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意外と知らない北欧神話   作者: アイスの棒
恐ろしい三人の子供達
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34話 新たな出会い


翌日、アキはリサと二人で通りを歩いていた。この街から出るための移動手段を手に入れるためだが、アキはうんざりしていた。リサが隣でずっと文句を言っている。


「おかしいよね!?私だってそこらのゴロツキなんて怖くないよ!でもこの街は変なのばっかりだもん!ギュルヴィのバーカ!」


なぜこんなことになっているかというと、それは今日の朝のことだ。

何事もなく一晩を過ごした四人は、出来るだけ早くこの街を離れることで意見が一致した。そのための馬車や馬を探そうという段階で、リサは全員一緒に行動するべきだと力説したのだ。


「リサさん、いいですか?我々は『名前付き(ネームド)』です。ゴロツキどもが我々を恐れることはありますが、その逆はありません。二手に別れた方が効率がいいんです。分かりますね?」


ギュルヴィに対してリサは効果的な反論ができなかった。そうして出発する時に、今度は組み分けは公正なくじ(・・)で行うことを主張したのだ。

特に反対する者もなかったため、くじ(・・)により組み分けは行われた。それがこの結果だ。


「リサ、もう分かったから静かにしてくれ。注目を浴びすぎてるぞ」

「だって…ギュルヴィが悪いよ!今度あのヘナチョコが怖がってる時に脅かしてやるから!」


アキは詩人が幽霊に怖がる様子が想像できなかったが、リサは満足そうだった。


「あれ…?あの双子…もしかして『二対の雫』じゃない?」

「知り合いか?」


リサが指差したのは薄緑と深緑のフードを被った二人組だった。何やら露店の男と話している。


「おーい!」


リサは走り出していた。やれやれと思いながらアキはその背中を追う。追いついた時には既に親しげに話をしていた。


「『月明かり』じゃないか。教会で手配されたからこんなところに逃げ込んでるのかい?」

「『月明かり』はそんなタイプじゃないと思うわ。でも、なんでここに?」


二人ともスノリと同じくらいの年のようだ。子供らしい声だが、落ち着いた雰囲気を身にまとっている。


「いろいろあってね。転移系の魔法で跳ばされちゃったんだよ!早くこの街を出たい!」

「それは災難だったね。転移なんて珍しいものに出くわしてるようだ」

「本当に珍しいわね。あら、この人はどなた?」


双子は追いついたアキを見て言った。アキは落ち着いて自己紹介する。


「アキだ。リサの旅の仲間だ。よろしく」

「僕はアルトだ。よろしく」

「私はソプラノ。よろしく」


双子はフードをとって会釈した。瓜二つだった。


「『二対の雫』はここで仕事?」

「まぁね、神託でここの奴隷を解放するように言われてるんだ」

「ほんと、私達の神様はいつも仕事を押し付けてくるんだもの」


アルトはおどけるように、ソプラノは困ったように言った。


「ふーん、大変だね」

「リサも手伝ってくれていいんだよ?」

「手伝ってくれたら早く終わるんだけどな」

「えー、どうしよっかな…」


リサはチラチラとアキの顔を見ている。また面倒ごとに巻き込まれることになりそうだ。アキは仕方なく頷いた。


「いいよ!手伝っても!その代わり仕事が片付いたら一緒に馬車に乗せてくれる?」

「ありがとう、それは助かるな、もちろん構わないとも」

「今日は情報を集めるから、また後で会いましょう」


双子から宿の場所を聞いて、アキたちは別れた。普通の宿屋のようだが、『名前付き(ネームド)』が二人も加わるのだ。襲おうと言う輩は痛い目を見るだろう。それに、もう一度鍵付け婆のところにいくのは、リサが許してくれなさそうだった。

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