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意外と知らない北欧神話   作者: アイスの棒
光の神バルドルの暗殺
59/89

57話 結果


アキは息を切らして裏庭にたどり着いた。人影がヤドリギの若木の前に座り込んでいるのが見える。


「ま、待て!」

「?」


振り返ったのは盲目の神ではなかった。ましてや、ロキでもない。


「フリッグさん!?何故ここに?」

「アキ君こそ何故?私は誰かがヤドリギの結界に入った知らせを受けて見にきたのよ。見て頂戴、ここの枝が折れているわ」


アキは踵を返して走りだした。俺はバカだ!ロキがあんなことを言うなんて怪しいと思うべきだった!全てはアキを遠ざけるための罠だ。フレイヤが見たのはフリッグだ。それをロキが幻術でヘズに見せかけたのだ。ヘズはどこに?突然部屋の中にいたはずだ。それも幻で隠して、盲目の神は誰からも相手にされていない。気にするものはいなかっただろう。


全力疾走で足が痛い、それに加えて冷や汗が滝のように出ている。急げ、急げ!

アキが宴の会場に戻った時、神々はまたバルドルに物を投げつける遊びをしていた。ヘズはどこに?--いた。隣にいるのは、最悪だ、ロキだ。手にはヤドリギの枝を持っている。クソ!アキはバルドルの元へ走った。体が限界に近い。

ロキが耳元で囁き、ヘズは枝を投げた。


「うおぉぉぉおおおおお!!!」


間一髪だった。投げられたヤドリギの枝は、バルドルにあたる寸前でアキが空中でとらえた。枝の継ぎ目が手のひらに食い込み、血が出ている。痛いが、これで助かった。これで、神々の黄昏(ラグナロク)は起きない。やったぞ!アキはやっと一息をついた。

その時、体が勝手に動いた。手に持った枝は光の神の胸に突き刺さった。


「…は?」


響き渡る絶叫、溢れ返る怒号、アキは周りにいた神々に押さえつけられた。

『一回だけ私に肉体を貸してもらう。ほんの1秒間ね』頭の中で冥府の女王ヘルの声が聞こえた。アキは思い出していた。死者の国(ヘルヘイム)の出来事を。


「そんな…そんな馬鹿な…」


押さえつけられた体で、目を見開いた先にいたのは、満面の笑みを浮かべたロキの姿だった。

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