちょ、メイ!?」
『魔力盾』の量を増やして守りを強化した後、俺は盾のドームの外に出てまっすぐスケルトンチャンピオンたちに向かって走り出した。
聖魔??のゴーグルに次ぐ第二の装備。そいつは俺の武具だ!
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『最大
ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)
盗賊 (50) 剣士 (50) 戦士 (50)
魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)
冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)
狂人 (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)
神官 (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)
龍人 (20) 死龍人(20) ローグ(70)
魔導士 (90) 精霊使い(40) 舞闘家(70)
有効職業
聖魔??の勇者Lv26/?? 大鬼人 Lv29/40
上級獣人Lv20/30 魔人 Lv18/20
探究者 Lv47/99 狙撃王 Lv21/90
上級薬師Lv21/80 上級龍人Lv6/30
死霊術師Lv49/100 アーマーナイトLv14/99
剣闘騎士Lv14/99
非有効職業
呪術師 Lv1/80 死龍王Lv1/30
盗賊王Lv1/100 大魔導士Lv1/100
上級精霊使いLv1/50』
先週はすみませんでした。その分ではないですが、GW中にもう一話いけるかな?
ではまた次回




