目を覚ましました
「……大分魔力が上がってる感じがあるな。体はだるいけど」
コルクが俺の元に戻ってきた瞬間に流し込まれた『暴食の王』で喰らった超大量の魔法の数々。それを『ベルゼブブ』で処理した結果、膨れ上がる魔力に耐えられずに倒れる羽目になったのだが、今こうしてベッドで寝ているということはマナたちが運んでくれたのだろう。
途中で意識を手放したからすべては覚えていないが、『暴食の王』が喰らいつくした大量の魔法。それらは、二種類に分かれて俺の中に吸収されていた。
また一から調べなおしになった大量の魔法スキル。これらはそのまま魔法として『ベルゼブブ』で吸収したものだ。どうせなら『闇魔法』や『暗黒魔法』のように属性魔法として一つのスキルにまとまってくれればだいぶスキルの一覧がコンパクトになるし、自由に扱えるようになるのだが、今回そういうのはなかった。当然のように削除されている光や聖属性を除いた各種属性ごとに、ボールやレーザーなど攻撃がずらりと並んでいる。威力と使いやすさの関係で割と気に入って頻繁に使っていた『サンダーレーザー』なんかも今回のことであっさりとLvMAXだ。俺の頑張りは一体……。
一方で、パラメータとして吸収された分。これらはおそらく魔法を構成していた魔力のみが『ベルゼブブ』で吸収されたのだろう。こればっかりは推測でしかないが、それらはコルクが『暴食の王』を抑え込んでいた間に魔法としての存在が消えてしまったのと思う。
いくらコルクがバアルコングという暴食の悪魔の名を冠する存在でも、あの暴れ馬をずっと抑え込み続けるのはいくらコルクでも無理だ。周りに被害を出さないように頑張っていても、そのまま無に帰してしまうことはあっただろう。そうした魔法たちが、幸か不幸か魔力としてのみ『暴食の王』に取り残され、『ベルゼブブ』によって還元された。そんな感じだと思う。
『自己爆弾変化』とか『骨大砲』みたいな人の身では使えないと判断されたスキルたちが習得と同時に削除されていたのは薄れる意識の中でいくつか覚えているし、魔法としては使えないからその分を魔力として吸収しておきました、みたいなことはないのだ。いつぞやの『鉄砲弾』のように。
「そういえば血は拭いてくれたのかな。……布団にはついてないよな?」
目や耳から流れていたはずの血の跡はなく、布団をめくってみる限りでは血で汚れている様子はない。それでも念のためにと自分を含めて周りに『クリーン』を使おうとした。
「……発動できない?」
慌てて自分のスキルを確認してみるが、『クリーン』が消失しているわけではなかった。大量に習得した魔法スキルの中にやばいデメリット系スキルが混ざっていないかを確認するが、魔法の使用に支障をきたすようなスキルはなく、なんならパッシブ系のスキルは『リジェネレイト』がLv9へと二段階レベルアップしていただけだ。
「『上級鑑定』」
スキルでないのであれば魔法かと自分の状態を確認する。マナがかけてくれたらしいエンチャントが三種類あり、その中の見慣れないエンチャントプロテクトの効果が原因だろうか。『再生』や『リジェネレイト』などの回復が使えている一方で、他の魔法が使えなくなるなんて……肉壁になれとでも言うことか?
「みんなはリビングにいるかな?」
残念ながら『探知』なども使えないために魔法での把握はできないが、アンナがそちらにいることはわかった。あいつが館の中に入っているってことはみんなも集まっていることだろう。
それほど長時間眠っていたわけではないと思うが、ひとまず無事だということを伝えに俺はリビングに向かった。
「あ、メイ起きたんだね!」
「ご主人様ご無事ですか!」
リビングの扉を開けるとみんなが一斉にこちらをみた。既にアンナとの話はあらかた終わって女子会としゃれこんでいたようで、机の上にあるお皿には疎らにサンドイッチが残っているだけだ。
「心配かけてすまん。もう落ち着いたよ」
「もう! せっかく再会できたって言うのにまさかのお別れになるところだったんだから」
「しゃれにならんからやめんか」
「いやまあ俺も想定外だったんだよ……」
「今なんでもするって」
「言ってない。どんな耳してんだ」
「ちょっと久しぶりすぎて欲望が先走っちゃったよね」
「……寝てる間に何もしてないよな?」
「私を何だと思ってるのよ。いくら相手がメイで、ずっっっとお預けされていた状態だったとしても怪我人相手にどうこうするなんてありえないよ」
「……そうだよな。すまん」
心外だと憤るマナを前に素直に謝罪の言葉を述べる。先にやりだしたのはマナではあるが、いくら何でも俺の考えが飛躍しすぎたようだ。
「まあこうして起きてきたということは何してもいいってことだよね?」
「いいわけないだろ!?」
前言撤回。ハイライトの消えかかった瞳でこちらを見つめるマナの手にはいつの間にかロープが握られていた。左右からはユウカとキャラビーが包囲に参加しようとしており、やはりその手には俺を縛り上げるためのロープが握られている。
「今のメイはエンチャントもできなければ大半の魔法も使えない。エンチャントプロテクトの副作用は強烈でしょ?」
「『クリーン』が使えなかったのはやっぱりこれのせいか!」
「大丈夫だって。メイは安心して天井のシミを数えてね」
背後の扉に手をかけ、逃げ出そうとした足が氷に包まれた。魔法の発動の瞬間が見えなかったんだが?
「今回ばかりはさすがのお主でも無理じゃろ」
「ご主人様、おとなしく私たちにご奉仕されてください!」
主の危機だというのにアンナは動く気配もなく、3人はじりじりとにじり寄ってくる。
「や、やめろ。来るな!」
片っ端から使えそうなスキルを試し、『やわらか熱毛』によってなんとか氷から脱出した俺は、そのまま館から飛び出して森の中に逃げ込む。
翌朝、正気を取り戻したマナに謝罪を受けるまで俺は作り出した骨死体たちに囲まれて過ごしていた。
どうもコクトーです。
『刈谷鳴』
職業
『最大
ビギナー(10) 格闘家(50) 狙撃手(50)
盗賊 (50) 剣士 (50) 戦士 (50)
魔法使い(50) 鬼人 (20) 武闘家(60)
冒険者 (99) 狙撃主(70) 獣人 (20)
狂人 (50) 魔術師(60) 薬剤師(60)
神官 (50) 剣闘士(60) 重戦士(70)
龍人 (20) 死龍人(20) ローグ(70)
魔導士 (90) 精霊使い(40)舞闘家(70)
有効職業
聖魔??の勇者Lv26/?? 大鬼人 Lv29/40
上級獣人Lv20/30 魔人 Lv18/20
探究者 Lv47/99 狙撃王 Lv21/90
上級薬師Lv21/80 上級龍人Lv6/30
死霊術師Lv49/100 アーマーナイトLv14/99
剣闘騎士Lv14/99
非有効職業
呪術師 Lv1/80 死龍王Lv1/30
盗賊王Lv1/100 大魔導士Lv1/100
上級精霊使いLv1/50』
先週はすみませんでした。日曜夜勤の時はやっぱり書ききれぬ…
WBCメジャー組の活躍がえげつないですね!さすがにレベルの差を感じる…
ではまた次回




