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鬼火、灯る夜  作者: 柧貊
6/9

第六話

「なあ」

「ああ、誰かと思ったら鬼か」

「おう。 …あのさ」

「なんだ? 飯なら食わせんぞ」

「…なんか、仕事手伝えねーかな」

「…………はぁ?」

「だから、なんか手伝うって!」

「…ついにおかしくなったか」

「だぁ~~~もうっ!! 違え!!!!」


面倒くさくなり、俺は村人に事情を話した。

凛の病気の部分は詳しく触れなかったけれど、とにかく金を貯めておきたいという事を第一に話した。

すると村人は

「そういう事か。なら遠慮なく手伝って貰おうかな」

と、快く了解してくれた。

つくづくここの村人はいい奴ばかりだと思う。


「なら、俺は何をすればいい?」

「あーそこの畑に水やっといてくれ。それから…」











「ーーいやー助かった! ありがとな!」

「お、おう…… 疲れた…」

俺が頼まれた作業を一通り終えた頃、辺りは薄暗くなっていた。

「はぁ…」

農作業ってこんな大変なのか。

俺はこんな大変な仕事をしている村人に、毎日ちょっかいをかけ、仕事に必要な道具を奪ったりしてたのか。

「………」

なんか俺、酷い事してたな。

これからやめよう、うん。

「はい鬼さん、お疲れ様」

「えっ? …これは」

「お駄賃だよ。金が必要だから手伝ってくれたんだろ?」

「あ、あぁ…ありがとう」

「少なくてわりいね。こんなんで良ければ明日も来てくれ」

「ああ。」



その夜。

「へえー、千尋 偉かったじゃん!」

「まあな」

「でも無理しないでね?」

「大丈夫だよ。 それより凛、お前もう寝たら?」

「えー、もうちょっと一緒にいたいよ。」

「…っ」

こいつ、可愛過ぎるだろ。

「………千尋」

「ん?」

「好き」

「…どうしたよ、改まって」

「………もう、持たなさそうだか……ら…」

「……!? 凛!?」

………あ、寝ただけか。

「………………っくそ」



「持たなさそうだから」

それって凛の体が? 命が? 寿命が…?

「…やっぱり……」









薬を手に入れるしかないか。

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